エリオットさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

エリオット

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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

4.2

フランスの田舎町の市長が草原に文化施設を建設しようとするが、その町の小学校の教師はそこには生えている立派な木を伐採することなど許せないと計画に反対する…

前半は都市か田舎か、左派か右派かなどの政治
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

4.1

スコセッシが自伝的なエピソードをもとに描いた青春ストーリー
自分が生まれ育ったリトル・イタリーの街を映画に残したかったらしい

同じ場所が舞台でもゴッド・ファーザーが格調高く描いているのに対し、こちら
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.1

基本的には日本に占領されている上海の中で日本の統治が及ばない英仏租界を舞台に、1941年12月1日から7日までの7日間にわたる舞台女優兼国際スパイ(コン・リー)の活動を描くサスペンスアクション

全編
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アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

4.2

「みんなのジャック・ロジエ」特集の1本
10月にオープンした扇町シネマにて鑑賞

パリの雑踏や美しいコルシカの海と森、見た目の良い男の子と女の子、そしてカメラがあれば素晴らしい映画が撮れるという、これ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

山崎貴監督は「三丁目の夕日」の1・2作目と「アルキメデスの大戦」くらいしか見てないが後者の戦艦パートのVFXはかなり凄かったのでゴジラもそこを期待しての鑑賞

正直、やはりお芝居パートはかなり微妙だっ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.2

こちらはオリジナル脚本らしく、「月」と比べて映像よりは脚本の中身で勝負するぜ!な作品

後半、家族の物語に移ってからググッと痛快で面白くなってゆくのだが、それも前半、コロナ禍の鬱屈した世界で松岡茉優演
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(2023年製作の映画)

4.2

実在の事件がどうして起こってしまったのか、また「二トラム」などのようにどうしてこの青年が大量殺人犯になっていったのかに焦点を当てて描く作品ではなく、犯人と周りの人間との間にはさほど大きな違いはないので>>続きを読む

殺人捜査線(1958年製作の映画)

4.6

冒頭1分で傑作の予感ありありだったが、その後もラストまで滅法面白かった。

サンフランシスコの坂の多い街並みを舞台に麻薬の密輸を巡る殺し屋と刑事の攻防を描いているが、ドン・シーゲル作品の殺し屋は常にそ
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.1

原田眞人監督作品を劇場で見るのは久しぶり
配信で見るときもいつも字幕付きで見ないといけないほど台詞が聞き取れないので、監督は端から台詞がきちんと聞こえるかどうか気にしていないのだと思う。
本作もそこは
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.2

監督の前作「わたし達はおとな」が文字通り面白かったので本作も劇場で鑑賞したが、こちらもこの居たたまれない会話の応酬がなかなか面白かった。

全くの他人なら相手の言うことが嫌いであれば直ちに関係を切れ
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.5

ドルビーシネマにて鑑賞

冒頭から拳を鍛える音がデカすぎて笑ったが、その後もずっとケレンしかないアクションの釣瓶打ちにしばしば腹を抱えて笑ってしまった(^^)

とにかくこれだけ手数が多いにも関わらず
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.9

ドラマは好きで全部見ていたし、原作マンガはドラマで見た話のみ後追いで読んでいる…ので広島編は今回映画を見てからやっと読むことができた。

ロケーションとキャストはかなり豪華だが結構無駄使いしている印象
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

同じテーマを(朝鮮人側から)描いた作品としては昨年見たAppleTV +のオリジナルドラマ「パチンコ」第7話の方が予算規模の違いもあって映像的には優れていた印象だが、スタッフ・キャストの今この作品を作>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.8

実話ということもあり全てが想定通りに進んでいくストーリーなのでハラハラする場面はほとんどなかったのだが、王道的なドラマ展開プラス現実のレースをゲーマー的な視点や画面構成で表現するなど新鮮なところもあっ>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

個人的に画が綺麗な映画はストーリー云々より好きな方なので、本作も画を見ているだけで気持ちいいのだが、ウェス・アンダーソンは前作の「フレンチ・ディスバッチ〜」に続き本作もイマイチ乗れなかった印象

もち
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.2

ウルリケ・オッティンガー監督の「ベルリン3部作」と言われるうちの1作を満席の劇場で鑑賞。ファスビンダーとかと同世代のいわゆるニュージャーマンシネマを代表する監督の1人らしいが今回まで全く見たこともなか>>続きを読む

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.3

「モロッコ、彼女たちの朝」を見逃したので今作は是非と思って劇場へ

モロッコの海沿いの街で仕立て屋を営む夫婦。妻は病を患っている様子で夫は妻をとても慈しんでいるが、一方で妻に言い出せない秘密も抱えてい
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

男権社会はもってのほか
でもバービーランドのような女権社会もあのケンの哀しい表情を見たら分かるとおり否定すべきもの
では我々は一体どこへ向かえば良いのか?
本作のバービーは顔に皺が寄ろうが脚にセルライ
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深く静かに潜航せよ(1958年製作の映画)

