ほさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ほ

映画(608)
ドラマ(0)
アニメ(0)

青い鳥(2008年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく身始めたのだけど、よかった。

淡々と静かに映されていく人物たちは、おそらく小説の雰囲気をそのまま映像で表現したものなのだろう。生徒から無視される青い鳥の箱。机の落書きのリフレイン。

本気
>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

囚人である主人公が恋人の拾った金貨を換金せず、持ち主に返した美談が、重ねた少しの嘘と、勘違いで捻れて行ってしまう物語。

わかりやすくするために出来事を再解釈し、嘘とも呼べないくらいの規模で事実を変換
>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ずっと前に、一度再生を止めてしまってから続きを観る気にならなかった映画。
改めて始めから観たら、良かった。

映像が美しい。

シーンのカットバックは、順列に見せない面白さやテンポをモタつかせない効果
>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.6

出会いと別れ。「最後のさようならは言わない。またどこかでと言うんだ」というセリフがとても印象的。彼らの生き方を見続けながら、僕らの人生に思いを巡らせる。

デイブの家から出て行き、岬で一羽の鳥が映る。
>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

クールな映画だった。
平和で親しみのある街が、暴動でめちゃくちゃになるところから物語は始まる。子どものために故郷を離れるか、それとも残るか。日常の中のユーモアを織り交ぜつつ、丁寧にそれぞれのキャラを描
>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.8

安定感。
じめっとした感じは少なく、比較的観やすいサスペンスエンタメという感じだった。展開の意外性が飽きることなく楽しませてくれる。
夜道、路地の追いかけっこ、誘拐犯の逆探知、法廷。別の韓国映画で観た
>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.4

セリフをはじめキャラクターがユニークで、コント的に笑える箇所も多いが映画としての完成度は高くはない。
どこまでも続けられそうな雑談は、この作品の味とも言えるが、ずっと見ていられるほど興味を持てるもので
>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

3.5

繊細でとても静か。青みを帯びた映像が印象的。
居場所を求めて孤独に生きることの、普遍的な悲しみ。

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

全編を通して枯れきった悲しみと、もはや錆びてしまった絶望感が丁寧に描かれる。
何もないのに雑然とした印象を受けるような、役に立つものは何一つないようにさえ思える街が、この物語の寂しさを際立たせていた。
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.7

暗く悲しい歴史を、序盤は明るく楽しげに描いていて、手触りが面白かった。
当事者はたしかに、全てを悲観できるほどの客観性を持ち合わせていなかったかもしれない。
ジョジョの立ち振る舞いが幼稚で、可愛くて、
>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

物語は復讐劇。
最初から最後まで、彼に"何か"があるのだと思って見続けることになるが、決定的なことはなにも明らかにならない。
違和感なく時間軸の異なるシーンが挟まることで、観客はあらゆる憶測を巡らせ、
>>続きを読む

ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.4

どういうテンションで観れば良いのか迷う映画ではある。
公開当時、予告編を見て面白そうだなと思った記憶があるが、全然違う内容だなと感じる。とりあえず観客を映画館に呼べればいいと考えている人たちの宣伝だな
>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全体的に薄い映画だなと思った。
恋愛映画なのに2人の尊い時間も丁寧には描かれないから彼らがどんなことで繋がる特別な2人なのかがわからないし、小松菜奈の葛藤も「ただ不運な運命に晒されている少女」の域を越
>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

3.5

前半が怖くて引き込まれた。
中盤以降、ちょっと謎な部分が多いし、意外と展開は停滞しているし、(お決まりではあるが)なぜか主人公家族だけすぐ殺されないから危機感を感じ続けることができなかったので、すこし
>>続きを読む

ドアロック(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前半の描写がひたすら簡潔かつ丁寧で惹きつけられた。
毎日の頭痛、ロックキーに付着した白い粉、管理人の視線、エレベーターに同乗する男。音楽も流れず静かに淡々と映し出されるが、それら全てが彼女を脅かすもの
>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

日常から非日常への転落、コメディからサスペンス(ホラー)への転換。そのコントラストをエンターテイメントにするタイプの作品。

ストーリーのツッコミどころも多いけど、まず大枠で、なんでこんな啓発ムービー
>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.7

