みやびさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

路面電車(1966年製作の映画)

5.0

キェシロフスキのボーイ・ミーツ・ガール

人が一瞬一瞬、その時々に選択する行動から偶然的に生まれる運命の結末。
これは運命と偶然が織りなす愛についての物語。

ひとつひとつのカットが本当に美しい。
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チルドレン・オブ・ザ・コーン(1984年製作の映画)

2.9

ホラーとしてもサスペンスとしても、ツッコミどころが多すぎて微妙だった。
前半は緊張感ある演出で魅了されたが、中盤からかなり駆け足のペースで物語が進み、チープな映像が目立つ。
でもそんなにつまらないわけ
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コンプライアンス 服従の心理(2012年製作の映画)

4.0

全ての意思決定権を権力者に明け渡せば、事件に関与した責任を問われないのだろうか?

本作はファーストフード店に警察を名乗る電話をかけ従業員を洗脳し間接的に性的暴行をさせるという、実際にあった事件を元に
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.3

スリリングで見応えのあるアクションシーンは良い。
アクションは本当に現代邦画の最先端だと思う。

阪元監督作品の特徴のひとつである日常パートのゆるゆる感が生み出す独特の世界観が、今作では悪い方向に向か
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食人族(1981年製作の映画)

4.7

「食人族」を追うドキュメンタリーの撮影で、アマゾンの奥地に入った男女4名のクルーが消息を絶った。
人類学者のモンロー教授は、4人の雇い主であるテレビ局から依頼され、クルーたちの捜索とフィルム回収のため
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

2.6

おなかいたい

襲われているのに逃げようとしない登場人物が無能すぎる。
プーさんが殺人鬼というインパクトある設定は良いと思うのだけど、脚本になんも活かされてなくて残念すぎる。
プーさんの知名度を利用す
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アメリカン・サマー・ストーリー アメリカン・パイ2(2001年製作の映画)

2.5

くだらなさが1よりも洗練されていた。
サントラがめちゃめちゃ良いけど、ただ本当にくだらない。

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.8

ナチスドイツによるホロコーストの始まりとなったヴァンゼー会議。
この映画はアドルフ・アイヒマンによって記録された議事録に基づき、会議を忠実に再現している。

凄まじい。
細部までこだわって作られている
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絶好調(1965年製作の映画)

3.8

草原でソロキャンプをする青年。
ただの草原だから、文明の力が使えずコーヒーすら沸かせないような不便な環境でも自然という自由の象徴に囲まれている。
しかし、警察官に管理の行き届いたキャンプ場に行くように
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

2.0

だめだった。
ウェス・アンダーソンがわからない。
彼の作品は大体観たことがあるけど何となくハマらずで。
あの中で唯一面白いと思えたのが小学生のときに観た『ファンタスティック Mr.FOX』だし、この映
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人形劇ギルド(2006年製作の映画)

4.0

美しくなんかなくて
優しくも出来なくて

夜と朝をなぞるだけの
まともな日常

華氏911(2004年製作の映画)

3.0

この系統の作品を観る際には1個人が見た景色に過ぎない、ということを忘れてはいけない。
自分の中で見た事や得た情報をきちんと処理をして噛み砕かず、ひとつのことを無知に信じてしまうのはプロパガンダに踊らさ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.5

一作目はタイトルの通り観る側をマルチバースへと引き込む役割、そして二作目となる本作は多様なマルチバースが交錯するという拡張の役割。
さらに今までにあるマルチバースを扱った作品とはまた違った新しい視点の
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.8

誰にでもある「日常」が映画という形になって私たちに届いている。
画面に映っているのは単なる物語ではない、私たち自身のこと。
映画の中に閉じ込められた複雑な人間関係が5時間17分という長尺で淡々と映し出
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.9

想像以上に良かった。
音楽、映像本当に素晴らしい。
元々、アニメ版もストーリー重視ではなかったし、本作も結構あっさりとしてたから完全に映画館向きの作品だなと。
それでもアニメ版より陸への憧れというか執
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クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)

4.4

自分の頭に受信機、指には送信機が埋め込まれていると信じている主人公ピーター。
彼は自分のように育たないため、と言われ愛する娘と引き剥がされて暮らしてきた。
一方で子殺し殺人犯を追う刑事は、不揃いな証拠
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デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜(2005年製作の映画)

