なんてスクリーン映えする人だろう、と思いながらレスリー・チャンの憂い顔を観ていた。
怪物に鞭打つ「傴僂」男、怪物と心を通わせる少女。古典の力を思い知る。研究倫理と民衆暴力の話。
このレビューはネタバレを含みます
ふとした瞬間に思い出しそうな印象的な絵が多い映画。
ラストのコロナ禍のドバイは、偶然のタイミングなのだろうけど、その先の希望のなさや現実の辛さを感じさせるようで、この映画の結末として妙に納得した。
おとぎ話であり、ひとりの女性の主体性獲得の話でありながら、人類史におけるフェミニズム史、性差別を自覚(し抵抗)していく歴史の物語でもあった。
めっためたになってるマーク・ラファロを観れてよかった。
主題は批判的で興味深いのだが、アメリカ兵をヒーローとするところに限界があるような。
怒りがふつふつどころかぐらぐらとわいてくる。政権もクソ、行政・警察もクソ、おまけに司法もクソ。こんな国いちどさら地にしてしまえばいいとすら思うが、そうもいかないのでいろいろなかたちで社会運動に参加して>>続きを読む
ありがちなストーリーなのに、それを感じさせないコミカルな軽さがよい。コーエン兄弟やタランティーノっぽくなりそうなところを、うまくオリジナリティを保っている。
海賊側の事情もいちおう描かれてはいるが、現在のアフリカの混乱や貧困の一因はアメリカ等にもあるのではないか、それを一方的な被害者側の視線とヒロイズムで描くのはどうなのだろう、と気になるところではある。
ライアン・レイノルズの映画は暗くならないし、マーク・ラファロが出ていると安心して観れる。
ジャック・ブラックとキーガン=マイケル・キーの顔がちらつくのは致し方ないか。全年齢向けなわりに、というか全年齢向けだからこそ、細やかなところまでよくできている。
アダム・ドライバー主演だしSF超大作に違いない、と思ったら、中途半端なパニック映画だった。パニック映画としての演出もありきたりで、評価できるポイントが乏しい。
さすがライアン・レイノルズ、軽さがいい。そして、いろんな格好のドウェイン・ジョンソンがみれる。
批評性が高い。食肉・畜産とはなんなのか、しばし考えてしまう。いっぽうで先行映画のパロディも豊富で、大人でも飽きない。
ストーリーがもたもたしてなくて良い。ミシェル・ロドリゲスのアクションはいつ見ても重量感があってかっこいいね。