yumikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

同じ時代のアーティストに比べて、あまり知らなかった「スター」の生涯。
煌びやかな映像、音楽に彩られ進む彼の人生は、承認要求と搾取にまみれ、決して幸せとはいえないものだけど、そこから生み出される音楽は今
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.5

近未来の話と思いきや、2025年が舞台ということに驚愕。
とても78歳に見えない、仕事も身の回りも自分でこなせる高齢者に、無残に突き付けられる生死の選択。
役所の担当者。事後処理に携わる外国人労働者。
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

赤ちゃんポストから始まる終わりのない旅は、周囲を巻き込みながら思わぬ方向へ。
心を開かない者同士が、次第に赤ちゃんの幸せだけを想い、たどり着いた場所はこのうえなく美しく、「生まれてきてくれてありがとう
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.2

第一次大戦から数年。のどかなイギリスの田園風景を舞台に描かれる御曹司とメイドの恋。
少女漫画のような展開を予想するも、ある一日が少女の運命を決定づける。
とりとめなく頭をよぎる記憶のように、時系列が入
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.0

アフガン難民の青年の半生。
常に危険にさらされ、命の危機にさらされながら、性的マイノリティとして精神の危機と向き合う辛さは想像を絶する。
アニメーションと当時の映像、そして耳に新しい当時の音楽が、決し
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

映画表現の極限まで登りつめたアップデートは続編という言葉に集約してしまうにはあまりにもったいない!そして、アクションシーンのみならす、ストーリーのリンク、オマージュがあらゆる場面に敷き詰められ、何度膝>>続きを読む

ツユクサ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ザ・小林聡美!
かもめ食堂とかメガネとか、数々の作品を鑑賞してきたが、年齢を重ね苦労を重ねたヒロイン像は当て書きかと思うほど。
壮絶な過去を経て、過ごす凪のような日常。
隕石にぶつかったことをきっかけ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

両親、弟を殺され、唯一愛した人を自らの手で葬ったワンダ。理不尽な現実から逃避するための「魔術」という手段を持っていたことが、彼女の不幸を上塗り…ってことは理解できるけど、あまりにホラーに振り切った描か>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.5

原作の世界観をさらにアップデートさせたような音楽とカメラワークが、登場人物それぞれのセリフの行間を表現。
言葉にならない想いを抱えて生きてきた二人の人生が再び重なる意味。たどり着いた先が他者には決して
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.8

導入部からいきなりの旧作オマージュに胸熱。
アップデートされた怪獣たちやエピソード、
「エヴァ」を彷彿させるあれやこれやは庵野ファンにはたまらないと思う一方、ストーリー、特にラストにはもう一捻り欲しか
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ニューヨーク 親切なロシア料理店(2019年製作の映画)

3.5

善意の連鎖が弱者だけでなく、自身の柔らかい部分も包み込み、癒していくさまは、まさに「情けは人の為ならず」
主人公をとりまくひとりひとりのキャラの説得力にそれぞれのサイドストーリーを想像させられ、何本も
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ダイアリー?どこかに出てたっけ?
編集者版プラダを着た悪魔かと思いきや、上司は厳しいけどいい人だし、乗り込んできた女子高生エピは広がらないし、予想を大きく裏切られっぱなしで、着地点がそこ?
予告に裏切
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

3.5

銀幕の妖精オードリー。
スクリーンで見る煌びやかな世界と、隠された影の一面。全てを糧にした生き方が滲み出るような晩年の姿の神々しさに、時間を忘れて見とれてしまう。
関係者へのインタビューや過去の映像だ
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.0

犯行シーンの悍ましさはほとんど目を開けていられないほど。
どれほどの闇を抱えたら、あの人格が育つのか。しかし、相反して彼に惹かれる気持ちもわかる自分がいる。

洞穴のような目。
何度も繰り返す「手」の
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ローラとふたりの兄(2018年製作の映画)

3.8

兄弟って面白いなあ。
いい年した兄弟ゲンカも、うっすら子供時代が透けて見えるよう。
三人三様のままならぬ人生。
思い描いた生活からはほど遠い現実も、家族がいるから乗り越えていける。
あのメガネ測定器(
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.0

シリーズ3作目のハードルが上がりすぎたせいか少し肩透かし。
映像効果も魔法動物も前作、前前作を上回るものではなく、唐突な登場人物に思わず誰?最大のキモのダンブルドアの秘密も想定内。
グリンデルバルドは
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.5

字幕版ドルビーアトモス、吹き替え版共に鑑賞。
ドルビー劇場でのボノの歌唱は鳥肌もの!
そして、吹き替え版でのMISIAと稲葉さん、なによりアイナさんの歌唱シーンに釘付けに。
ストーリー展開はやや無理矢
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モービウス(2022年製作の映画)

