噂以上の劇薬。天竺鼠の時点でもうヤベェなと思ったけど、その後の押井守等々のサブカル単語連打で完全に向こうの術中に嵌まってしまった感。彼女と観たので、ミイラ展やら今村夏子やら横浜の観覧車やら喧嘩の内容や>>続きを読む
昔の少年漫画みたいな緩さで超たのしい。それでいて画面は一々キマってるから惚れる。ヒーローものとして省略しなけれはいけないところをしっかり写しちゃうのが独特で、地道に建物上って窓ガラス割って登場するとこ>>続きを読む
冒頭の戦闘シーンが最高。雪の中を進んでいく隊列をスコープ越しに見つめるスナイパー。挨拶を交わすように1人1人に照準を合わせていって、彼らの人物描写をサラッと済ませてから戦闘が始まる。虚ろな眼をしたまま>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
人生も終盤に差し掛かり自らの人生に疑問を抱き始めたおっさんが、自分の可能性をもう一度試すために運び屋の仕事に復帰する話。でも現実はそう甘くはなく、彼に待っていたのは仲間である若い男からの軽蔑とその恋人>>続きを読む
クーリンチェ並のド傑作。最後は世界との関わりを取り戻したってことでいいのかな。ユリイカはもちろん最高なんだけど、それ以上にアイラーが格好良すぎてブッ飛んだ。
すげぇ...。むせ返るような現実、平然と行われる暴力。ジョジョ7部のいともたやすく行われるえげつない行為ってこれやん。カメラの痕跡を極力消して淡々と目の前の現実を映し出すスタイルは想像してた通りだった>>続きを読む
1976の大晦日に1949の反政府ゲリラ兵士の死体を見つけ、右往左往する権力者たち。何故かまだ生暖かい死体は、過去の傷を消し去ることなど誰にもできないと彼らに語りかける。ワンカットで現在から1949年>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
物騒なタイトルの割にほっこり人情劇やんって思ってたら急に物語が暗転する。武士社会に疑問を抱き始めた若様に訪れる余りにもむごい結末。主君の仇討ちをしたところで当然2人は帰ってこないし、どれだけ周りに囃し>>続きを読む
全てを失う旅ってのもあるんだな...。何かを得るための旅なんて、今じゃもう通用しない物語だってことなのか。明らかに『River of Grass 』の延長線上にある映画で、今にも崩れ落ちそうな主人公は>>続きを読む
噂には聞いてたけど、水面の下からガイラが覗いているシーンのインパクトがハンパない。空港に現れてゆっくりこちらに歩いてくる場面も印象的で、日常の場に突如として有り得ない存在が出現する奇妙さに惹かれる。世>>続きを読む
一瞬にして人生を転覆させてしまうような未曾有の出来事を「語る」ということ、ましてやそれを「語り継ぐ」なんていうことはどうやったら出来るのか。言葉だけならともかく、その痛みや語りがたさも含めて伝えていく>>続きを読む
感情の赴くままに走る!走る!!走る!!!螺旋階段と共に回転するカメラ、キレッキレのモンタージュ、駆け回る主人公に並走するカメラのスピード感。空爆の最中に男がベロニカに迫るシーンは、彼女の心の動揺を上手>>続きを読む
きっとあの幽霊は主人公たちの罪悪感が形になって表れたものなんだろうな。夢を見すぎた2人への罰として。幽霊は、2人を責めるように遠くからそっと見つめるだけ。夫婦の不和に子どもの不在を読み取る事も出来て、>>続きを読む
今どきファムファタールものか...と思ったらそう単純なものではなかった。中盤までとにかく優柔不断で理解不能な存在だった浮世が、後半周囲の人間が居なくなり浮世の視点で物語が進み始めた途端激変する。もちろ>>続きを読む
淡々とした生活の中、水面下で沸々と湧き上がってきた感情が、加山雄三がとある告白をした瞬間から爆発する。ここから完全に『unloved』でびっくりした。向こうは価値観、嫌な言い方でいえば「人種」の違いが>>続きを読む
アクション映画であることによって、
障がいを持つ主人公たちの身体性が強調されているのが素晴らしかった。障がいを描く映画というと人間ドラマの方に行きがちで、社会的バリアを描くという意義がある反面、人物造>>続きを読む