テンポもいいし、見せ場の盛り上がりも大胆で良かった。
役所広司も良かったけど、松坂桃李が芝居よかったな。

テンポ良いのに謎に入るナレーションや、誇張しすぎな音楽は多少辟易したが、「昭和感」ということ
>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

序盤の30分、カメラはリチャードにつきっきりで彼の"ちょっと変なくらい正義感が強い良いやつ"というのを徹底的に見せる。
観客は彼のことを好きになり、その感情移入が深ければ深いほど、その後に起こる出来事
>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.5

不条理に命を奪われてしまう世界で、全員の命を救うことはできない。その中で、どう生きるか。

こういうテイストの作品をサスペンスに振らないのは邦画の習性だとして、やはり少しねっとりしてる感じがするのに薄
>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.6

繰り返される青信号のモンタージュ。

噛み合わない会話と募る違和感。絶妙にイケてない主人公の描写がうまかった。

この時代の映画、さすがに後半退屈だな…。

ラスト激渋。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

筋知っててもちゃんと良いなと思える作品だった。原作より葛藤がはっきりしていて、より乗れたというのも大きいかもしれない。

主人公の幸福な時間と、家族の直面する困難はコントラストが効いていて心を揺さぶら
>>続きを読む

月光の囁き(1999年製作の映画)

3.6

捻れていく青春。
抑えるべき高揚感を隠せずに、彼らのたどり着く場所を想像する。加虐的に、楽観的に。
ゆえに、温泉に行ってからが少々退屈に思えてしまった。果たして何を期待していたのだろうか、と考えると少
>>続きを読む

声もなく(2020年製作の映画)

3.6

彼らの関係性はとてもユニークで面白い。

演出的な盛り上げ方も、さすが。

少女の感情にもう少し乗りたかった。

ユンヒへ(2019年製作の映画)

3.6

銭函から小樽までの景色、猛烈に郷愁を覚えてしまう。ずるい。

静かに明らかになっていく彼女たちの秘密、本当の想いは、とても繊細なものだったのだろうと想像できてよかった。

韓国人キャストの芝居がリアル
>>続きを読む

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.8

最後までちゃんと観たのは初めてだった。
ループ恋愛ものの王道。

繰り返される日常であっても、楽しみ、愛すことが人生の喜びにつながるというコンセプトは真っ直ぐ入ってくる。
ビル・マーレイのキャラもいい
>>続きを読む

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.6

ドキュメンタリーとして、狙った企画を実現させる上でクリアしなければならないことやケアすべきことへの対処がちゃんとしていて良いなと思った。

別に楽しみたい訳ではないにしても、中盤は既出の情報が出てくる
>>続きを読む

50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)

3.6

前半は基本的にコメディのテイストで進んでいく。鮮やか。本題に入るのは、25分時点で彼女の持つ秘密が明かされてから。
中盤までは結構乗れて観れたな。

後半が少し物足りなく感じたのは、まあそうなるか、と
>>続きを読む

悲しみより、もっと悲しい物語(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全てを後出しにする事で、逆に彼らの募る恋愛的な感情が感じられず、失敗してしまっているように感じた。
こらは好みもあるかも知れないが、あれだけたっぷりと「実はこうだったんだ」と描かれると、思わず泣いてし
>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.7

彼らの感情の変遷が丁寧に描かれていてよかった。
全員芝居うまい。

彼らの終わった関係を示唆する落ち切った砂時計のメタファー。

この作品を「わからない」と切り捨ててしまう人たちが多いことに驚き、少し
>>続きを読む

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

メインの役者はそこまで感じないが、脇役の芝居がひどくて、都度心が引き離され、真剣に観ていることが難しい作品だった。ひとりごとって普段言わない人も多いから、ドラマ内で言わせるなら相当気をつけて芝居に落と>>続きを読む

ファイブ・フィート・アパート(2019年製作の映画)

3.6

演出は工夫があって良かった。

彼らが近づくのを見て、どうしても「ダメだよ!離れなよ!」とドギマギしてしまうくらいには、接触することに敏感になってしまったのがつらい。

無聲 The Silent Forest(2020年製作の映画)

3.4

観客に「そんなことある?」と思わせてしまうのは、映画の隙ではないか。
実話をもとに作っているというのだから「そんなことあった」わけだが、それ以外の説得力が足りてないように思えた。
同時に、「そんなこと
>>続きを読む