橘さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.3

命の重さが同じでなくなる、それが戦争。
同じ国の中でもそう、この作品だとライアン二等兵と、ミラー大尉率いる救出部隊の命の重さは同じではないです。ライアン二等兵は絶対に帰還させないといけないけど、救出部
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.6

70年代に考えられた、ディストピアな2022年。
もう去年なので、階級差と食糧難と識字率低下がここまでではないというのがわかっているけど、この先こんな世界にならないという保証も無いわけで……という薄ら
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

野生動物とは目を合わせてはいけない。それはそうです。
人でないものには人の理論は通用しないので…(最近どこかにも書いたな。黒澤明の『夢』か)

お猿の話はどこにいったんだろ。子役の子がほんとにスティー
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肉体の門(1988年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

強くて綺麗な女たち。弱さや翳もチラチラ見えるのがまた………エロスは大胆だし良い身体の女優さんばかり。タイマンも本当に殴り合ってる気がする。
女優さんたちも俳優さんたちも、キリッとしてて格好良かった。お
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男と女と魚料理(2022年製作の映画)

3.3

「全ての情報を知っておく必要はないが、常に新しいものを学ぶ姿勢を持っていることが大切です」。
知っている事が増えると選択肢が増える。大切なことです。

素敵なレストランだ、ふたりともお箸で食べてるなぁ
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ヒューマン・ハイウェイ(1982年製作の映画)

3.6

始終だいたいがゴキゲンなのだけれど全く話がわからなくて楽しかったです。ヘンテコ。
曲も良いですねだいたい……何もかも終わったラストであの人形の人がホラーフォントで歌ってるのがボブ・ディランの「Blow
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永遠に美しく…(1992年製作の映画)

3.4

ブルーシートを広げる、メリル・ストリープとブルース・ウィリス。。
懐かしのブラックコメディ名作、楽しみました。
ゴールディー・ホーン綺麗だなぁ、メリル・ストリープも綺麗。赤白ドレスも良いけど、黒のシッ
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マーズ・アタック!(1996年製作の映画)

4.0

面白かった!!
監督さんも役者さんたちも楽しそうだなぁ。アッサリ退場していく。。
ジャック・ニコルソンさんほんとノリノリで、役を打診されたときに「全部」って言ったという話も納得です。二役してたのに両方
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ひとまずすすんだ、そのあとに(2014年製作の映画)

3.5

『ひとまずすすめ』の後日譚。
ひとまず進んだらちゃんと変化していたのが良い。

工藤さんも別のタイプの不器用だったか……繰り返しになりますが、現状変更は誰にとってもしんどい。
主人公も思い切って冗談言
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ひとまずすすめ(2015年製作の映画)

3.5

現状変更はしんどい。エネルギー要るし、傷付きたくない。わかる。
「父の世話」を言い訳に、なんとなくここまできてしまった主人公です。
でも、弟の結婚と同居、義妹の出産で実家に居づらくなって、年齢的なプレ
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ジェイン・オースティンの読書会(2007年製作の映画)

3.5

とある読書会で出会った年上の友が「この映画で読書会楽しそうと思ったから参加した」みたいに言ってて、それからその時出会ったもうひとりとその人が連れてきたひとの計4人で定期的に読書会を開催していたのを思い>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

3.9

箸が転がっても可笑しい年頃の女の子の煌めきと、色々ありましたね…な痛みと。眩しい……。。
花もアリスも可愛くて尊い。てっきり下の名前がアリスだと思ってたら、“有栖川徹子”でアリス。言われてみれば、とて
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(1990年製作の映画)

4.1

「死神に名刺貰ったってどうしようもない」(もし病気で余命宣告されるなら病名告知前に言ってみたい台詞ナンバーワン)

夏目漱石の作品で一番好きなのは「夢十夜」なので、黒澤明が「こんな夢を見た」をやるなら
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アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

3.8

やったらんかい!!!!

関西人じゃないのに「なんでやねん!」とひたすら脳内でツッコんでしまう。
でも、年齢一桁の頃によくテレビ放映してた旧き良き王道カンフー映画は踏襲されてて嫌いではないです。トンデ
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クローゼット(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

家族を顧みない父が娘のピンチに本気になる…それは『新感染』と同じ文脈。今回は、ピンチなのこの父娘だけだけれど。
こちらも子役が上手いです。イナもミョンジンも上手くて心がつらくなりました。
イナは手遅れ
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リアリティ・プラス/リアリティ+(2014年製作の映画)

3.3

1日12時間だけ好きな容姿になれるシステムを身体に埋め込んだ男の話。
身体自体が変化するわけではなく、システム使ってる人の目にはそう見えるようになるだけ。自分自身の目には男前に見えるし、システム使って
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四月物語(1998年製作の映画)

3.7

片想いして上京した新大学生の眩しさ。
そんな子が松たか子さんなのでもう透明感で撃ち抜かれてしまいました。

松さんが進学のために北海道から上京するシーン、駅で見送ってくれるのがリアル松本家なのもグッと
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.7

冷戦時代の映画だけれど、現代でも未だリアルに感じられて心が揺さぶられました。
「アメリカ空軍は絶対こんなことしません」みたいな宣言が始めにあるし、基地にある看板のスローガンは「Peace is our
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ガタカ(1997年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

