塔の上のカバンツェルさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

3.6

ブラジルの恋愛映画。
盲目であることや同性愛をことさら悲劇的に強調するでなく、思春期の恋愛の"当たり前"の延長に置くバランス感覚は上手い映画だった。

ハンディギャップを無かったことにしてお話を進める
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.7

良い意味で手頃な面白さが良かった。
気負わずに楽しめる娯楽作のライン。

探偵モノをそこまで熱心に摂取しているわけではないけど、推理や反抗のロジックより、ミステリーを巡る登場人物のドタバタ劇やラストの
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レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い(1994年製作の映画)

3.8

恋愛映画…というより、ファミリーヒストリーの映画でしょうかね。
第一次世界大戦の要素から観たけども、アメリカン先住民へのリスペクトという意味では「ダンス・ウィズ・ウルブズ」後の企画という文脈で読み解い
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.8

国家における国民には、"ナショナルメモリー"というものがあります。
それは "私はその時何処にいたか" を共通の話題として、その国の市民の間で共有できる歴史的事象の事を指すわけですが、
例えばアメリ
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アンダー・ウォー~地下道爆破計画~/アンダー・ウォー 史上最大の地下爆破作戦(2021年製作の映画)

3.6

大戦期の坑道戦映画。

本作のクライマックスのメッシーネ丘陵の爆破を扱った作品だと、オーストラリア産の「ザ・サイレント・ウォー」なんて映画もあったなと。
メッシーネ丘陵の爆破は、1917年の連合軍の坑
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.3

公開時に2回見に行ったのかな?
Blu-rayスペシャルエディションも手元に買った。

本作を単体で評価するって言うよりも、ローグワンと合わせてep4が観たくなるような作品。

スターウォーズ本編は、
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ランボー(1982年製作の映画)

4.0

改めて観直してみると、世間一般のポップカルチャーのランボー像と、2作目以降のテンションが全く違う…普通に社会派映画でビックリする。

アメリカンニューシネマの文脈を色濃く引いているとは評されるけど、ベ
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.7

ワカンダーフォーエバー!!!!って絶叫しに行くつもりで観に行った。
ただ、鑑賞後のテンションはフォーエバー…ワカンダ…というしんみりしたものに。これは仕方ない面もある。

本作は故チャドウィックボーズ
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.4

1週間で3回ほど鑑賞しました。

第一次大戦を扱った映像作品は100本近く観てきましたが、この2020年代にドイツ発で超正統派のww1映画を観ることが出来るとは…。

マーベル映画でもお馴染みとなった
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西部戦線異状なし(1979年製作の映画)

3.6

過去にBS地上波で観た記憶。観直そうと思っていたのに、いつの間にかアマプラの配信が終わってしまっていて後悔。

ドイツの傑作反戦小説の2度目の映像化で、1930年の同名のアメリカ映画の忠実なリメイクと
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コッホ先生と僕らの革命(2011年製作の映画)

3.5

凄い前に観た。
実在の人物でドイツ"フットボールの父"、コンラート・コッホの半自伝映画。

1874年の成立間もないドイツ帝国の厳格な教育体制の中で、革新的な教師と子供たちのジャーマン・スポ根映画とし
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.1

何となく今まで機会を逃してたけど、やっとBlu-ray貸してもらって観た。

監督の作品はSF設定のクソデカスケールに対して、少年少女の恋愛模様のミニマムさのバランスが歪すぎて、SF要素が絡むと個性も
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バトル・オブ・ザ・リバー 金剛川決戦(2020年製作の映画)

3.5

今度公開するアメリカ映画「ディヴォーション」、中国映画「1950」と朝鮮戦争を扱った作品が多数公開とあって、予習の意味も込めてレンタルして観てみた。

朝鮮戦争関連の書籍も前後で読み込んでたんだけども
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

優しい木漏れ日のような映画。
とても好き。

冒頭のファミリーダンスや接ぎ木の場面などで示唆されるように、本作のメインテーマは様々な家族の形の在り様。

クローンやテクノが人間生活に当たり前に存在する
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ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.9

クリスマス映画の定番にして、何回観てもホッコリできる傑作。

悪役をDIY精神で返り討ちにするモノというジャンルの言わば師匠筋にもあたるとすら。
イコライザーやMr.ノーバディの先輩(?)。

内装を
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アウトポスト(2020年製作の映画)

3.6

アフガニスタン紛争における、2009年10月3日カムディシュの戦いを描いた戦争アクション映画。

実録モノという意味では、「ブラックホークダウン」にジャンルは近いと思う。

アフガン奥地に設けられた米
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アメリカ炭疽菌事件と犯罪科学捜査(2022年製作の映画)

3.4

2001年のアメリカの炭疽菌事件を扱ったドキュメンタリー。
本事件自体詳しく知っていたわけではないので、9.11直後のアメリカのテロとの戦いの最中に発生した事件を取り巻く空気感も窺い知れた。

最容疑
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.0

"ガイジン"のキワモノ日本描写を笑うためにある程度の配慮が必要な映画かと思ったら、物理法則と各国の描写が全て無茶苦茶で吹き飛ぶような映画だった。爆笑。

面白さを言語化する必要が最早ない。

冒頭はス
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戦争のはじめかた(2001年製作の映画)

