HicKさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.3

《過去の日常が今を作る》

【何気ない日常】
海外レビューの一つに、日本は「Slice of Life(日常の切り取り)」を扱うのが上手いと書いてあった。たしかに普遍的な体験に焦点を置いた今作は、劇的
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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

4.7

《映画史に残る「達成感」》

【怒涛】
201分。長い時間でも積み重なっていく物語に見入った。見応えしかない。数段階に分け戦いを描き、敵という敵が全て集結。死者の軍勢が加わった時の無双具合にはかなり興
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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

4.3

《単作としての見応えも出た2作目》

【今回から好き】
舞台の説明に時間を費やした1作目だったが、今作から物語が動いていく面白さを味わえる。3つのストーリーが同時進行。それぞれが絡み合い、クライマック
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ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.0

《壮大》

【1作目】
当時、劇場鑑賞。シリーズ全体として見るとため息レベルの素晴らしい作品。でも実は、ハマったのは次の「二つの塔」から。正直、この1作目は壮大な映画だなぁと思いつつも、上映時間の長さ
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

《カタチを求める世の中へ》

【演出】
是枝監督の集大成(?)にも感じる作品。ダメな男の描き方、子役の活かし方、生活感の出し方、テーマのグレーさ。全てが凝縮。監督が多用する夏のシーンや雨のシーンでの人
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.1

《なりたかった自分》

【是枝監督】
実は10年前までそんなに得意じゃなかった是枝テイスト。ただ、改めて見ると監督特有の「生活感」や「映画的には不自然な自然感」に惹きつけられる。特に説明なしに何となく
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海街diary(2015年製作の映画)

4.3

《居場所。切り取った日記》

【いい雰囲気】
鎌倉の風景に合わせて、ゆっくりと心地よく進んでいく物語。淡々と何も考えずに見れてしまう作品だが、登場人物それぞれの立場になって気持ちを推察してみたりと面白
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デンジャラス・ビューティー2(2005年製作の映画)

3.3

《醍醐味が薄れ、ドタバタ》

【見どころ】
今回は前回の醍醐味だった潜入捜査では無く、今やミスコン魂に染まってしまった主人公グレイシーを楽しむ作品だった。前作と対になる設定。バディーを組む女刑事は前作
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デンジャラス・ビューティー(2001年製作の映画)

4.0

《00年代コメディー、代表格》

【刑事、ミスコンへ】
冴えない主人公が嫌々ながら外見に磨きをかけ、結果的に内面も成長していくコメディー作品。「馬鹿にしていた某世界を最後には尊敬するようになる」的な王
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ナイト ミュージアム(2006年製作の映画)

4.0

《安心安全の"Eテレ・コメディ"》

【学びもあるファミリーエンタメ】
夜になると展示物が動き出すという「トイ・ストーリー」にも似たワクワクする物語。キッズフレンドリーに作られていて、『"自由奔放な展
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踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012年製作の映画)

3.2

《どっちつかずのFINAL》

【方向転換】
前作「3」と2部作のような物語。内容的には前作よりも評価されてると思う。最終作にして、いきなり地に足のついたようなストーリーを扱ってきた。でもツッコミどこ
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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!(2010年製作の映画)

3.2

《醍醐味を失った暴走劇》

【リスタート】
シリーズ刷新へと踏み込んだ第三弾。キャスト、音楽、舞台、その他"お決まり"の削除など、変更された要素がかなり多い。とりわけ、地に足のついた物語で魅了してきた
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踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年製作の映画)

4.2

《長所短所、共にチョモランマ》
〜「愛」が脚本より勝る功罪〜

【ギャップ】
劇場鑑賞時は高校生の頃。小学生の頃からファンだった自分は案の定、どハマり。「キャラクタームービー」として見ればシリーズで
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踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!(1998年製作の映画)

4.2

《ダサ熱い日本。新たな方向性を開拓》

【My実写邦画デビュー】
小学生の時にTVドラマシリーズの大ファンになった作品。初めて実写邦画を劇場鑑賞した作品かも(子供向け作品を除いて)。

幼かった自分が
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私がクマにキレた理由(わけ)(2007年製作の映画)

4.2

《すてきな生態観察》

【アニー vs X家】
スカーレット・ヨハンソン演じるアニーは一般的な家庭で愛を感じながら育った人物。一方、彼女を子守(ナニー)として雇うX家は、上流階級で本当の愛を見失ってい
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ドン・ジョン(2013年製作の映画)

3.8

《改めて考えるパートナーとの関係性》

【恋人に求めるもの】
ジョセフ・ゴードン演じるジョンは性欲旺盛。スカーレット・ヨハンソン演じるバーバラは相手を自分の思い通りにしたい。種類は違えどお互い自分本位
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バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜(2003年製作の映画)

3.1

《見たいのは前半。見せたいのは後半》

【戦争映画にシフト】
戦争と重ねた前作の物語から今回は文字通りの「戦争映画」に。前作から地続きの物語で、テーマの掘り下げっていう点では良いかなと思いつつも、醍醐
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

5.0

《未成年の精神を映像化。直球の反戦テーマ》

【時代背景】
不景気。頼りない大人たち。
不信感を募らせる子供たち。

オヤジ狩り。援助交際。イジメ。
卑怯な生き方をするようになる若者たち。
制御不能の
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任侠ヘルパー(2012年製作の映画)

