文革によって投獄された夫が20年ぶりに帰ってくるも、妻は記憶をなくして夫の顔がわからない状態に。
思い出してもらおうと精一杯のことをしながら寄り添う夫と、帰ってこない夫をずっと待ち続ける妻。
夫の>>続きを読む
冒頭、自殺した妻を茫然自失で見守りながら、夫の回想が始まる。
短い結婚生活。
どこで自分たちは間違えたのだろうか?
夫は陰気だし、たいした商売でもないのに妻の口出しは許さず、妻の全てを管理しようと>>続きを読む
19世紀デンマーク。
素朴で質素な生活をおくる老姉妹は敬虔なプロテスタント。
パリコミューンの影響により逃亡してきたバベットは姉妹の家で家政婦をすることに。
いつだって美味しいものは食欲を満たして心>>続きを読む
スペイン内戦が背景にあるダークファンタジー。
ギレルモ・デル・トロ監督のグロテスクな映像表現が物語に調和していると思います。
この結末を悲しいと捉えるのか、良かったと捉えるのは人によると思いますが>>続きを読む
原作にはない描写があって、なんでこんなシーンを入れたんだろう?とずっと思って観ていました。
最後まで観ると、タルコフスキーなりの原作の解釈というか、表現したかった意図がなんとなくわかるのですが(あく>>続きを読む
1945年のポーランド。
赤十字で働くフランス人医師のマチルドがあるシスターから助けを求められる。
修道院でマチルドが見たものは、ソ連兵の蛮行により妊娠した7人の修道女だった。
実話がベースというこ>>続きを読む
最初からずっとお金の話!!
生々しい家族の物語は、小津の『東京物語』の比ではありません。
あちらから品の良さを差っ引いて、現実をコミカルにもシニカルにも映し出す。
昭和のオールスターが総動員されて>>続きを読む
人間は一面的では無いので、善悪の二元論で語ることは無理があるなとつくづく感じる物語でした。
制服効果というか、それっぽいことを断言されながら話されると少年院上がりのダニエルのなりすましでも彼を神父と>>続きを読む
黒澤初期のエンタメ要素が皆無。
物語は滅びゆく男たちと影武者になった男の心情の在り方が中心。
長尺のわりにほぼ画面でもたせているのですが、そこは黒澤なのでその画が見事。
中でもやはり圧巻のラスト>>続きを読む
パンをはやく買ってください😭
後半ずっとそれ。
とにかく作戦がザルじゃない?
あそこ通行人が皆無ではないし、なかなか巻き込みそうなエリアだと思うんだけど!
コーヒー飲みながら政府や軍のお偉いさん>>続きを読む
幽霊の船長が男前な人柄なので、どんな結末が待っているのかと思ったら…
コミカルでユーモアがあるのにどこか切ない物語。
気丈に振る舞うもどこか危なっかしい未亡人ルーシーを見守る船長。
全然怖くない>>続きを読む
緊張感と居た堪れない思いでいっぱい。
地雷を撤去するために駆り出され、不当な扱いを受けるドイツの少年兵たちと、彼らを見張り管理するデンマークの軍曹。
ストーリーが進むにつれて、どちらにも思いが錯綜>>続きを読む
初めて自分を見てくれた人。
自分だけをずっと見てほしい。
思い出は美しく封印することを決め振り向かないのか、振り向けないのか。
オルフェイスの神話や、音楽の使い方、荒れる海が心の衝動をかき立ててい>>続きを読む
何回観ても泣ける名作。
訳ありな家族を背負って、閉鎖的な田舎町から出ることが出来ないギルバート。
表立っては普通なんだけど、何かを諦めてしまっている心優しい青年。
そんなギルバートがキャンピング>>続きを読む
戦争映画はそれらを美化・正当化したプロパカンダなもの、あらゆる問題をあぶり出した反戦ものなどがありますが、これは失敗作戦もの。
そこにどんな正義や大義があろうと、こういうのは観ていて非常に辛いです。>>続きを読む
滅びゆく貴族の憂いと美学。
長ったらしいわりに、ストーリーはゆったり。
あまり展開はなく後半ずっと踊ってる。
貴族が書いた原作を貴族の監督が撮った作品なので、ありとあらゆるものが本物なのでしょう。>>続きを読む
誰かのために何かをするには、自分の大事にしているものを差し出さなければいけない、痛みを伴う「犠牲」の物語。
一見このラストは目に見えるものを失うことで世界は救われるけど、そのために主人公が犠牲にした>>続きを読む
長女のポーラ以外耳が聞こえない家族。
ポーラは家の酪農業を手伝ったり家族のために手話で通訳したり、ともすれば苦労話っぽい感じが、全くそんなことはない底抜けの明るい家族の心温まる作品でした。
ポーラ>>続きを読む
クロエ・ジャオ監督の長編デビュー作。
