kekqさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.9

アレハンドロ・ホドロフスキー監督の「DUNE」がなぜできなかったのかというドキュメンタリー。

例えば「どんな映画を撮ってもいい、予算もキャストもスタッフも技術も何の制約もない、とにかく誰も見たことが
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ラリー・フリント(1996年製作の映画)

3.5

アメリカンポルノのタブーに抵触し続けた夫婦の欲望と不安と金とドラッグにまみれた躁鬱的偉人伝。
数多の否定派に対して支持者は目に見えて減少し「何のために闘っているんだ!?」と繰り返し発されるセリフがシン
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バウンド(1996年製作の映画)

3.6

ウォシャウスキー兄弟によるコンパクトなクライムサスペンス。本当に面白い映画作ってハリウッドの天下取ったる!というエネルギッシュな野心が伝わる佳作です。

前半のきちんと溜めてきちんとエロい性描写から、
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心と体と(2017年製作の映画)

3.4

ハンガリー映画。食肉処理場を舞台に、極端に距離を詰められない男女のラブストーリー。

全体的に冷たく無表情な質感でありながら、人の営みには細やかな気遣いと優しさがあり、わずかな微笑みにもこちらの感情が
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.5

倫理の欠けた西の男女による愛憎劇。圧倒的低民度の世界。

書き尽くされていますが、蒼井優が本当に素晴らしいです。大阪の特定の地区で何ヶ月かホームステイでもしたのかと思うほど血の通った大阪の女。もともと
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.8

狂った悪ふざけを自由とはき違えた学園を舞台に、とんでもない斜め上に弾け飛んだ少女の成長を描く青春ラブストーリー。これは、本当にひどい。

ヒッチコックやダリオ・アルジェントを臭わせるクラシカルなサスペ
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.3

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督。大挙してロンドンにやってきた宇宙人とパンク好きの少年3人組によるてんやわんや。

ストーリーは意味深というより説明不足でコロコロ転がり、アートなのかジョークなのかわ
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ブラック・スネーク・モーン(2006年製作の映画)

3.5

生きてるだけでズタボロのセックス依存症の女が、妻に捨てられたばかりの初老の黒人男性に鎖で繋がれて監禁されるお話。
骨太のブルースになぞらえた時代錯誤な黒く乾いた世界観がかっこいい。相川七瀬みたいなクリ
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肉体の門(1988年製作の映画)

3.3

五社英雄監督。十数年に一度、これまでに六度映像化されたアニメ版ゲゲゲの鬼太郎のような作品。

路地裏に住み着く野良犬のように、吠え、噛みつき、見境なく交わる女性たち。高尚な哲学は何もなく、浅はかな夢と
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ラザール(2016年製作の映画)

3.4

ポップな壁紙のアパート、緊張した面持ちで待つ男。かたや暗室で複雑な機材を操る男。インターホンが鳴り、ネットで知り合った美女が現れて…。
少しでも先を書くとネタバレに直結するくらい速いテンポで話が二転三
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サマードレス(1996年製作の映画)

3.6

フランソワ・オゾン監督1996年の作品。本編15分のうち10分くらいみんな裸。

どっちつかずの美少年が、性を謳歌する男と女に交互にであい、「どちらも良い」という結論にいたるお話。双方本当にエロさに迷
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ピアニスト(2001年製作の映画)

3.8

厳格な母親に育てられ、ピアノに人生を捧げた一人の女性が、若さ、才能、知性、ルックス全てを備えた男と恋に落ち、"本当の自分"を見つけ出していくラブロマンス。病的に倒錯した愛情をこれでもかと見せつけられ、>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

3.4

後編。セックス依存症ではなく自分はニンフォマニアック(色情症)だと主張する女性の、切なく空虚な生き様。激しさを増すほど傍目にはどんどん滑稽になっていき、長い冗談のような話はそれに見合ったラストを迎えま>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

3.4

前編。雨の路地裏に横たわるボロ雑巾のような女性を自宅で介抱し、セックスにまつわる比較的どうでもいい身の上話を延々とし続ける2時間。

vol.1はvol.2のための伏線の要素が強いため過激さはそれほど
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.4

パクチャヌク監督が送る、日本軍統治下の韓国を舞台にした豪華絢爛変態文学エロティックサスペンス。
昭和の日本人の持つムッツリスケベ的性癖を、海の向こうの視点から誇張し、曲解し、狂気をたっぷりまぶすことに
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

3.4

ルーマニア映画。ある女子大生の人工妊娠中絶と、それを手伝う友人の一日を描いた物語。

とにかく出てくる人間が、老若男女問わず全員どうしようもなく愚かでお粗末です。
約束を守らない、ロクにお金を準備しな
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.6

1928年デンマーク。実在した芸術家夫婦の変化と成長の軌跡。

本筋から細部に至るまで、徹底的に端正で美しい映画でした。屋内も屋外も人間の営みもすべてが絵画的で、本作に出ていたモチーフだけでなく、古今
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.3

グザヴィエ・ドラン監督。悩める中年男性をとりまくあれやこれや。

なんという、現代的な知性と感性。詩でできた会話、写真でできた映像、そして音楽としての音楽。映画を構成するすべての要素に映画を超えた魂が
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マッチポイント(2005年製作の映画)

