エリオット

木と市長と文化会館/または七つの偶然のエリオットのレビュー・感想・評価

4.2
フランスの田舎町の市長が草原に文化施設を建設しようとするが、その町の小学校の教師はそこには生えている立派な木を伐採することなど許せないと計画に反対する…

前半は都市か田舎か、左派か右派かなどの政治談議が延々と続いてちょっとしんどいところもある(全く自分の主張を曲げない者同士が議論にはめちゃくちゃ興じるところはいかにもフランス的である意味感心もするのだ)が、後半、女性ジャーナリストが本物の地元住民にインタビューするあたりから途端に話が転がり始め、いくつかの偶然の重なりも手伝って、最後には意外で皮肉が効いていてそれでいてホッコリするラストに雪崩れ込んでいくという…なんともエリック・ロメールは魔法使いか?と思ってしまうような作品だった。
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