ゆみさんの映画レビュー・感想・評価

ゆみ

ゆみ

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版(1975年製作の映画)

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彼女たちと同じ歳のころに観たかったような、観なくてよかったような。サンドイッチにたかる蟻、少女の叫び声、無骨な岩。不穏なものたちさえ美しくて、そちら側に連れていかれそうになる。
音楽がいやに劇的。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

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濱口監督の「本読み」では、感情を乗せずにいわゆる棒読みをさせるとのこと。
この映画を観る前にそう聞いたときは、それは役になりきらないということなのかと思ったけど、むしろ逆なんだろう。これまで身につけて
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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とても好き。こういう優しさの巡りの中で生きていきたいと思った。優しい人を抱きしめたくもなった。みんな愛おしい。
ときが来たら手を離せるような優しさというのかな、執着のない自然な関係が心地よかった。
P
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『エターナル・サンシャイン』の、愛する相手ではどの人生でも必ず出会えるというテーマがとても好きだけど、イニョンが徐々に重なっていくという考え方もまたよい。

雨の日の心地良さ。ホテルのドア越しの足元の
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

THE TOKYO TOILETのプロモーションとして始まった企画ということで、ここにお金を落としていいものか長らく悩んで、結局ギリギリに観に行った。
でもまずは「こんなふうに生きていけたなら」のコピ
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Here(2023年製作の映画)

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どの一瞬を切り取っても画が美しくて、「動く写真だ」と思った。moving pictureとはこういうことか…? 不思議な感覚。アスペクト比が4:3だったこともあるのかな。
そして環境音の心地良さ。
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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だいぶ寝てしまったので断片的にしか見られてないけど、いやだからこそ…? 現実から片足離れてしまったアナの体感が伝わってきてよかった。
子どもの頃はいま以上に、目に見えないもの、耳に聞こえないものにこそ
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悪の教典(2012年製作の映画)

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『悪の法則』と間違えて観てしまった。こんなことある?
グロいシーンにすてきな音楽を添える演出は『キック・アス』で感動したけど、これはその狙いが垣間見えつつも高揚感を感じられなかった。
高校の文化祭前夜
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そばかす(2022年製作の映画)

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佳純がとがりすぎていないのがいい。それは「受け入れやすいマイノリティ」だから心地いいということではなくて、きっとああしてずっと、自分が悪いんだ、おかしいんだ、ほしいものは手に入らないんだって思いつづけ>>続きを読む

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

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迷ったけど映画館で観てよかったー!!
本物の試合を見ているような臨場感もよかったけど、ハイライトを詰め込んだシーンには狙い通り感情が高まったし、なにより研磨の一人称視点がすごかった。
漫画という平面の
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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最後まで好きになれなかった。
バックライトの中でミッツィーが踊るシーンでの娘の反応が、私の感覚そのものだった。
芸術家肌で(でもピアノを弾くために爪を切ることはこばむ)、自由奔放な母親像を男性目線で女
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

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なんて力強い。観てよかった。
フェミニストたちに「つらいのは女だけではない」と詰める男性たちがいるけど、女性たちがこうして語ってきた歴史の上にいまのフェミニズムがあるのだから、男性も男性同士でもっと語
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

長いですが、補助線になるようなレビューではなく、個人的なメモです。

主人公に共感できるか、主人公を好きになれるかが、いい映画の基準ではないなと実感した。
前情報なしに見始めたので、かっこいい「女性」
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終わらない週末(2023年製作の映画)

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これはどう受け止めればいいの?ホラー?社会派?サイコスリラー?と、これから何が始まるのかわからない感じが新しかった。その感覚は最後まで続く。
ストーリーというより、この映画の作りそのものがミソなんだろ
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

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安藤サクラを目的に鑑賞。
かっこいい雰囲気もあるのだけど、演技がそれぞれ独特だし、コメディ要素があちこちに入って妙な気持ちになる。B級映画のつもりで観たらちょうどよかったんだろうな。
性的な場面がすご
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プリズン・サークル(2019年製作の映画)

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入所者の語るエピソードをサンドアートのアニメーションで表現しているのだけど、形が見えない感情や、突然目の前に迫ってきてはすぐに霧散してしまう記憶を表すのにこれ以上の方法はないだろうと思った。
加害のも
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市子(2023年製作の映画)

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半分しか観られてないけどそのうちまたぜんぶ観る。とりあえず記録。
画面の揺れで酔ってしまった。

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

とても好き。またすぐに見返したくなる。インタビューの一つひとつの発言に思いを馳せて、一人ひとりの人生を想像してみたい。
私の中では、これはドキュメンタリーということにする。実際どうやってつくられたのか
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

思い切りのいい展開の早さ。何が残って何が残らないのかが浮き彫りになるような。断片的な会話、温かなハグ、夜や早朝の空気、空と陸。BGMが重なるところがとても悲しかった。ひとりぶんの孤独を抱えて生きるとき>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

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どういう気持ちで見ればいいのかしらと戸惑うままに見ていた。
敵役の集団がみんな全然強そうじゃないのとか、刀にシーサー印なのとか、リリーシュシュのすべての曲がかかるのとか、なんだろうなんだろう、これがキ
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