LEONkeiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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女経(じょきょう)(1960年製作の映画)

3.5

其れは現実か幻か兎角亀毛の女たちは静かに渇欲する。


『耳を噛みたがる女』
一本調子だが若尾文子の擦れた女の光と影に男たちを魅了するが、明るく振る舞えば振る舞うほど其れがとても悲しい翼の折れた鶴。
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2020 世界終焉の日(2019年製作の映画)

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カメムシの様な陳腐な宇宙船が登場した瞬間イヤな予感がしたので観るのをやめようと思ったが、再びカメムシが登場するも主人公が石を投げて撃沈させた時点で観るのをやめた..★,

We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

3.3

姿を見せないことによって存在する。


マスメディアを拒絶し表舞台から身を隠し続けそして静かに去ったファッションデザイナー〝マルタン・マルジェラ〟は今何処で何をしているのだろうか…。

コンセプチュア
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クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)

2.0

女性十数名が殺害された10年前の未解決絞殺事件も、ボーイスカウトが解決できるレベルの事件なのか…。

言うなれば初心者がロープを手に取りいきなり亀甲縛りをして試行錯誤するも、見様見真似で断念するか或い
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.3

今日2024年2月29日は4年に一度の閏年だが、もう一方で4年に一度の幻の〈肉の日〉でもある。

焼肉店やステーキ店やデパ地下やスーパーなど肉を扱う店舗では今日の日の為のスペシャルプライスで振舞う、憐
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ある過去の行方(2013年製作の映画)

3.5

他人の家庭のいざこざを長々と覗き見しているようで良い気分はしないが、フランス社会の価値観の歪みや移民の弊害など様々な暗部が見え隠れする。

其々の立場によって余りにも感情の相違はあるものの、他人は誰が
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水で書かれた物語(1965年製作の映画)

3.5

其々の人間関係の相関図を頭の中で描き始めると、非情で残酷な繋がりによって倫理観は崩壊する。

愛する事には全く罪はない。
もし其処に罪がある愛が有るならば、惨めで哀れで人間としての尊厳を捨てざるを得な
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

1.5

百花繚乱、多種多彩、様々なエルキュール・ポアロがあっていい。

実写化されたシャーロック・ホームズもジェームズ・ボンドも金田一耕助も様々な俳優が演じ其々違った個性と演出で製作者は良いと思って作品にして
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アリス・スウィート・アリス(1977年製作の映画)

3.3

どの女の顔も表情が何とも言えない背脂たっぷりの胃もたれしそうな濃厚家系ラーメン、もう二度と食べないと心に決めても1ヶ月後に再び食べてしまう恐怖。

それに引き換え男たちの表情は丼の底が見えるような透き
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凍った湖(2015年製作の映画)

2.2

犯罪とは現行の法律を破る違法な行為だが、その行為が善か悪かと言うと其れはまた別次元の問題となる。

これは『凍った湖』と『疑惑』をセットで観ないと映画の良し悪しは判断し兼ね、自分は知らずに時系列を逆に
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疑惑(2018年製作の映画)

1.5

事件の背景を深掘りし人間関係や心理描写を詳細に描けば、自然豊かな小さな村も魅力的で違った視点で楽しめたかも知れない。

非効率で中途半端な孤独の捜査は探偵かと思うくらい警察組織の存在感はなく、気の抜け
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北陸代理戦争(1977年製作の映画)

3.5

生き延びたい人間が死に、死んでもいい人間が生き延びる無情な世界に…。

真冬の日本海の冷たい乾いた風は頬をつん裂く厳しさに晒され豪雪に埋もれ、極北の地で耐え凌ぐ人々は無言の叫びで必ず訪れるはずの春を憂
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.3

もし楽園があると知ったなら可能性を信じ例え困難な道のりでも行くべきか、或いは何か物足りないと感じながらも平々凡々と留まるのか。

どちらを選択しても正解でも不正解でもないが、日常の物足りなさを埋めるに
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ストレンジ・ワールド(1965年製作の映画)

2.0

この映画の何がストレンジかと言えば4つのオムニバス作品の製作年もバラバラで、各物語の共通性や4名の監督をひとつの作品にまとめた事が奇妙でならない。

確かに単体としては物足りず作品の出来不出来に差があ
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乾いた花(1964年製作の映画)

3.8

立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花、空々漠々の乾いた花は二度と甦らないのか…。

萩に猪、紅葉に鹿、牡丹に蝶、猪鹿蝶の影さえ踏めず一身を死神に託し地獄絵図を凝視する。

望むものを模索しても望む
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トスカーナの幸せレシピ(2018年製作の映画)

2.0

美味しいものには味がある。

料理も人間も微妙なさじ加減で魅力は劇的に変わるものだが、どちらも味がなければ美味しくもなんともない。

正論や理屈ばかりをぐだぐだ言っても味気ないものには魅力はない。
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.8

負と負が結びつけば灰色の固いコンクリートに負の塊がコロコロと転がり巨大化する、支えようにも支えられず自分では手に負えない負の連鎖地獄に堕ちる。

似たような負の境遇に惹かれてしまうのは運命でも偶然でも
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

2.2

美味いものを食べても酒を呑んでも女を抱いても友人と馬鹿話をしても真に楽しめないのは、行為が済んだ其の後に明日(未来)のことを考えてしまうからに他ならない。

では何故幼い子供は無邪気に楽しむことが出来
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アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)