4.0

《ヤクザ×介護。生々しさ》

【リンク】
「ヤクザ×介護」という異質な組み合わせ。「弱気を助け、強気をくじく」の主人公の任侠道に反し、高齢者から金を巻き取って生きていく現代ヤクザ。貧困ビジネスで繋がる
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.6

《スローで、自由に、好きな事をして、笑顔を見る》

【初鑑賞時の感想】
初見は大学生の時。15年ぐらい前になるのか…。その時は荻上直子監督の作風の良さがさっぱり分からず…。

客が来ないのにのんびりし
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

4.1

《すれ違いのフルコース。もどかしさのオンパレード》

【体感せよ】
何度も気持ちがすれ違い、「言っちゃえよ」「もう、気持ち伝えればいいじゃん」って思わず言ってしまいそうなストーリー。優れたホラー作品に
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.4

《徹底したヴィジュアル》

【演出】
オリジナルを知らないからか、評判ほど悪くはないっていう感想。徹底的に作り上げられたヴィジュアルに驚く。それを引き立たせる近未来を表現したような音楽。この2つで"重
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

4.0

《好みな群像劇。好きなテンポ感》

【群像劇が面白い】
結構テンポが速い。普通「群像劇×ハイペース」だと分かりづらくなりそうなものの、うまく整頓されてる気がする。人物1、2、3と種を蒔き、数日後、1、
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ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.0

《インパクト大のクソジジイ。の良い話》

【印象】
単に老人と少年の友情物語と思ってたけど、それ以上にインパクトのある作品だった。っていうのもクソジジイにも程があるw。前半はそんな彼を演じるビル・マー
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.2

《教材》

【踏み込んだ物語】
"アニメアニメしてるキャラデザイン"に慣れるまで時間がかかった(浅はかな)自分だったが、結果的にイジメに対して結構踏み込んで描いている今作に感動。

いじめた側がいじめ
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来る(2018年製作の映画)

3.8

《パンキッシュな"お祓いエンタメ"》
  〜柴田理恵のかっこよさ〜

【ホラー×エンタメ】
子供にまつわる共通点で結ばれた背景や、嫉妬、憎しみ、後悔、沢山の感情が交差したストーリーは考察出来るものにな
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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

4.5

《現実こそがミステリー》

【理解できる狂気】
脳死した娘、その命をどう扱うか。脳死以前のように家で娘を"育てる"主人公。"生きてはいない娘"に対しての主人公の行動を怖がる周囲。やがて溝が深まり、狂気
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.6

《ひと夏の冒険。ひとつ大人になった夏》

・子役全員、可愛い。演技も良い。自然な感じがGood。

・竹原ピストル、無敗説(全て見てる訳じゃないけど)。尾野真千子とピストル、楽しい。子供になりたい。
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.6

《アイディア最高》

【コメディー】
予想に反して全体的にコメディー色が溢れている。ビートルズファンの主人公とビートルズを知らない周囲の人物との温度差が面白い。劇中でも言及されてたけど、主人公がビート
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.9

《最高のスタアとクーパー監督のシックな演出》

【ガガ様】
公開当時はガガの演技が想像以上に良くてビビった。本業では無いとは思えないぐらいの安定感。ずっと見ていたい。演技の雰囲気がスカーレット・ヨハン
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ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

3.9

《家族愛!と良い脇役たち》

【プロレス知識皆無だけど】
感動。事実から大きく脚色したシーンがいくつかあるみたいだけど、ダイレクトに心に飛び込んでくるドラマだった。実際にはザ・ロックとデビュー前の交流
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アラジン(2019年製作の映画)

3.7

《安っぽさもあるが、主演2人が魅力的》

【最高の主演キャスティング】
アラジン役のメナ・マスードがとても良かった。純粋で真っ直ぐな等身大の若者像にピッタリとハマっている。笑顔も爽やかでアニメから抜け
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アラジン(1992年製作の映画)

4.5

《全ての要素を網羅した絢爛豪華なミュージカル。全シーンが目玉》

・千夜一夜物語/アラビアンナイトの中の「アラジンと魔法のランプ」

・アカデミー歌曲賞。「♪アラビアンナイト」「♪一足お先に」「♪フレ
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ムーラン(2020年製作の映画)

3.3

《作風趣旨には賛同も、無機質さが残念》

【実写アレンジ】
アニメ版のストーリーラインを踏襲しつつ、戦場ドラマにフォーカスを当てたアレンジ。ミュージカル要素やコメディー要素を排除した点は賛否もあるかも
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ムーラン(1998年製作の映画)

3.8

《性別を超えた強さ》

・原作は中国の伝説「花木蘭」。自分は全く知識なし。でもググった。

・ディズニープリンセスの1人だが王家との繋がりがない。ベルもだっけ?

・「一族の名誉」が枷になるが、自分を
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NANA2(2006年製作の映画)

2.6

《ナレーションごと騙される》

【嫌な女】
なんか、"雰囲気"はある作品。けど、前作同様にナレーションを必要以上に多用してる割には、2人の男を前にどっちつかずのハチの本当を全く伝えようとせず、騙されて
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