どの一瞬を切り取っても画が美しくて、｢動く写真だ｣と思った。moving pictureとはこういうことか…？ 不思議な感覚。アスペクト比が4:3だったこともあるのかな。
そして環境音の心地良さ。
始まってしばらく、主役が誰だかわからない時間が続く。そういえばその後も、様々なバックグラウンドを抱えあの街で生きる、すべての人が主役のようにも見えた。あるいは主役という概念を植物や街そのものに譲ることによって、｢自分の人生の主役は自分しかいないんだから｣みたいなプレッシャーを退けたようにも見える。
自動車修理工場のおじさんがスープをねだるシーンと、草ぼうぼうの斜面に座ってみんなでそれを食べるシーンがすごく好きだった。
穴ぼこだらけのエンドロールも。木漏れ日が漏れてきそうだった。
