メルさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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セールスマンの死(1985年製作の映画)

4.0

退職年齢なのに家のローンのために仕事を続け、それでもセールスの仕事は上手くいかず、30を過ぎた2人の息子も一人前になれず人生の終盤に一体何がいけなかったんだ…と戸惑う男。

原作が戯曲なので登場人物も
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.1

アキ・カウリスマキ監督で一番好きな作品。
不景気の煽りを受けて職を失っていく夫婦とその仲間たち。

希望が見え始めたかと思うと次には奈落の底に…の繰り返し。

自分もギリギリの生活なのに、以前の仕事仲
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画家と泥棒(2020年製作の映画)

4.0

「事実は小説より奇なり」というが、それを表現した様なドキュメンタリー。

監督はどこから撮影を始めたのか分からないけど、これが全く筋書き無しだとしたら小説より奇なりの展開だ。

最近は写実絵画が改めて
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

3.9

何となく避けていた作品。
そうゆう事ね〜と、珍しく邦題に納得。

ベルリンの壁が崩れる数年前の旧東ドイツで、反政府活動を取り締まる秘密警察(国家保安省)に勤務する男の話。

反体制の疑いのある劇作家を
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チーム・ジンバブエのソムリエたち(2021年製作の映画)

4.2

面白かったし、素晴らしかった!

絶望的な祖国ジンバブエから難民として南アフリカにやって来てそこで初めてワインを知った男達。
彼らがチームジンバブエとしてワインのブラインドテイスティング世界大会に出場
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ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

4.0

現在90歳のドイツの画家ゲルハルト・リヒターの半生をベースに当時のナチス、東ドイツ、西ドイツを描いた作品。

今年の夏に東京近代美術館で開催されたリヒター展がTVで紹介されたのもあり色々と興味深く観た
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ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

4.0

「ロスト・レオナルド」がとても面白かったので同じ年に出たこちらのドキュメンタリーも観ることに。

N.Y.の美術商が1.117ドルで「サルバトール・ムンディ」を購入
     ↓
友人の画家に修復依頼
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ロスト・レオナルド 史上最高額で落札された絵画の謎(2021年製作の映画)

4.6

レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の作品と言われる「サルバトール・ムンディ」をめぐるドキュメンタリー。

アメリカの一般家庭から出て来歴も全く分からず13万円で売買された一枚の絵画が、513億円にまで跳ね
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ローズメイカー 奇跡のバラ(2020年製作の映画)

3.8

倒産寸前で季節労働者も雇えないバラ園の女主人と、社会復帰プログラムの訓練所から格安で雇った訳あり3人が資金難と悪天候の中で薔薇コンクールを目指す。

ライバルのバラ園が利益追求型で大成功しているのに対
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秘密への招待状(2019年製作の映画)

3.4

ハードディスクの中を少し整理しようと何気なく見始めたらサラリと最後まで見てしまった。

インドで孤児院を経営するミシェル・ウィリアムズ。
N.Y.で会社経営をするジュリアン・ムーア。
この2人が出会う
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ジョナサン ふたつの顔の男(2018年製作の映画)

3.9

1人の人間の中に二つの人格が同居する多重人格の話なんだけど、タイマーを埋め込み2人が1日を正確に二分して住み分けているのが新しい。

メインとなって登場するのは朝の7時から12時間を生きる昼の男ジョナ
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ローラ(1961年製作の映画)

3.8

ジャック・ドゥミが撮るアヌーク・エーメを観る。

ジャック・ドゥミにとっては初の長編作品で、舞台は彼が幼少期を過ごした港町ナント。
アヌーク・エーメは「モンパルナスの灯」とは全くキャラの違うキャバレー
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絶壁の彼方に(1950年製作の映画)

4.0

著名なアメリカ人外科医が東欧のある国から招待を受ける。
医学への貢献に対する受賞と公開手術の依頼だった。
「政治と医学は別」と仲間の反対を押し切ってひとり" State Secret "秘密国家に向か
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OSLO / オスロ(2021年製作の映画)

4.0

長い間敵対関係だったイスラエルとPLO(パレスチナ解放機構)が1993年に「オスロ合意」にたどり着くまでの舞台裏。
スリラーと記載ありますが、それは全くありません。

ノルウェーはイスラエルとパレスチ
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.8

マフィアの罠にあっさりとハマッて人生の坂道をごろごろと止めどなく落ちる男。

他人との関係が築けない、女の嘘も見抜けない、真実の愛を受け止める事もできないで、見ているこちらがハラハラさせられっぱなしの
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.0

予告ではシングルマザーと赤ちゃん取り替えだけに焦点が当っているけど、スタートからスペイン内戦で犠牲となった先祖の遺体発掘の話が出て来て2つの話が同時進行する。

「ペイン・アンド・グローリー」で自身を
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

3.6

ジャン・コクトーの戯曲をアルモドバル監督独自の解釈で英語劇にしたという30分。

カラフルに色付けされた工具🛠🪛でアルファベットが表示されるオープニングからもうアルモドバルの世界。

3日間帰らない男
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.9

フランス発の社会派サスペンス。
全員死亡という痛ましい航空機事故の原因究明にあたる男の話。

コックピットのボイスレコーダーに残された音だけを頼りに事故の状況を推理する。
観ているこちらも推理する。
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悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)

4.4

ようやく観ることが出来たダグラス・サーク。
素晴らしかった!

