ゲルさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.7

画面が真ん中から左右に二分割されている独特な画面構成。
カメラが時々人間の目のように瞬きをする。
老夫婦役の主演二人の演技は、演技と思えないほどリアルで、映画ではなく現実と向き合っているようだった。
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アダミアニ 祈りの谷(2021年製作の映画)

3.8

山間部の村はとても「テロリストの巣窟」には見えなかった。
そこで生きる人々の記録。
辛いことがあっても、志を持ってせっかく準備してきたことが台無しにされても、たくましく生きていく女性たちの姿がとても印
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.6

バーンスタインといえば、『ウエスト・サイド・ストーリー』がまず思い浮かぶ。
本人についてはほとんど何も知らなかったため、軽く衝撃的なことも描かれていた。
やはりというか、音楽がとても良かった。
基本的
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ティル(2022年製作の映画)

3.7

観るのが辛い作品であった。
事件がむごすぎて、辛く悲しく、何度も泣かされる。
なぜ、このタイミングで映画化されたのかという理由が最後にわかる。
メイミーたちの努力が今になって形となった。

メイミー役
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市子(2023年製作の映画)

3.8

市子役の杉咲花の魅力炸裂!な作品。

子供は親も家庭環境も選べない。
市子の生い立ちでは、どう足掻いても人生詰んでしまう。
ひとりでは生きて行けず、結局他人の手を借りることになる。
市子の、自然と人を
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キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク(2023年製作の映画)

3.8

演奏が始まるまでは少々時間がある。
ライブの待ち時間は世界でいちばんわくわくする贅沢な時間。
ピアノ一本で世界観を表現する前半と、一流のミュージシャンたちとのバンドスタイルの後半。
二種類楽しめてとて
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劇場版 僕らのGalileo Galilei〜会えたね〜(2023年製作の映画)

3.7

彼らが夜に出てきた当時は、その若さに驚かされた。
特にファンというわけではないけれど鑑賞。
メンバー自身が監督を務めていることに意義がある。
前半は語りが多く、このまま終わるのかなと不安になったが、後
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栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

3.9

ストーリーははっきり言ってイマイチ理解できなかったけれど、とても好きな雰囲気。
どことなくファンタジックで絵になる映像はずっと昔の映画のようで、世界観に浸れるのが幸せ。
真冬に観たい作品。

二人静か(2023年製作の映画)

3.2

坂本礼監督のトーク付き上映にて鑑賞。

止まった時間を抱えたふたりの女性が、不思議な絆を深めていく。
後半はロードムービーの様相も呈す。
タイトル通り静かな作品。
良い作品なのだろうけれど、自分には少
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正欲(2023年製作の映画)

3.3

原作未読。
観やすい作品ではあると思うけれど、自分は物足りなかった。
良く言えば、間(ま)を贅沢に使っている。
悪く言えば、テンポが良くなくダラダラとしている。
もっとサクサク進まないかなとイライラし
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蟻の王(2022年製作の映画)

3.3

終始シリアスで淡々としており、しーんと音が聞こえてきそうなくらい静か、そして長い作品なので、眠くなってしまった。
もう少しドラマ的な見せ場が欲しかった。
アルドとエットレのお互いを見つめる眼差しでどれ
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理想郷(2022年製作の映画)

3.7

前半は夫のアントワーヌが主人公。
おじさんたちが画面を埋め尽くす。
大人のいじめの話では済まなかった。
後半は妻のオルガが主人公。
彼女は芯が強く、観ている自分も身が引き締まる思いだった。
前半は少し
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.9

独特な雰囲気の作品。
なぜこの設定で、本当の意味でのハッピーエンドにまで至るのか本当に謎だが、様々なカオスに出会えて最後まで目が離せなかった。
バビー役のニコラス・ホープの演技力が最強。
子供のような
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過去負う者(2023年製作の映画)

3.8

舩橋淳監督とゲストの舞台挨拶付き上映にて鑑賞。
この作品でやりたかったことを監督が明言していて、ためになるトークだった。
映画としての完成度はそれほど高くないけれど、非常に考えさせられる内容で、本当に
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さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

3.2

宮城県民にとって、ほやはとても身近なもの。
使命感にかられて観てみたら、コメディーの予想とは異なり、シリアス寄りのヒューマンドラマだった。
繁の個性のことや、阿部兄弟の両親のことなど、切ない話。
いく
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

3.6

愛すべき馬鹿馬鹿しさが憎めない。
大学の卒業製作とは思えないクオリティーではあるが、冒頭の出来事がピークで、だんだんトーンダウンしていく。
もう少しコンパクトにまとめられたのでは?
カメラワークがせわ
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アアルト(2020年製作の映画)

3.5

淡々としていて、あくまで記録としての側面が強い作品だったけれど、アアルトの建築物をたくさん見られたので良かった。
ドキュメンタリー作品のインタビューは、インタビュー映像が付き物だと思い込んでいたけれど
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.7

原作未読。
2011年・2018年・2023年を行き来する、歌唱シーンが多いタイプの音楽映画。
どこにいるのか時々わからなくなりそうだった。
劇中歌の作詞作曲・歌唱だけでなく、主演女優として様々なシー
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