3.3

虚構に溺れ現実に失望したならアントニオ猪木を知れ、逆境から這い上がることを体現する生き様を。

人間は何の為に生き何故闘わなくてはならないのか、生ける屍に蝕まれたその魂は存在するのか。

そして何故い
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.6

イメージの具現化、自分はそれだけの為に生きていると言っても過言ではない。

いま2023年が終わろうとし2024年が始まろうとしているこの瞬間に、なんの為に自分がこの時代に生きているのか自問する時期が
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.9

人生とは分岐点が必ずあり選択に選択を積み重ね成り立っていると言っても過言ではないが、もし仮に選択肢がない或いは選択肢があっても選択しない人生なら不幸なことだ。

だがしかし時として選択肢があっても選ぶ
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スカイ・ハイ(1975年製作の映画)

2.5

千の顔を持つ男メキシコのマスクマン〝ミル・マスカラス〟のダイビング・ボディ・アタックなど、それまでのプロレスの概念を超えた華麗な異次元殺法に美しい肉体美に魅了された。

そのマスカラスのテーマ曲〝Ji
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

2.0

メグレ警視と言えばパイプ愛好家でシンボリックなパイプは単なる道具ではない、その咥える仕草から閃きや苦悶がパイプに意志があるかのように演出している。

例え昇る階段で息が切れてもパイプの無いメグレはメグ
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あるいは裏切りという名の犬(2004年製作の映画)

2.2

フランスを代表するベテラン俳優〝ダニエル・オートゥイユ〟と〝ジェラール・ドパルデュー〟の共演だが、もちろん様々な役柄を演じてきてはいるものの個人的に二人はコメディ色のイメージが脳裏に焼き付いてしまって>>続きを読む

氷点(1966年製作の映画)

3.8

罪なき罪人を裁くのは罪深い人々によって甚振られ、謂れの無い贖罪の意識に追い込まれる。


夫は我が幼な子を殺した犯人の子(赤ん坊)を義侠心から養子として引き取ると言う、普通に考えれば余りにも理不尽で残
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

1.5

料理長の頭が沸騰しグツグツ煮え繰り出すと他スタッフにもグラグラと沸騰が蔓延、殺伐とした空気に情緒不安定な人間達に美味しい料理が作れるはずもない。

内容云々の前に短編映画ならまだしも長編映画としては前
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多羅尾伴内シリーズ 復讐の七仮面(1955年製作の映画)

2.2

七つの顔を持つ男〝多羅尾伴内〟の決めゼリフ『ある時は片目のタクシー運転手、ある時は私立探偵(これが多羅尾伴内)、ある時は奇術師、またある時は中国の大富豪…しかしてその実体は……正義と真実の使者、藤村大>>続きを読む

サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.5

かくも長き道のりに時間的概念が不在成り、最高級昆布映画。

常に近道を歩くことは決して悪いことではない。近道とは自然や理性や良心に従うことで、地位や名誉や財産など人為的なものに惑わされてはならない。
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ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ(1962年製作の映画)

3.0

個々に感情があるようにコメディは好き嫌いがハッキリでるから難しさはあるが、万人に受けるようなモノは個々の感情を蔑ろにし棘がなく自分は魅力も面白さも感じない。

そんな中でも自分は〝ピーター・セラーズ〟
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柔らかい肌(1963年製作の映画)

4.2

視線の其の先に感情が存在する。

その視線の先の対象物を如何に察しどう感じて脳内で理解するかは、育ってきた環境と自らの積み重ねた経験と感性しかない。

感情の起伏は表面的な顔の表情だけで描写する必要性
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アナザー(2015年製作の映画)

1.5

それがドッペルゲンガーかどうかは分からないが、自分もその幻想に戸惑ったことがある。

仕事先の人に『keiさん表参道のケヤキ並木通りですれ違いましたよね?』とか『銀座の◯◯で女の人と一緒でしたよね?』
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血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)

3.0

例えいま欲しいものが手に入らなくても大丈夫、ココロが貧しくなければ。


蛙先生の背術も蜘蛛女のクルクル巻きも骸骨頭の鳥のカタカタも奇奇怪怪だが、その一挙一動に愛嬌すら感じる欲と望の大人の御伽噺。
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サディスト(1963年製作の映画)

3.6

ブルックリンからロサンゼルスへドジャースが移転しなかったらこの悲劇は起こらなかったかも知れない。

或いはこの平凡な教師たちにドジャー・スタジアムのチケットが手に入っていなかったら…。

はたまた10
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

2.5

ポール・トーマス・アンダーソンらが亡き〝フィリップ・シーモア・ホフマン〟の息子〝クーパー・ホフマン〟を世に送り出す為のお披露目度合いの印象が強い作品。

P.T.Aにしては軽快で明快な脚本で誰もが通る
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.0

モンマルトルの洗濯船(若手芸術家等が拠点としたアトリエ兼集合住宅)で芸術家と親交を深めることになる若者たち、原作者〝アンリ=ピエール・ロシェ〟の既成概念の否定・攻撃・破壊と言ったダダイスムの虚無感を描>>続きを読む

原子怪人の復讐(1966年製作の映画)

1.0

西暦2889年1000発の核爆弾(理由は不明)によって地球上の凡ゆる生物・人類は滅びるも、地形的に隔離された山里が功を奏し辛うじて生き残った一軒家の7人の行く末は…。

尺も短くまったく期待をせず気楽
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