ネイティブ・アメリカンの居留地で暮らす少女の視点からみつめた物語。
題材も映像も『ノマドランド』や『ザ・ライダー』に連なる内容。
具体的な説明がなくても何か>>続きを読む
ゲーテ原作。
あらゆる知的探求も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔のメフィストフェレスと魂をかけた契約を結び、人生を体験しつくそうとする。
基本的にストーリーも結末もハッチャケ>>続きを読む
ずっと筆をとらなかった老画家が、創作意欲がわくモデルに出会い、彼らを取り巻く人間関係に変化がおこる。
たった数日のお話で、ひたすら絵を描くおじいちゃんと美しいエマニュエル・べアールの裸体を拝んでいる>>続きを読む
リドリー・スコット、健在なり。
『羅生門』に影響を受けたとあり
3人それぞれの「真実」が章立てで語られる。
主観による事実のズレが少しずつ生じ、
多層的な視点を観客は得られる。
中世フランス。
家>>続きを読む
自分で人生を選択出来ない辛さ。
閉ざされた空間での
陰湿なイジメやレズ強要。
終盤は怒涛の展開。
最後の字幕までしっかり
冷え冷えとしておりました。
後ろ盾も必要、お金も必要。
何も持たない>>続きを読む
題材は良いのになんかヌルっとしてました。
深センと香港を行き来する女子高生。
ママは大陸人、パパは香港人。
でも結婚してるわけじゃなく、ママは昔の愛人ポジションでパパには香港に家庭がある。
とい>>続きを読む
イギリスの捕虜だったドイツ兵が、戦後イギリスのプロサッカーチームで活躍する実話を基にした作品。
勝利のためなら敵国だった兵士であろうと実力を重んじる合理的な考えと、たとえ戦争が終わってもナチスへの憎>>続きを読む
1960年代のアメリカ南部ミシシッピ州。「ヘルプ」と呼ばれたメイドとして働く黒人女性たちの物語。
白人たちは「雇ってあげる」ことが慈善と思い、けれど同じトイレの使用はNO!
なのに子供の世話と食事は>>続きを読む
カンボジアの田舎からタイに出稼ぎに行くも、ブローカーに騙されて漁業で奴隷労働をさせられる14歳。
これはフィクションだけど、監督が取材を重ねてつくった作品なのできっと本当のことがたくさん散りばめられ>>続きを読む
映像はとにかくこだわっているなと思いました。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の世界観が堪能できます。
でもそれだけかな。
プロットがあまりにも弱くて序章って言われても
続編の制作がこれからというのは詐欺に近>>続きを読む
ベルイマンの原体験のような作品。
彼が一貫して神を描写してきた理由もほんの少しわかるような気がしました。
幸福なプロローグからはじまり、徐々に不穏な空気が漂いはじめ、不幸になっていく家族の物語。>>続きを読む
黒澤明監督、日ソ合作作品。
物語はロシア帝政時代の1900年代初頭。
シベリアのウスリー地方の探検調査をする軍隊長アルセーニエフは、密林の中で猟師デルス・ウザーラと出会う。
自然に詳しい彼に案内を>>続きを読む
刑務所から出たばかりの男が警官を殺してしまい、自分にかけられた報奨金を妻子に残すため、娼婦のアイアイと逃亡する物語。
ディアオ・イーナン監督は、中国の汚さや底辺にいる人間をヒューマンドラマではなく、>>続きを読む
未解決事件をモチーフにしたフィクション。
30年以上前のことをみんなよく覚えてるわねと思いながら、主人公と一緒に事件の糸口をたどっていく。
テンポが良く、分かりやすい構成。
“知らないうちに”
“>>続きを読む
観る前から大方の予想はつくストーリーですが、最後まで見てしまう作品。
軽い気持ちでヒッチハイクをする男を乗せたジム。その男はジョン・ライダーと名乗る殺人鬼だった…
緊迫感あるストーリーとは真逆に、>>続きを読む
ドストエフスキーの短編小説原作。
ロシアの「白夜」をヴィスコンティがイタリアで再現。
イタリアには白夜はないけれど、後半の雪のシーンが綺麗。
一目でセットとわかる舞台も、作り込みが凝っていて監督>>続きを読む
仲が悪い対照的な姉妹の物語。
姉妹は妹の息子を連れて外国に来る。
姉は体調を崩してずっとホテルの部屋にいるが、妹は息子をおいて街へ。
息子はホテルの中でひとり遊び。
姉は取り残された部屋で自慰行>>続きを読む
ヒトラー政権誕生前夜のドイツから亡命する一家を、子供の目線からとらえた作品。
戦場や収容所の悲惨さは映らないものの、亡命せざるを得ない状況、転々と場所を変えながらの苦労はやはり不条理と感じます。>>続きを読む