LEONkeiさんの映画レビュー・感想・評価

LEONkei

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告白的女優論(1971年製作の映画)

2.5

人間が識別可能な表情は、喜び、驚き、恐怖、嫌悪、怒り、悲しみ、無表情の7種類。

女優とは人を欺くプロ…。

大衆に晒す其の顔は真実を覆い隠す偽りだったとしても、人々のココロを揺さぶる力を女優(俳優)
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.0

今にも雨が降りそうな曇天の空は鉛色でドス黒く寂寞に染まる、美しく鮮やかな緑色の地面を覆い隠す隔たる現実。

何かが始まり何かが変わり何かが終わる、冒頭数秒間の情景が最も印象に残る。

人間は出会った約
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.8

信じることは悪ですか善ですか?

何かを信じると言うことは自分自身を信じなければ何も信じることはできない。

信じることは善か?悪か?
運命を委ねる決断に於いて正解か不正解かを考えることより、決断する
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狂ったバカンス(1962年製作の映画)

4.0

巨岩は一瞬にして粉々に砕け散る希望、二度と浮かび上がらない深海に沈む情熱、1600℃に燃えたぎる太陽に照らされて男は即死する。


社会を動かし時代を切り開く現世代は常に流動、些々たる旧世代は片隅で静
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(1939年製作の映画)

3.5

其々シーンは在り来りで中盤まで若干の緩さを感じてしまうが其れは終盤への布石、しっかりとした筋立てと主人公の印象が徐々に変わっていく様子が面白い。

若い女性ばかり狙われる連続失踪事件を追う。

出来る
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バニシング '72(2019年製作の映画)

2.5

主人公〝トラヴィス・フィメル〟の落ち着きがなく悲壮感に満ち終始涙目(の様に見える)な形相は、単純に銀行強盗をした其の行為ではなく行為其のものを7年間隠し続け生きてきた行為にある。

ニクソン大統領の隠
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血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.5

弱肉強食の資本主義社会の残酷さの中で人々は生きることに精一杯で真実を見失う居場所のないカオナシ状態、売上至上主義で記事の為なら手段も真実も問わない醜惡なマスメディアの汚さを吉田喜重が痛烈に描くブラック>>続きを読む

オレンジカウンティ(2002年製作の映画)

2.0

ラムネ色の空に浮かぶ雲の切れ目から天使の梯子が地面を照らした道を歩き、見知らぬ裏路地の角を曲がれば何処からともなく柑橘の懐かしい香りが漂う。

初めて来たはずなのに見覚えのある道、ここは前に来た道。
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レイジング・ケイン(1992年製作の映画)

2.5

二重人格を題材にしたデ・パルマのサイコパスな犯罪サスペンスだが、何が怖いって〝ジョン・リスゴー〟の女装が最も恐ろしい。

スローモーションや独特な描写を駆使するデ・パルマカットは健在だが、物語としては
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モニカ・ベルッチの情事(1992年製作の映画)

2.5

好き嫌いは別としてそもそも同じ人間かと思うくらい麗しい美貌とバランス良いカラダは、AI生成したような若き〝モニカ・ベルッチ〟に見惚れているうちに映画は一瞬で終わった。

生粋のモデル体型なので一般的な
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鉄道運転士の花束(2016年製作の映画)

2.5

鉄道運転士にはなりたくない。

命に関わる物凄くシリアスなストーリーの筈なのに全く其れを感じさせない、だからと言ってコメディではなく平凡ではあるが人間味溢れる人々は淡々とやるべき事をやる。

物事に慣
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プロセッコ殺人事件(2017年製作の映画)

2.0

イタリア・ヴェネト州の小さな田舎町にあるワイン畑は広大で夕日を浴びて輝き放つ美しさは絶景、大自然の中で育まれた果実と泡に魅了され昔ハマったプロセッコの味が蘇る。

B.Bキングと言う名の大きなマレンマ
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果しなき欲望(1958年製作の映画)

3.3

人間が欲望を失ったら何の為に生きればいいのか。

ただ過剰に欲望を剥き出しに飢えたハイエナの様にガツガツするのは下品で傍から見れば貧相でならない。

例え貧しくともココロまで貧小になっては卑しく偏屈で
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マルリナの明日/殺人者マルリナ(2017年製作の映画)

3.0

映画の舞台インドネシアに限ったことではないが文化や慣習や宗教や政治や人間性を知らずに異国から見ると、奇天烈で不可思議で当たり前のことが当たり前に見えず価値観の相違が〈奇妙で滑稽で残酷〉に思えてしまう事>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.3

多分監督は思い描くロケ地〈死に場所〉が見つかったんだと思う…。

全ての人に言えることは今見ている世界はほんの一部の現実でしかなく、まだ見ぬ様々な世界を見れば現実は圧倒的に変わる。

それが優しい嘘な
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春の珍事(1949年製作の映画)

3.0

この魔球を使えば自分も今すぐ大谷翔平を全打席を完璧に三球三振に抑えられるだろう。

絶対にボールがバットに当たらない薬品を開発してしまった平凡な大学講師が、自らセントルイス・カージナルスに入団し大活躍
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欲望の中の女(1981年製作の映画)

2.8

この邦題『欲望の中の女』を更に分かり易く言えば〝欲求不満の女の妄想〟と成る。

人間なら誰しも其の欲望を満たす為の前段階に必ず甘い妄想に耽り、大胆な背徳感に蝕まれながら偽りの自分を慰める。

現実社会
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血の祝祭日(1963年製作の映画)

2.5

スプラッター映画の元祖的作品に位置づけられてる〝ハーシェル・ゴードン・ルイス〟監督の、当時としては革新的で斬新でもうユッケは食べられない血みどろの残酷な描写で衝撃を与えた本作。