3.8

幾つもの言語が飛び交う小さな村で、不満を抱えた村人たちの思いが外国人労働者とその雇用主へと向かう。
教会から場所を移した話し合いは、いつの時代の話かと目を疑うけれど、紛れもなく現代。
似た事件は世界中
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

3.8

今回が初見。
名作だと思う。
全編シリアスでなく、日常のほっこりするシーンなども盛り込まれている。
それなりの尺だが、緩急があって飽きない。
音楽も良い。
マチルダ役のナタリー・ポートマンは、映画デビ
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マルセル・マルソー 沈黙のアート(2022年製作の映画)

3.3

2021年公開の『沈黙のレジスタンス 〜ユダヤ孤児を救った芸術家〜』がとても良かったので、期待して鑑賞。
あまりドキュメンタリーっぽくなく、特有の気だるさがあり、ドキュメンタリーでもフランス映画らしさ
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シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

2.8

大人たちのドタバタに巻き込まれる子供たち。
テンポは良いけれど、ネタがいちいち寒いのでまったく意味がない。
脚本を書いた人と自分のセンスがとにかく合わなすぎた。
天才的に歌の上手い子供たちがせっかく揃
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鯨の骨(2023年製作の映画)

3.0

あのちゃんのための映画。
演技力はあると思う。
役では歌わないが、主題歌も担当している。
ホラー映画のような雰囲気で、安っぽくはないけれど、なかなか独特で、ストーリーを掴めないまま終わってしまう短編映
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.0

26歳にして人生初の挫折を味わったエリーズが、新たな道を見つけて更に飛躍していく青春ストーリー。
ダンスは本格的で見応えがあるけれど、それ以外は至って普通……という感じ。
脚本が単純すぎてまるでファン
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(2023年製作の映画)

3.3

石井裕也監督の作品をものすごく久し振りに観た。
感情を思い切り乗せて全身全霊で台詞を吐き出す演技が特徴的。
いかにも現実離れしている気がして、個人的にそこがあまり好きになれない。
酔いに任せて本音を話
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まなみ100%(2023年製作の映画)

3.1

あらすじから、純愛の話かと思いきや、若者の女遍歴だった。
可愛らしいけれどやばそうな子ばかりで、そういうタイプばかり引き寄せる人っているよね、とリアル感に浸った。
監督の自伝的映画という触れ込みに妙に
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.8

独特で軽快な会話のリズムが今泉力哉監督の作品の特徴のひとつである。
この作品は会話のやり取りがそこまで多くない。
静かで余白が目立つけれど、不思議と長さは感じなかった。
作品の雰囲気を壊すような唐突な
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ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

3.6

自分は、コナミのゲーム『悪魔城ドラキュラ』シリーズが大好きである。
耽美な世界観が美しい。
コナミのドラキュラシリーズから連想するようなドラキュラとはかなり異なっていたが、スケールが大きく見応えがあっ
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.4

災害後の混沌、集団心理の恐ろしさ。
関東大震災から100年経った2023年。
人類の歴史からしてみれば、100年はわずかな時間にすぎない。
人間はそう簡単には進化しない。
自分も含め、この作品で事件を
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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

3.3

この作品に何もおもしろさを見出だせなかった。
淡々と進み、緩急があまりなく、退屈以外の何物でもない。
状況を会話から読み取る場面が多いが、その会話がダラダラと説明的で萎える。
中東映画あるある。
もう
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なぎさ(2021年製作の映画)

3.4

暗闇をひたすら見せられた。
他にも、くぐもった鼻歌や後ろ姿など、ストレスがたまるものを次々と。
9割理解できない短編映画を繋ぎ合わせたような作品。
さすがに長編なので、少しずつ明らかになっていく。
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.6

RPGみたいなオープニングにとてもわくわくした。

何かをきっかけに人生が好転し始める、ということは実際あると思う。
実話を元にしたストーリーで、当時ニュースになったことはうっすらと記憶にある。
一般
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清澄(2015年製作の映画)

3.3

仙台短篇映画祭にて鑑賞。
ゲストに川瀬陽太。
短いので考える時間もなく、解説がなかったら理解できなかったかもしれない。

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.8

一瞬も目が離せない。
アニメでも実写でも、こんなに釘付けになる作品にはめったに出会えない。
81分にぎゅっと凝縮されていて、無駄が一切ない。
公開から四半世を経た今、劇場で観るという体験ができて感動し
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ルードボーイ:トロージャン・レコーズの物語(2018年製作の映画)

2.9

それほど興味のないジャンルだったけれど、音楽のルーツを知るのが好きなので鑑賞。
やはり、ジャンルに興味ある人向けの内容だった。
音楽ドキュメンタリーとしては、淡々として退屈に感じる。
最大の謎は、再現
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シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~(2023年製作の映画)

4.0

マニアックすぎることなく、受け入れやすい構成。
音楽ドキュメンタリーとして普通におもしろかった。
シーナと鮎川誠は公私共にパートナーだったから、バンドのこともふたりの家族のことも、すべて詰まっていた。
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