3.7

ウディ・アレン監督。逞しさ、豊かさ、清純さ、そして艶やかさでギラギラに輝いていた4人の男女が、出会って結ばれることですごい勢いでくすんでいく映画。人間の魅力はしょせん生殖を達成するためのものですよと言>>続きを読む

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.2

スペイン映画。昏睡状態となった二人の女性と、その二人を愛する男性のお話。

「ボルヴェール」「私が、生きる肌」「バッド・エデュケーション」等でも描かれた、ペドロ・アルモドバル監督による"何かが起きた後
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欲望(1966年製作の映画)

2.8

イキり倒した売れっ子カメラマンが美女に囲まれてわちゃわちゃするお話。1967年のパルムドール。

歴史的に積み上げられた映画のセオリーからわざと逸脱し、独自の解釈で再構築された作品という印象。思わせぶ
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(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)

3.8

日活ロマンポルノ作品。劇場で観る機会があったので観てきました。

イントロのものすごく味のある会話から、爆音で鳴り響く寺の鐘、にきび面の主人公の顔面アップ、からのタイトルバック。㊙︎色情めす市場。あま
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.1

カトリック教会が隠し続けてきた性的虐待の事実を取材して新聞記事にするお話。言わずとしれた2016年アカデミー作品賞受賞作。

印象として、とにかくメンバー全員清々しいほど有能です。まぁ仕事ができるでき
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.5

フランス映画。17歳の女子高生が青い髪の女の子に恋するお話。

平凡な街の平凡な朝から唐突に始まり、バスに乗る主人公、勉強する主人公、群れをなす主人公、パスタをガツガツ食べる主人公、セックスする主人公
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ヒッチハイク(1976年製作の映画)

2.9

アメリカを舞台にしたイタリア映画。オートキャンプの帰り道、なにげなく乗せたヒッチハイカーが実は…!?というお話。

いいケツした奥さん(本編より引用)と呑んだくれの冴えない亭主というシリアルキラーもの
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反撥(1964年製作の映画)

3.6

ロマン・ポランスキー監督1964年の作品。若き日のカトリーヌ・ドヌーヴが自宅で留守番をする映画。

美しくも性的に未熟な女性が大人になるための殻を破っていく物語かと思いきや、あるきっかけを境に急転直下
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渇き。(2013年製作の映画)

3.6

日本の才能中島哲也監督が送る、超マンガ的ろくでなし暴力エンターテイメント。小松菜奈だけが悪くてみんなが振り回されるお話かと思っていたら、おしなべてみんな悪人でクズでそれはもう大変でした。

できあがっ
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エマニエル夫人(1974年製作の映画)

3.1

70年代に花開いたポルノ映画の金字塔。耳に残る例の主題歌とサイケでスモーキーなソフトロックのサウンドにシビれます。

前半はスキあらば裸になろうとするよくわからないマダムたちの"何しても前戯"みたいな
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悦楽共犯者(1996年製作の映画)

3.7

みんな大好き東ヨーロッパが誇るコマ撮りオバケ監督ヤン・シュヴァンクマイエルが贈る高純度の変態以外本当に出ない映画。

シュヴァンクマイエル作品の中では比較的ユーモラスかつポップで、深みも中身もまったく
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スイミング・プール(2003年製作の映画)

3.5

怪作「8人の女たち」であどけないかわいらしい歌とダンスを披露していたリュディヴィーヌ・サニエがエロス全開で大暴れする映画。
この二作しか知らないので、彼女のイメージはめちゃくちゃです。

性格にも行動
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バベル(2006年製作の映画)

3.6

「日本人の女優がアメリカの賞をとった!」とその快挙が大いに盛り上げられた後、「えっ?こんな映画で…!?」と多くの人が困惑した作品。菊地凛子は芯の通った良い女優さんです。

外国人の抱く清潔で真面目な日
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変態村(2004年製作の映画)

2.2

現代の価値の多様化により希薄になっていく"変態"という概念に対し、"確実にダメなレベルの変態"を明示してくれる作品。生きていく上で一切必要のない教養です。

村でもつまはじきにされるトップクラスの狂人
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

3.4

一人のダンサーががんばりにがんばりすぎて行き着くところまで行くお話。葛藤を抱え続けるバレリーナ役のナタリー・ポートマンの気合いの入った苦しさと美しさに息が詰まります。

飲み食いするシーンや吐くシーン
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.2

ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールが織りなす、古き良きアメリカと地味に悪しきアメリカを重厚感たっぷりに描いたゲイ映画。

狭量で排他的でコミュニティの維持に異常に執着するアメリカの田舎はときおり
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インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

4.1

セクシャルな描写はほとんどないけれど(ロコモーションで踊っていたお姉さんが突然おっぱいボロンと出すくらい)、全編に漂う正体不明のいかがわしさがとんでもない作品。

ストーリーを追いかける、登場人物の心
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

2.7

セックス依存症の男性を描いたユニークなドラマ。満ち足りてるのに満たされない「ニューヨークで生きるの大変」ものの一本。

さしてエロくもなく悲しくもなく楽しくもなくおもしろくもなく…。病んでる妹も好きに
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