3.0

呪いか進化か!
予想通り進むストーリーは目新しさは無いものの、視覚を奪われそうな映像効果とある意味懐かしさを感じさせられるダークな『吸血鬼』世界観に引き込まれる。
コウモリのカメハメ波に笑ったところで
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.0

人の心を弄び操ったつもりが、いつのまにか深みに嵌り…
歪んだ心の成れの果て、たどり着いた自分の居場所。
大戦前夜の殺伐とした空気感、見世物小屋のおどろおどろしい世界はそのまま彼の異形の心そのものだった
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.0

数度目のリブートであるためか、バットマンの基礎知識は周知であるとの前提の中、バットマンというより、ブルース・ウェインの物語であると痛感。
全編流れる物悲しさと暗い街、そして雨。
救いの無さに打ちのめさ
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ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

3.5

北マケドニアという国も環境も全く無知識で鑑賞。「女は穢れてる!」というセリフに前時代的価値観を感じるも2018年の映画とは…
女人禁制の行事にうっかり紛れ込み勝利を手にしたことで降りかかる災難。
彼女
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

前作同様、古典名作が現代的な隠し味のお陰で見事に復活。
カメラワークやトーンの変化が秀逸で、古典作品だということを忘れ、真相をあれやこれやと深読みしてしまうほど。
「愛」を根底に込めたストーリーに込め
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シラノ(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

なんでそこまで頑ななの、シラノ!
なんで手紙と実物の違いがわからん、ロクサーヌ!
なんで、正体がバレると思わん、クリスチャン!
しかし、17世紀の戦時中に置かれた男女が、刹那の中愛に翻弄される物語と音
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.5

舞台と映画の長所が最大限に生かされた映像にトリハダ立ちっぱなし!
既知のストーリーと音楽なのにこれほど心を掴まれるとは。
移民の貧困や居場所のない閉塞感は現代にも通じるものがあり、不偏の物語として、語
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.1

過去作ど真ん中世代の私。
主人公が孫世代であることに軽くショック…
あの頃からは比べ物にならないぐらい進化した映像効果には胸熱なものの、コメディ要素が半減なのはちょっと寂しい。
終盤、あの人たち登場に
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

別れてしまったカップルの、「ある1日」を6年間にわたり遡る。「花束…」ほどの重さがない分、「ちょっと思い出しただけ」の過去の切なさが身に染みる。

尾崎世界観さんのスパイスが絶妙。
寂れた商店街でのダ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

「バーレスク」のオープニングにも使われた楽曲で始まる冒頭、もうこれだけで力強く運命を切り開いて行く女性の物語であることを暗示。
家族全員が聾者である中、ただひとり健聴者として家庭を支えながらも自分の人
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.0

毎回どうやって騙してくれるか、ワクワクが止まらないこのシリーズ。
もう、何を見ても仕込みにしか見えず、今回こそは騙されない自信があったのに、またしてもやられた!
ただ、ハードルが上がりすぎたせいか、前
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.0

アンドロイドと人間の、超絶甘々なラブコメを予想するも、意外とビターな展開に。
認知症を患う主人公の父親、幸せそうな逆パタカップル、自身の流産と元彼の妻の妊娠。さまざまな「命」について考えを巡らせながら
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.6

華麗なる一族のお家騒動は御多分に洩れず、些細な綻びが悲惨な結果に。
主人公の行き過ぎた行動も、私欲と情愛ゆえと納得できるレディ・ガガの好演をはじめ、脇を固める名俳優のカリスマ感!ゴッドファーザーを彷彿
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルの意味を噛み締めながら観了。
「ホーム」シリーズの終焉は、トニーの死から少し成長したピーターを、本当の意味で大人に。
そして、過去作のヴィランのみならず、ヒーローたちにも救いを与え、ある意味、
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.0

前3作は男性による世界の救出の物語で、女性はあくまで脇役であり主人公に愛されるための存在として描かれていたのが、今作は間違いなくトリニティの覚醒と「虹をかける」のセリフ通り、より多様性を掘り下げた物語>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.0

第一次大戦に、ラスプーチンやマタハリといった実在人物を絡めて描かれるキングスマンの誕生秘話。
本作とはストーリーもテイストも真逆で唖然。「1917」で、「ハクソーリッチ」で「家政婦は見た」な展開には途
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

2.8

老人を喰い物にする輩に吐き気!
野心家の女性は嫌いでないが、主人公のバックグラウンドが不明な以上、1ミリも共感できず、ラストまでいや〜な気持ちを引きずる。
マフィアのボス、詰めが甘いんだよ!
資産があ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

過去と現代、夢と現実、鏡の向こうとこちら側。ふたりの女性を結びつける煌びやかな60年代カルチャーと影の部分。
魂の共鳴がもたらす悲劇は恐怖よりむしろ嫌悪感。名前を無くした女性の怒り、悲しみが現代を生き
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