4.3

1より全然良い。
相変わらずサントラの入るタイミングもチョイスも最高。

途中、ハートフル家族ものかと思った。
いや待てよ、となる。
復讐系ってだいたい成敗してお終い!の印象だったから、予想からかなり
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マーダー・ライド・ショー(2003年製作の映画)

3.4

サントラの入るタイミングが神がかってる。
映像も演出も特に小道具はセンス爆発、みたいな。
世界観ツボだった。
中だるみ感は否めないけどそれなりに楽しめた。

マーベルズ(2023年製作の映画)

2.9

ラブ&サンダーと近いもの感じる。
やりたいこと沢山あったんだろうけど、めちゃくちゃにとっ散らかってて個人的にはもう少し落ち着きがある方が好き。
でもメインキャラの描き方は割と好きだった。
ヴィランは過
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イディオッツ(1998年製作の映画)

4.5

黄金の心三部作のひとつ。ドグマ95に則って製作された本作はかなり実験的な映画ということもあり、『奇跡の海』や『ダンサーインザダーク』とはまた一味違った作風となっていた。

ストファー率いる“イディオッ
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ロッキーVI(1986年製作の映画)

3.2

カウリスマキによる、階級無視の理不尽ボクシング。
荒廃的な街並みが申し訳程度のロッキーリスペクトてこと、?
チャップリン映画を彷彿とさせる巨漢とイキがってるガリ、謎に5ラウンドまで行ってたり、結構ネタ
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地獄のバスターズ(1976年製作の映画)

3.6

タランティーノが絶賛するのも納得のおもしろさ。

戦場を駆けるならず者たちの、泥臭い戦い方が良い。
キャラクターそれぞれの個性もおもしろく、物語が進むに連れて変化して行くそれぞれの関係性やチームとして
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女と犬(1991年製作の映画)

4.3

エッフェル塔をバックに繰り広げられる究極のどっち選ぶゲーム。

彼女らは、学校、友人、恋愛、家族、といった日常の悩みをゲームを通して、互いの考えや価値観を探り、答え合わせをしていたように思える。

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I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

3.5

正直設定はあまり現実味のないもので気になるところもあったが、純粋な愛の綺麗さを描く上ではどうしても必要な部分だったのだと思う。

何よりも難しいテーマでこの役、完璧の演技を見せてくれたショーンペンが本
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愛のコリーダ(1976年製作の映画)

1.7

性欲がホラーすぎてそっちに気とられて同情も何も特に感情が湧いてこない。
強いていうなら想像以上にポルノだったからびっくりしちゃった。

コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

4.4

本作は文明批判映画として有名な三部作の第一作目。
現代社会の物質主義に対する警鐘がテーマとなっており、当時としては画期的な表現方法や美しい都会の映像で、人間社会が強く依存してきた創造と破壊が描かれる。
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ハンバーガー・ヒル(1987年製作の映画)

4.0

1969年、北ベトナムの戦略拠点を抑えようと、アメリカ軍第101空挺師団は南ベトナムにある937高地へ侵攻を開始した。

反戦運動が活発となり人々は愛と平和を叫んだ時代。
それらのムーブメントによって
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

2.9

ここまでくると謎行動がかなり笑える。
それにしても派手さが凄い。
インド映画は復讐劇が多いなあ。

ハムナプトラ2 黄金のピラミッド(2001年製作の映画)

1.5

ドウェインジョンソンが出てくるとめちゃくちゃつまらなくなってしまうのなんでだろ。

告発(1995年製作の映画)

4.3

2人を隔てるものとは。
精神的な壁や物理的な壁を表現するカメラワークや演出が印象的。
カメラが檻の中と外を出入りすることで、2人の生きる世界や境遇、立場の違いが強調されていた。
無機質な檻の中を俯瞰的
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ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

4.2

音楽という実体のないものが人々の心を支え勇気を与えることができる。

たった一晩、たった一曲のために集められた、人種や性別、声や音楽性異なるスター達。
歌うことを通して彼らは家族のように繋がることが出
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カニバ/パリ人肉事件 38 年目の真実(2017年製作の映画)

3.2

常にドアップな画面に加えてよく分からないズームやピンぼけの演出。
異質な画面に映るのは、明らかに異常な人物。
人物像を捉えるのにはこの不気味な演出がもってこいなんだろうけれど、この尺でこの気味の悪さは
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