ぺんじんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ぺんじん

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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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おじいちゃんのスクラップブックのスライドショー。突然デカいBGMが流れてビックリするので結構不快。
コミュニズムを扱っているのは分かるけど、一つにまとまってる感じは無いので、アート作品としても中途半端
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Here(2023年製作の映画)

4.1

木の葉を打つ雨の音など静かな環境音に包まれる映画。そこら辺の睡眠動画よりも眠気に誘われる事間違いなし。
バカンス前に冷蔵庫を空にする為、1人の男性が残り物で作ったスープを配るんだけど、その先でのなんて
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.9

電車の中で寝過ごしてしまったお母さんが、自宅に帰る為に夜の街を歩いていく様子をちょっと離れた視点から捉える物語。
特に大きな事は起こらないけど、その場その場で一夜限りの関係性が出来る感じがほっこりする
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

2人の女性が男たちとのしがらみを一つ一つ脱ぎ捨てていって、自由へと突き進んでいく感じが爽快なロードムービー。テルマとルイーズのそれぞれのキャラクター&男性観が違うのも面白いし、2人の関係が後半変化して>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.2

ドラマ5話ぐらいでやる話をギュッとした感じで、なんか色々と無理があるストーリー展開が多い感じ。説明台詞も多いかな。
キャシーの未来予知描写がしつこい割には、あんまり強く無い敵がスルスルとターゲットを見
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.2

3時間かけてホアキン・フェニックスが「僕が間違ってたよ、ママ〜!」っていう映画。スタート地点とゴール地点が一緒という、虚実が入り混じった悪夢の『オズの魔法使』っぽい。
それぞれのエピソードは面白いけど
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

この内容で3時間近くの上映時間は流石に厳しい所があるけど、映像と音の心地良さからなんだか最後まで見れてしまう不思議な作品。
劇中映画も含めて、年老いた男たちが忘れ物を探してゆく物語。ドライヤーの『奇跡
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.1

1985年版と比較すると、ミュージカル演出はもとより、今作の方が自己決定、赦し、大家族をテーマにしていて、キリスト教的な要素が強くなっていると感じた。
前作よりも原作小説に忠実で、ズボンの仕立て屋や最
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カラーパープル(1985年製作の映画)

4.4

20年代初頭アメリカ南部、男性たちに虐げられる若き姉妹の困難な人生を描いた作品。
コメディ的な表現もあるけど、逆光を活かした撮影や嫌らしい暴力表現などスピルバーグらしい演出が満載で嬉しい!全体的には終
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

PMSとパニック障害という外からは分かりにくい病気に対して、日々の何気ない言葉の掛け合いや生活の手触りをゆっくりと確実に当ててゆく所が良かった。
監督の前作『ケイコ 目を澄ませて』と同じく、市井の人々
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.2

こういう最近あった実話系のストーリーを上手くエンターテイメントに落とし込むのは流石ハリウッドだなと感じる。似たような話だと『マネー・ショート』があるけど、こっちの方がヘッジファンドの空売りに対する個人>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.7

時間が進むにつれて、伝わってくるステージと観客の熱気!
単なるライブ映像では無く、出演者のアップの映像を差し込みながら再構成する事によって、アドリブ満点のステージを目の前で味わっているような感覚を味わ
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神の道化師、フランチェスコ デジタル・リマスター版(1950年製作の映画)

4.3

フランチェスコを中心とした修道士たちがある村に住居を作り、そこを離れるまでを描いた説法エピソード集。
あまり堅苦しくなく、修道士たちの生活をユーモラスに描いている感じが面白かった。どこか達観しているフ
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罪と悪(2024年製作の映画)

4.1

途中までミステリー的な展開かなと思ったけど、そこは焦点にならず、中学生の時に罪を犯した3人の関係性の話で終わるのが今まで見た事が無い感じで面白かった。
ただ反グレと暴力団のとことか伏線みたいエピソード
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あるじ(1925年製作の映画)

4.2

最初は父親が全方位パワハラマンで胸糞悪かったけど、パワフルなマッス婆さんが徐々にやり返してきてからはコメディ調になって楽しかった。
「家事を舐めるな!」「奥さんを大事にしろ!」という、ありきたりだけど
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.7

自身の赤ちゃんの脳みそを移植された女性版「フランケンシュタインの怪物」がセックスを通じて世界を理解してゆくコメディで面白かった!監督がヨルゴス・ランティモスだからもっと毒気がある感じかなと思ったけど、>>続きを読む

吸血鬼(1932年製作の映画)

4.2

吸血鬼というとあの美女の血を吸う「ドラキュラ伯爵」が頭に浮かぶけど、今作では吸血鬼を実態の無い影のような存在と描いていて面白かった!特に影だけが動くシーンだったり、フィルムを重ねて魂が体から抜け出るシ>>続きを読む

ミカエル(1924年製作の映画)

3.9

年老いた芸術家が美しい青年を寵愛するも、次第にその手を離れていってしまうという、逆ピグマリオン効果みたいな話。
芸術家とモデルの愛憎入り混じった関係は面白いけど、同じような展開がずっと繰り返されてしま
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.9