4.0

太平洋戦争下の豊後水道で日本の駆逐艦を攻撃せんとする潜水艦の話

反目→共闘、不信→信頼、ミッションインコンプリート→コンプリートと、ロバート・ワイズ監督が戦争映画やお仕事映画の常道を的確かつ丁寧に描
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.9

冒頭、少年がプラスチックのバケツをバリバリ齧って食べるところから何だか笑ってしまった。

あの消化を促進するとされている揺れる椅子に掛けて食事をするシーンも「これムリ〜」と笑ってしまうし、新しい臓器を
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メルビンとハワード(1980年製作の映画)

4.3

冒頭、砂漠の遠景、バイクが爆走する…いい映画の予感

タイトルに反して映画のほとんどはメルビンとその家族の物語だが、ジェイソン・ロバーツが演じているだけあってハワードが出ている場面はとても深い味わい
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

4.4

142分バージョンを劇場鑑賞

仲良し4人組のうち1人を亡くした残りの3人の男(夫)たちが喪失を癒す旅をする数日間を描いているのだが、彼らのやることなすことグズグズを超えて余りに酷い有様。
ただ彼らの
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.5

登場人物が全員よく喋り倒すこと!

当初は「恋愛時代」なんかではなく原題の「獨立時代」やんと思いながら見ていたが、どんどんオフュルスの「輪舞」を数倍速にしたような恋愛ドラマ展開になってきて、これなら集
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.1

ミッドサマーもそうだが北欧ホラーは明るい昼間に禍々しいことが起こる
まあ真夏になれば22時にしか陽が沈まない場所らしいので惨劇も待ってられないか…

まだティーンエイジャーにもならない、純粋無垢である
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星くずの片隅で(2022年製作の映画)

4.1

今年の大阪アジアン映画祭でチケットが取れなかったので公開されたら是非見たいと思っていた「狭路微塵」

アクションではなく今の香港を描くドラマ作品で、最近こういう新しい香港映画が増えているらしい
まさに
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.3

「X」は未見
まずタイトルが出るところが最高

設定は1918年の話になっているが映画の見かけは(オズの魔法使いのような)1940年代ハリウッド総天然映画風でとても美しい

ホラー映画とはいえ怖いとい
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.0

こちらもドルビーシネマ鑑賞

笑いの要素が多く、懐かしキャラが多めでファンサービスにも配慮している一方、スーパーガールなど新しいキャラもきっちり魅力があって、アメコミエンタメ大作としてとても面白かった
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.6

2部作のパート1だということだけ知った上でドルビーシネマ鑑賞

最近、映画を見るとき、どちらかと言うとテーマや物語よりルックに目が行きがち
それで前作もその画作りの斬新さに目を奪われたが、本作はさらに
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

4.2

本作の短編版を含む「愛の神、エロス」は未見

蒸し暑く猥雑な雰囲気が漂う60年代の台湾を舞台に、成金に愛人として生活を支えてもらって贅沢な暮らしをしているコン・リーとそこに仕立て屋として使いに出され一
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.2


この村の女性たちが置かれた厳しい現実を強調するようにほとんどモノクロに近いカラーのトーンでほぼ全編が統一されている

この厳しい現実に対する彼女たちの選択肢は①受け容れる②戦う③去るの3つ
これを決
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

日常の積み重ねの中に人間や人と人との関係性を紡いでいくのがこれまでの是枝作品だったのに対し、本作はとてもたくさんの伏線とその回収がピタッと完璧にハマっていくようなカッチリとした構成のドラマ作品で、やは>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.6

離婚して離れて暮らしている30歳の父親と11歳の娘が2人でトルコで過ごすヴァカンスの数日間
時間が経過しても特段何も起こらないので退屈に思う人もいるかもしれない
だがそこに映されていた映像はあまりにプ
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.9

日本版を見てからの鑑賞

大筋はほぼ同じだったので、それぞれの評価は完全に個人的な趣味嗜好によるが、それで言えば私の好みは比較的あっさりしている韓国オリジナル版

綾野剛の切羽詰まった感じも良かったが
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.7

アクション映画、サスペンス映画というよりコメディ映画として楽しんだ

韓国エンタメのあのしつこさをさらに超えてやれという目論見、気概は伺えたが成功しているかどうかは微妙…
先にオリジナルを見てから本作
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.6

頭脳明晰、才能に溢れ、雄弁でもあるが傲慢で神経質でもある…それが本作の主人公であるベルリン・フィル初の女性常任指揮者という設定のリディア・ターだが、上の特徴はまさにケイト・ブランシェットその人のイメー>>続きを読む

帰れない山(2022年製作の映画)

4.5

日本でモンテローザと言えば白木屋、魚民、笑笑を経営する(ブラック?)企業が有名だったが、本作の舞台であるモンテ・ローザはイタリア・スイス国境にあるアルプス山脈で2番目に高い山の名前
その厳しくも美しす
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