2.8

昔観た。
兵士たちがドラッグを決めてガソリンスタンドを爆破するのは覚えてる。

米軍なのにM1じゃなくて、レオパルトだったのもなんとく記憶。

ホアキンが何気に主人公だったのかー

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.7

人生で既に10回は観てる本作ではあるが、2022年になんとIMAX復刻上映ということで、友人達と駆けつけた。

普段観ていたTV画面サイズとは比べものにならないグランドシネマサンシャインの大画面IMA
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アルゴンヌ戦の落としもの(2016年製作の映画)

3.4

第一次世界大戦後、復員した傷ついた兵士たちのその後を描いたフランス映画。

フランスは大戦で866万人を動員し、戦死者139万人、負傷者433万人という膨大な犠牲者を出しわけだが、今作はそんな傷を負っ
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

3.5

割と応援してるスタジオコロリドの新作。
今作も劇場公開と同時にNetflixで同時配信〜このタッグも安定してきた。

このスタジオは小中高の子供たちと、日常に紛れ込むファンタジー要素の組み合わせで青春
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セルビア・クライシス/セルビア・クライシス~1914バルカン半島の危機~(2018年製作の映画)

3.5

去年観てたの忘れてた。

第一大戦期のセルビア王ペータル1世の半伝記映画。
ペータル1世を中心に、戦果に巻き込まれる少年、一介の兵卒などの視点も交えて、セルビアの象徴的な苦難を時系列に描いていく作品。
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裸の銃を持つ男(1988年製作の映画)

3.5

ふらっとレンタルして視聴。

アホみたいなギャグの鶴瓶打ちで、これぞアメリカンコメディという感じ。

原作ドラマの「フライングコップ」シリーズの方が、よりアホさ加減のバランスが良さそうで観たいな〜
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(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)

3.4

自分に近づいた者は死んでしまうー正に死神型低予算SFスリラー。

パニックSFをミスリードさせながら、実のところはバディの逃避行モノだった。
自分が危機に陥るんじゃなくて、他人を死なせてしまう緊張がメ
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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

3.5

今をときめく若手有望株のチャーリープラマーとテイラーラッセルの甘々恋愛モノかと期待した。

ロマンスに加えて、どちらかと言えば統合失調症と貧困の苦難克服モノの比重の方に力が入ってる作品だった。

劇中
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良いビジネス(2017年製作の映画)

3.1

数年前にyoutubeに落ちてたSF短編。

何故かアマプラに落ちてた。

youtubeみたいな媒体だと、出オチみたいな設定ありきのショートショートの尺でもそっちの方が好まれたりするのは時代だなぁ
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フォーン・ブース(2002年製作の映画)

3.5

電話ボックスという、スマホ時代の我々にとっては絶滅危惧種なシチュエーションスリラー。
ワイプ画面で同時進行的で人物を映す演出はちょっとチャカチャカし過ぎは否めない。zoomで同時接続とかの今の時代だっ
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プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

3.9

グロ系苦手だけど、修羅の地である新大陸アメリカで、強者が入り乱れる開拓バトルロワイヤル、最高だった。

シリーズにそこまで明るくないけれども、今回のプレデターの造形が個人的には狩人感マシマシでかなり好
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ロスト・シティZ 失われた黄金都市(2016年製作の映画)

3.6

トレジャーもののエンタメ映画と思いきや、結構真面目な伝記映画だった。
おとぎ話のような架空の文明を探し続け、長い間嘲笑の的だった探検家、パーシーフォーセットの再評価を試みた映画とも。

第一次大戦前後
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ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

3.5

企画の元ネタである東京ディズニーランドの同名アトラクションは1回しか乗ったことがないので、割とお約束はわからなかったかも。
ただ、直接の引用である古典「アフリカの女王」の現代リメイクと考えれば、結構感
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アフリカの女王(1951年製作の映画)

3.6

サバイバルエンターテイメントにおける本作の映画史的な立ち位置は正直明るくないけど、主人公のローズが堅物なお淑やかな女性設定の割に、序盤から独軍艦など沈めてしまえ!と、復讐に駆られているとは言え好戦的だ>>続きを読む

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(2011年製作の映画)

3.3

学生の時に友達と観に行った記憶。全体の内容はうろ覚え。
ただ、財宝を巡って競い合ってたスペイン艦隊がお宝目当てではなくて、キリストの名の下に異教徒の遺跡の破壊が目的だったとこが強国の暴力仕草すぎて、な
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.4

マンハッタン島サイズの宇宙船に、氷河期レベルの温暖化、果てはアフリカ以外全部沈没と、毎回未曾有の危機に母なる地球を陥れてきたエメリッヒの今度のディザスターは月が落ちてくる。

前作からよりスケールアッ
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オールド(2021年製作の映画)

3.5

シャマラン監督作品。
夏休みの宿題的にやっと鑑賞〜

シャマランが本作で多額の私財まで投じたと聞いて、え?本作みたいなシチュエーションジャンルで何処に金使うんだろ…?と思ったけども、あの"崖"をわざわ
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.5

SFラブコメディ?
フラットに観られる夏映画

最近だと、結婚式で素っ裸でタイムループしてしまうNetflixのコメディ映画「ネイキッド」とか、
こちらは爽やかな青春ラブコメディ「明日への地図を探して
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