裏ビデオのような粗い
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立ち去った女(2016年製作の映画)

4.2

黒と白のコントラストを覆う光源は繊細で美しく圧倒的画力にフォトグラフの陰陽を持ち、本物以上に本物らしい鮮烈で生々しい描写は目に見える陽画と見えない陰画の魔力に取り憑かれる。


無実の罪で30年間服役
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サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

1.5

サン・ラーと言っても酸辣湯麺(スーラータンメン・サンラータンメン)でも生碼麺(サンマーメン)の話しではなく、フリージャズメンで有り思想家で有り詩人で有り独自の宇宙哲学を音楽によって啓蒙する奇人。

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クノック(1950年製作の映画)

2.5

無尽蔵に膨れる医療費やいつの頃からか医者が権威を持ってしまう歪んだ医学界、小さな町に赴任した医師を描いた社会風刺コメディだが結果現在に通ずるホラー。

貧しく病む人々を献身的に診る〝赤ひげ〟先生は消え
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アニー・イン・ザ・ターミナル(2018年製作の映画)

2.2

笑えば笑うほど目玉の圧で強烈に主張する〝マーゴット・ロビー〟を見ると思い出す、WWEの〝リヴ・モーガン〟でキャッチ式延髄斬り並みに存在感はシャープ。

長年の苦しみと怨みを晴らす復讐劇とは言え無理矢理
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.0

人々で賑わう遊園地で老人がひたすら罵られ虐げられ続ける映画。

老人の気持ちは老人にならなければ絶対に分からないが、若者と同じことをしようとすれば正しく其れはhorrorでしかない。

通ってきた道と
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M(1931年製作の映画)

4.2

裁く者は善なのか悪なのか人間性の矛盾と限界、殺伐とした病んだドイツ社会への批判が描かれている。

連続幼女殺人事件をベースに物語は進行しているものの、その根っこには近づくドイツ国家社会主義体制の不安と
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ある男(2022年製作の映画)

2.2

検察官による論告求刑後に行われる人権派弁護人による最終弁論で、人間性を説くも狭い視野で偏りすぎ傍聴席であくびをしてしまう…、半径1.5m程の世界観。

思想信条主義主張が違っても映画に限らず見所や描写
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緑の香水(2022年製作の映画)

1.8

突然の不審な訪問者に対し何故これ程までに赤の他人の男(主人公)に協力したのかが理解に苦しむが、きっと何か惹きつけられる直感的な魅惑の香りに女は運命を委ねたのかも知れない。

単なる小さな事件に巻き込ま
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ピート・スモールズは死んだ!(2010年製作の映画)

2.2

〝ピーター・ディンクレイジ〟の落ち着いた低音ボイスは陰を渡る風のように心地よく、〝スティーヴ・ブシェミ〟は其れまで降っていた雨が突然晴れ出す俄日和の様に場の空気を変え、〝ティム・ロス〟は剥きたての茹で>>続きを読む

さよならミス・ワイコフ(1978年製作の映画)

3.7

胸糞悪くなるほど堕ちに堕ちていく性に対し疎く高潔でインテリ女教師の破滅的人生は、性的衝動や人種差別や思想観を複合的に絡め時代性と閉鎖的な町を描いている。

評論家界隈では評価は低く相変わらずフェミニス
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女経(じょきょう)(1960年製作の映画)

3.5

其れは現実か幻か兎角亀毛の女たちは静かに渇欲する。


『耳を噛みたがる女』
一本調子だが若尾文子の擦れた女の光と影に男たちを魅了するが、明るく振る舞えば振る舞うほど其れがとても悲しい翼の折れた鶴。
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2020 世界終焉の日(2019年製作の映画)

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カメムシの様な陳腐な宇宙船が登場した瞬間イヤな予感がしたので観るのをやめようと思ったが、再びカメムシが登場するも主人公が石を投げて撃沈させた時点で観るのをやめた..★,

We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

3.3

姿を見せないことによって存在する。


マスメディアを拒絶し表舞台から身を隠し続けそして静かに去ったファッションデザイナー〝マルタン・マルジェラ〟は今何処で何をしているのだろうか…。

コンセプチュア
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クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)

2.0

女性十数名が殺害された10年前の未解決絞殺事件も、ボーイスカウトが解決できるレベルの事件なのか…。

言うなれば初心者がロープを手に取りいきなり亀甲縛りをして試行錯誤するも、見様見真似で断念するか或い
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.3

今日2024年2月29日は4年に一度の閏年だが、もう一方で4年に一度の幻の〈肉の日〉でもある。

焼肉店やステーキ店やデパ地下やスーパーなど肉を扱う店舗では今日の日の為のスペシャルプライスで振舞う、憐
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ある過去の行方(2013年製作の映画)

3.5

他人の家庭のいざこざを長々と覗き見しているようで良い気分はしないが、フランス社会の価値観の歪みや移民の弊害など様々な暗部が見え隠れする。

其々の立場によって余りにも感情の相違はあるものの、他人は誰が
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水で書かれた物語(1965年製作の映画)

3.5

其々の人間関係の相関図を頭の中で描き始めると、非情で残酷な繋がりによって倫理観は崩壊する。

愛する事には全く罪はない。
もし其処に罪がある愛が有るならば、惨めで哀れで人間としての尊厳を捨てざるを得な
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

1.5

百花繚乱、多種多彩、様々なエルキュール・ポアロがあっていい。

実写化されたシャーロック・ホームズもジェームズ・ボンドも金田一耕助も様々な俳優が演じ其々違った個性と演出で製作者は良いと思って作品にして
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