アイルランドの美しい風景の中で、少女が自分自身の存在を見つけてゆく姿にグッとくる!
ただ似たような物語は結構あるので、それに比べると特筆すべきものは無いような感じ。少女は口数が少ないので、少女の視点か
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千年女優(2001年製作の映画)

4.7

文字通りまさに「圧巻」のアニメーション絵巻!
戦中生まれの伝説の女優が自分の女優人生を語るというシンプルなストーリーを、虚実をシームレスに繋ぎ合わせながらもギリギリ混乱しないぐらいの演出に抑えている所
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

4.3

主人公が感じる恐怖を映像でしっかりと見せてくれていて素晴らしかった!
田舎が舞台だから『悪魔のいけにえ』、『ミッドサマー』的な田舎ホラーだと思ってたけど、どちらかというと『ロブスター』、『聖なる鹿殺し
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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.4

メジャーリーグの地区優勝決定戦の結果をなぞるように、徐々に破滅へと向かってゆくダメ刑事を描いた本作。
とにかくハーヴェイ・カイテル演じる刑事がとにかくダメ!ドラッグ、ギャンブル、権力を盾にしたセクハラ
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悪魔のシスター デジタルリマスター版(1973年製作の映画)

4.3

死体処理の所とか警察調べ過ぎないにも程があるだろ!みたいなシーンとかミステリー的に雑な部分は結構あるけど、スプリットスクリーンとかギミック満点な絵作りがとても良かった!
特に催眠術のシーンなんかはその
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.1

冒頭のニ〇三高地の戦いなどアクションシーンはどれも迫力満点で楽しかった!ただ漫画の連続したストーリーをギュッと短縮してしまっているので少しダイジェスト気味になっちゃっている感じ。だからキャラクターは多>>続きを読む

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.4

クローズド・サークルものだとそこが閉じられた空間であり、誰もそこから逃げられないという説得力が必要なのに、舞台が海辺近くの開けた場所にあったり、普通の一軒家なのに体験型ゲームみたいな演出だったりと、ミ>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.0

『シャザム2』と同じで、ツッコミ所はあるけど、肩肘張らずに楽しめるエンターテイメント映画の続編って感じで良かった。60年代SF映画のようなセットもGOOD。
それにしてもシン博士が侵略計画に明らかに引
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ファニー・ページ(2022年製作の映画)

3.9

ボンボンの高校生が自分の絵の腕だけで生計を立てようとするんだけど、結局失敗しちゃうという王道の家出ストーリー。
主人公がちょっとシンプソンズみたいな下品なコミックを描くんだけど、師匠も含めて周りの人た
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

原作を読んだ後だと青春映画寄りのウェットな演出になっている印象。
聡実と狂児とのやり取りは素晴らしいけど、原作に無かった聡実の中学校周りの演出が上手く2人の物語にハマっていないような気がした。映画部の
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.0

鳩に始まり鳩に終わる。自身の個展を前にして、お湯の出ないシャワー、友人関係や家族関係にイライラする芸術家の等身大の悩みを描いていて面白かった。
彼女が制作した彫刻がいつ粉々になってしまうかハラハラした
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アース・ママ(2023年製作の映画)

4.4

麻薬使用履歴もあるため、実の2人の子どもを養護施設に預けざるを得なくなった、妊婦のシングルマザーのお話。
更生プログラムに従っていければ良いんだけど、貧しさ、焦り、妊婦としての苦悩、そして周囲の関係か
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.1

大災害でほとんどの建物が崩れているのに、あるマンション一棟だけがほぼ無傷で立っているというありえない状況だけど、災害時の人間関係を寓話的に描いていて面白かった!
最初オドオドしていたイ・ビョンホンが権
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

地方の親族企業の相続争い、大きな湖、高台に建てられた洋館など『犬神家の一族』要素ムンムン。
横溝正史作品よろしく一族の人々が惨殺されていく感じは血の量もあって楽しいんだけど、後半部分は詰め込み過ぎてい
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.3

雨のシーンとか全体的にねっとりしているんだけど、ストーリーは付かず離れずのプラトニックラブというギャップが良き。
ウォン・カーウァイにしては抑えめな演出がラブストーリーにバチっとハマってる。
ムワンと
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

社会に上手く馴染めない妙齢の男女のラブストーリー。電話番号書いた紙が無くなっちゃうという、めちゃくちゃアナログな展開が逆に新鮮。
直接のストーリーとは関係ない、反戦メッセージを込めているとこも印象的だ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

日本人スタッフも多いから、東京のロケーションについてはかなり詳細に調べられているけど、盆栽、自動販売機、キレイなトイレ、首都高などの日本といえばコレっ!という記号が出てくるあたりは、外国人観光客目線の>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.5

ポール・キング監督作の『パディントン』と同じく、純粋な若者が異国の地で苦しみながらも、周りの助けもあって成功を勝ち取るという貴種流離譚的ストーリー。
ティム・バートン版『チャーリーとチョコレート工場』
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