ぴよさんの映画レビュー・感想・評価

ぴよ

ぴよ

収容病棟(2013年製作の映画)

5.0

ワン・ビンの映画はどれも同じ撮り方なので被写体が全て同じ人間であることに気付かされる。唯物論的映画と言えるかもしれない。

嫌がる夫に流行歌を無理矢理聞かせる妻が意地悪な顔をしていて、入院に至るまでの
>>続きを読む

新バビロン(1929年製作の映画)

5.0

(35mm)
照明と演出が素晴らしい。サイレントで複雑なストーリーを語り得てる。

最も雨が美しいモノクロ映画かもしれない。濡れた煉瓦のきらめきも海原のよう。

タオルを振り回すシーンの迫力が凄い。
>>続きを読む

朝から夜中まで(1920年製作の映画)

5.0

(35mm)
これぞ表現主義。ムルナウに比肩する映画。

文学的なので複数回観る必要がありそう。各章の独立性が高いので、新聞小説のような味わい。

シヴィリゼーション(1916年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(35mm/1931年再編集版:87分)
映画=映像というメディアの可能性と危険性を併せ持っている。

今の日本を風刺してるような映画が100年以上前に製作されている事実。ネトウヨが観たら怒り狂いそう
>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

(IMAX)
これだったら3Dで観たかったが3D上映は無かったのか。ことさらIMAXで観る必要はなかった。

コングが独身初老男性っぽくて辛かった。子供に近づいたら羽交締めにされるし。

劇エヴァの弐
>>続きを読む

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

-

ミソジニーが想定する女性とミサンドリーが想定する男性しか出てこないので、コメディだとしても有害。

“浪費”が娯楽だった時代の記録。

荒んだダイナーの描写は良い。

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

5.0

かつて観た時の記憶通りの映画だった。異なる部分もあるが、その印象は見事に昇華されていた。

自分がオールナイトを企画するなら最後の一本に選びたい。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「それ味じゃないですよね」というセリフは、気の利いたことを言おうとしてスベったということを表しているが、さらに踏み込むならば、先に味についての感想を言われてしまったのでテレビの撮れ高を気にするような振>>続きを読む

幻の湖(1982年製作の映画)

5.0

(35mm)
名作。うっかり笑ってしまうが大真面目な作品だと思うので、真顔で観られる観客と真剣に観たい。4Kリマスター化希望。

「トルコ嬢」を男性に使い捨てられる客体ではなく、自ら人生を選ぶ主体とし
>>続きを読む

眠る男(1996年製作の映画)

-

(4Kレストア版)
ロケ地に行きたくなるので成功してるように思う。

非商業映画として撮られているのは明らかだが、そんなに違和感ないのはソヴィエト映画などに近いからかもしれない。公金で作られてるし。
>>続きを読む

伽揶子のために(1984年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(4Kレストア)
弱火で煮込むような映画。終盤よかった。

4Kカラーの殿山泰司という珍しいものが見られた。

イマジナリーラインを意識すること自体が直接映画を面白くすることはないと思うが、無視すると
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

SNSの議論からアメリカ大統領選、ひいてはウクライナやパレスチナに対する世界の在り方まで視座に入れてるが、一方で、それを映画によるメタファーで上手くまとめることにどれだけの価値があるのだろうか。

>>続きを読む

走れない人の走り方(2023年製作の映画)

1.0

監督という立場の傲慢さが淡々と描かれる。

少なくとも自分は生活費を削って映画を観に来る人のことを考えて映画を作ろうと思った。

芸大生は戦争や物価高に実存を脅かされなくて羨ましいですね。

「MVな
>>続きを読む

鉄西区(2003年製作の映画)

5.0

「弘法筆を選ばず」のような撮影に圧倒される。

豪傑児雷也(1921年製作の映画)

-

(デジタル/声色掛合)
幻術という名の編集。映画という名の幻術。

血煙高田馬場(1928年製作の映画)

-

(デジタル/2024年最長版/弁士:山城秀之)
チャンバラというよりスクリューボールコメディ。

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

コナンの映画が「国民的」になっているのは、30年続いているがゆえに「これからも変わらない日本」を夢見られるからだと思った。

しかし、「武器商人」など剣呑な存在が自然に描かれ嫌な感じである。

その他
>>続きを読む

羊飼いと屠殺者(2016年製作の映画)

5.0

「責任能力」を問う稀有な裁判映画。見事。

冒頭から、車が出てくるシーンにこだわりを感じる。絵作りには少し黒沢清っぽさもあった。

【メモ】
『略称・連続射殺魔』(1975)

青春(2023年製作の映画)

5.0

本邦今年公開の映画で本作を越えるのは無いかも。

フィクションみたいなショットが続くが、適切に距離を取った結果だというのも頷ける。

エスノグラフィーを体験するような映画。

人狼 JIN-ROH(1999年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(DCP)
川沿いで崩れた髪をかけ直す一連が素晴らしかった。

数少ない文学アニメーションという感じ。ロシア映画ぽい間と空気も良い。

最初から最後まで「オタクの妄想」であることには留意したい。

>>続きを読む

BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年製作の映画)

5.0

(35mm)
アニメ映画をフィルムで観る価値を教えてくれる。

横田基地がオフィシャルで協力してるのが凄い。内容的に。

音響がしっかりしてて驚いた。

ジェヴォーダンの獣 ディレクターズ・カット(2001年製作の映画)

1.0

20年前の映画なら仕方ないと思いつつ、こんなもの上映しないでほしい。

当時どういう評価だったか判らないが、B級モンスター映画然としてればまだ許せた。

金払って映画館に来た観客にスローモーションや一
>>続きを読む

グラディエーター(2000年製作の映画)

5.0

(4K)
これは映画館で観ないと意味がない。

アクションだけでなく、ちゃんと政治劇になってるのも良い。

この頃から虚言癖のホアキン・フェニックス。

熱砂の記憶 -ラガーン撮影記-(2004年製作の映画)

5.0

本作を観るために『ラガーン』を観る価値があるといっても過言ではない。インド映画史を垣間見られる。

当初、主演俳優がストーリーに否定的だったの面白い。

みんな英語でインタビューに応えてる。この時点で
>>続きを読む

キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

-

(BD)
さすがに観てた。微妙にタイトルと噛み合ってないから忘れる気がする。

我輩はカモである(1933年製作の映画)

-

(BD)
短絡的に戦争を始めるのがギャグのはずなのに笑えない。

マルクス兄弟デパート騒動(1941年製作の映画)

-

(16mm)
ショッピングモールを舞台にするゾンビ映画に通じるものがある。

マルクスの二挺拳銃(1940年製作の映画)

-

(16mm)
パロディの前提とするものが多く、なかなかハイコンテクストな気がする。

THE MOLE(ザ・モール)(2020年製作の映画)

-

大枠にある事実をわかりやすいシナリオとして提出された感じ。映ってることは本当かもしれないが背景については(映画の意図とは関係なく)信用できない。

西側が考える(プロモーションしている)「東側の世界」
>>続きを読む

>|