原作の小説は1933年の" Imitation of Life "で、その時代設定は1910年代のアメリカだそうだけどテーマとしては全く
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母との約束、250通の手紙(2017年製作の映画)

3.8

強すぎる母の愛は息子を生きさせたのか?殺したのか?

フランスの作家ロマン・ギャリーの自伝小説「夜明けの約束」の映像化でギャリーの半生をピエール・ニネが演じる。

第一次大戦の始まった年にロシア人とし
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プラド美術館 驚異のコレクション(2019年製作の映画)

3.6

200年の歴史を持つプラド美術館。
歴代のスペイン王室が買い集めた名画と歴史を絡めてその画家についても紹介。

スペインと言えば異端審問でカトリック教徒が圧倒的に多いので紹介される作品も宗教画が多い。
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クイックシルバー(1985年製作の映画)

3.7

爽やかなケヴィン・ベーコンを見るために。

株で全財産を失くした男が自転車便で生計を立て直しながら今までと全く違う仕事仲間と触れ合っていく。

前年に「フットルース」がヒットしたケヴィン・ベーコンの青
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ファクトリー・ウーマン(2010年製作の映画)

3.9

1968年ロンドン東部にあったフォード社の女性社員達が実際に起こしたストライキを題材に作られた作品。
日本未公開だったんですね。

女性というだけで給料が男性の半分だなんて、そりゃあ不満が出るわよね!
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反撥(1964年製作の映画)

3.9

ロマン・ポランスキーの比較的初期のサイコな作品。

主役のカトリーヌ・ドヌーヴは撮影当時21歳位だろうか、抑えた演技が良い。

ロンドンのアパートに暮らすキャロル(ドヌーヴ)は潔癖症で毎晩姉の部屋に泊
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ミス・マルクス(2020年製作の映画)

4.2

資本論で有名なカール・マルクスの末娘エリノア・マルクスの半生。
マルクスは若い頃に亡命してイギリスで暮らしてたんですね。

資本論についても、マルクスについても名前しか知らないけどとても好みの作品だっ
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スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜(2011年製作の映画)

3.7

スペインの警察無能過ぎ!

ベッドの下に潜り込んだ男の事件なら日本でも何件かあったよね…と思い出す。

舞台はバルセロナ。
アパートの住み込み管理人が笑顔の素敵な女性に目を付け、合鍵使ってあんな事から
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セクシリア(1982年製作の映画)

3.8

好きな人は好き!苦手な人はダメ!🤣なアルモドバル監督の初期作品。

「トーク・トゥ・ハー」より20年前の作品なので、当たり前だけどセシリア・ロスが若くて美しい。
そしてアントニオ・バンデラスのデビュー
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.8

主役のケリー・オサリヴァンの実体験を彼女自身が脚本を書き、ひと夏のナニー(子守り)体験を通して女性の生理、同性婚、中絶についてサラリと描いている。

30代半ばで何者でもない自分に焦る独身女性のあるあ
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ムスタング(2019年製作の映画)

3.8

アメリカのネバダ州で実際に行われている刑務所の社会復帰プログラムで、増えすぎてしまった野生の馬を囚人達が調教するという話。

物言わぬ動物でも動きを見ればどんな状態か分かる。
特に馬や牛の目って哀愁に
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フランス組曲(2015年製作の映画)

3.8

原作はアウシュヴィッツで39歳で亡くなった作家の未完の作品だとエンドロールで知った。

ドイツ占領下、フランスの田舎町にやって来たドイツ軍と村人たちとの出来事。

"戦争は人間の本性を暴き出す"と言う
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ヴェルサイユの宮廷庭師(2014年製作の映画)

3.3

ベルサイユ宮殿のあの広大な庭園建設に1人の女性庭師が参加していたら…というフィクション。

監督はアラン・リックマン。
ハリポタのスネイプ先生のお仕事の合間に撮影されてたんですね。
彼が言うには「17
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

登場人物ほぼほぼ殺し屋。
血もビュンビュン飛んじゃってるけど、伊坂幸太郎原作だとちゃんと収まるところに収まるだろうと思うので、すっかりリラックスして観られた。

目当てはわざと英国訛りで喋るアーロン・
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晩秋(1989年製作の映画)

3.8

ウォール街で働くエリート・ビジネスマンが親の病いをきっかけに自分と親の関係を、自分と息子の関係を振り返る。

年老いた親に息子としてどう対応したら良いのか、大人になりつつある息子に父親として何と言葉を
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ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.6

怪盗グルーは何と!子供の頃から悪に憧れていた…というお話。笑

時代は1970年代、映画館で「ジョーズ」が上映されていたり、ディスコミュージックも流れたり。

後半は悪の親玉に連れ去られたグルーを追っ
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テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)

3.6

ギリシャのアテネでオーダーメイドの紳士服店を営む二代目の男の話。

ギリシャと言えば少し前に国が破綻するんじゃないか…と騒がれたくらい財政難が続いていたんですよね。
一時は失業率もかなり高くなってまし
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.9

新選組に関して知っている事は池田屋事件と、近藤勇、土方歳三の顔写真くらいで、その他の歴史的な流れは詳しくは無かったけどとても面白く観ました。

百姓の息子として生まれバラガキ(触ると怪我をするイバラの
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