最近でもないけれど、お騒がせイーロンさんが集合の真ん中を「You are here」と呟いてた作品群「華氏451度」「すばらしい新世界」「1984年」がありますが、ツイッタランドで「足りん!」と追加さ>>続きを読む

ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.5

ストックホルム症候群の起源で、スウェーデンで初めてテレビ生中継された犯罪事件“ノルマルム広場強盗事件”を描いた作品。
ストックホルム症候群は存じていましたが、人質が犯人に肩入れしていく過程がすごくよく
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ブルー・イン・ザ・フェイス(1995年製作の映画)

3.7

『スモーク』の続編というかついでに撮りましたみたいな作品ですがこっちから先に観ちゃった……面白かったです。
タバコ屋さんに集う人々の言い合いと、ブルックリンについてのインタビュー集みたいな構成。6日間
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.5

良い。淡々としてるところが好きです。
主人公の成長物語だけど、よく考えなくても闇堕ち。ハッピーエンドでバッドエンドです。
登場人物全てメランコリックだけれど、一瞬の幸せのために生きていくのが人生だ。酒
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ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)

3.6

「みんな復讐が好き」

ジャッキー・チェンのアクションは、往年の派手なキレは無いけどその分最低限の的確な動きで、役柄と相まって復讐の鬼になってる歴戦の猛者な雰囲気が出ていてとても良かったです。一切笑い
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向かい風(2022年製作の映画)

3.3

赤い空に立ち並ぶ風力発電機の黒いシルエット……な始まりで不穏な映画かと思っていました。

「爆破するから立ち退いて」とやってきた警察官な夫と、「貴方はすっかり資本主義に染まっちゃって〜」とか言う環境破
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CURE キュア(1997年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

救済する人が間宮から高部に移ったのか……伝道師。
抑圧してきたものを解き放たずにはいられなくなるなら、間宮より高部さんの方が力が強い気がします。佐久間は間宮に呑まれたけど、高部さんは返り討ちにした。高
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さよならみどりちゃん(2004年製作の映画)

3.4

解りやすくダメ男だけど、これをリアルと言われると……リアルですね。あるあると言いたくないけど確かにある。
わたしの思う平成3大沼男は、『愛がなんだ』のマモちゃん、『南瓜とマヨネーズ』のハギオ、そしてこ
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.9

何が引き金だったのかわからず、延々と2月2日を繰り返すお天気お兄さんの孤軍奮闘記。
そんなフィルは同僚で居たらリタみたいな態度取るわ…ってくらい嫌なやつでしたが、憎めないビル・マーレイさんのコメディア
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.8

イケオジ(イケてるおじいちゃん)に目がないのでこの映画も楽しく観ました。
クリストファー・ロイドさん格好良い……目が爛々と輝いていた。「ハハーッ(`▽´)倅!」。
父ちゃんもおじいちゃんも義弟も、ユリ
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

3.8

先にビョルン・アンドレセンさんのドキュメンタリーを観ていたのでこの作品を手放しで称賛することは出来ないのだけれど、それでもビョルン・アンドレセンさんだけでこのスコアを付けてしまう程の圧倒的な美。美の暴>>続きを読む

ブルークリスマス(1978年製作の映画)

3.7

ラスト10分…雪に映える青い血と赤い血。ブルーなクリスマス。。
血が青いってだけで何もしてないのに、人はよく知らないものが恐怖の対象になるから…が行き過ぎていました。


数シーンだけなのに天本英世さ
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東京原発(2002年製作の映画)

3.9

ギリギリのライン…でもないや、完全に国を皮肉って、問題提起しようとしている作品に思えます。面白かった!!
ギリギリ過ぎるので取り上げられてないのかも?豪華キャストなのに勿体ないです。
台詞の数々も、画
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箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

最近はホラーにも若干強くなりました。ジャケットの印象でスプラッターかと身構えてたらサイコサスペンスだったのでよかった。嗜まずにサッと観ても大丈夫だったな。

どうやらかなり訳アリな姉妹と継母、実父。
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.7

落ち着いた作品でした。
ドイツの暗号〈エニグマ〉の解読が軸だけれど、理解され難い天才や法律違反だった同性愛、ソ連のスパイ、男性と女性の職業差…と要素多かったけれど、全ては絡み合ってて、歴史もの!と思い
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迷惑なクマ(2021年製作の映画)

3.6

〈クマ注意〉の看板、ホッキョクグマに注意。
人に危害を加えないよう住人や警察はクマを一生懸命追い立てるだけで、これクマにとっては優しい気がする。駆除対象だったら、あんなに罠も置いてるんだしカナダは銃火
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The Flying Sailor(原題)(2022年製作の映画)

3.1

走馬灯と臨死体験、昇天してるのかなぁというときなんとなく牧歌的だけれど、その後現実に引き戻される緩急が良かったです。

あの近距離で爆発したのにおじさんは霧散せず、目立った火傷もせず全裸になるくらいな
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白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)

3.5

「聞かれてもないのによく喋るやつの話は信じるな」。
無になって作業出来るかな映画その2。
でもさすがイヤミス湊かなえ作品…無になりきれませんでした。。
虚無にはなりました。自分に都合のいいように記憶を
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