超絶おもろい!足を踏み入れたら最後の家、殺人一家、絶叫のラストシーン、完全に『悪魔のいけにえ』で最高。現代日本であれをやろうって心意気にもう惚れる。だからあんまり整合性とかリアリティとか求めないであげ>>続きを読む
マスクとか双子のビジュアルは凝ってて素敵なんだけど、とにかくやる気の無さがハンパない。脈絡のない台詞で強引に展開していくストーリー、ダルッダルな編集、雑な演出などなど数えてたらキリがないレベル。吸血鬼>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
効果音や音楽は付いて台詞だけ字幕という半分サイレント映画。奇妙な誘拐事件を追う探偵と、攫われた姫を救い出す直前でフィルムが途切れてしまっていた未完の映画『永遠の謎』が、謎を追うごとに重なり合ってゆく。>>続きを読む
観光地化された現在の収容所の姿。「働けば自由になれる」の文言の前で笑顔で家族写真を撮る人や、柱に磔にされる拷問の説明を受けた後にそれを真似たポーズを撮る人など、この建物に刻み込まれる残酷な歴史を蹂躙す>>続きを読む
人生の映画。幸福な時間の裏で静かに進行する血に塗れた歴史が、次第に幸せな時を浸食していく。良質な子ども映画の雰囲気を保ちつつも、何処までも残酷な戦争の姿も同時に描いており、そのバランスの良さに驚く。美>>続きを読む
当時の結婚=幸せという図式に疑問を呈す映画かと思ったらそうではなく、原節子が結婚に消極的なのも新しい生活に不安を感じているのが理由で、結婚自体に対して何らかの疑問を抱いてる訳ではなかった。ぼんやりとし>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ヴァチカンの法王に会いに行ったらエレベーターが止まんなくなって400階くらいまで行っちゃう話。かわいそう。その後はエレベーターが上ったり下がったりするので「上る」こと自体に何かメタファーがある訳ではな>>続きを読む
アメリカ、ソ連双方に喧嘩売っていくスタイル。ひたすら悪趣味な本編の合間にカティンの森の映像を挿入することで、映画の酷さが現実の残酷さを浮き彫りにしているのが面白かった。それらの表現が規制されていた頃は>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
絶望の淵から始まり、希望を求めて彷徨い続けて結局別の絶望に辿りついて終わるような、救いのない映画。露悪的な描写が特徴で、旧友と再会して親しげに会話している人物は同時に傍に居る女性を視姦し、少女を強姦し>>続きを読む
激渋映画。犯罪者たちの栄華と破滅を誇張も矮小化もせずに淡々と描き出す。 実話ものとしてかなり堅実な作りで、冒頭のカーチェイス、長い下準備から強盗のシーン、主人公たちのその後まで一切の感情移入が廃されて>>続きを読む
現代のお伽話。とある村の2人の個人的な物語が普遍的な物語に変貌する。絵画のような美しい画面構成と陰影に惚れる。その美しいカットの数々+語りの巧みな曖昧さに翻弄されてぶっちゃけ細部が全然思い出せないので>>続きを読む
1976年に2度だけ上映されイラン革命の余波で失われたフィルムが2014年に偶然発見、スコセッシのNPOが修復した幻の作品と紹介されていたので気になって鑑賞。欲望渦巻く館の息の詰まるような緊張感とむせ>>続きを読む
白石監督のちゃんと怖い方のやつ。構成が巧みで冒頭に結末が提示されることによって、行き当たりばったりにも見える物語がちゃんと筋が通ってるように感じられる。中盤までの恐怖の煽り方も上手くて引き込まれたし、>>続きを読む
劇場版っつってもそんなにいつもと変わんねぇなと思ったら、予想の斜め上を行く形でスケールアップしてた。デカくなったらそりゃもう映画だよね。唐突なパワーアップを経て、過去の因縁を乗り越え巨人を殺りに行く工>>続きを読む
血と暴力に塗れたコロンビア映画の起源を、何故自分の母親が言葉を発さなくなったのかという個人的な問題を絡めて暴き出す。コロンビアの映像メディアが関わってきた凄惨な出来事の数々に愕然とした。政府が反政府ゲ>>続きを読む
ひたすら無自覚でウザい夫&義母、いつの間にか良い感じの理解者ポジションに移行してる祐、数十秒間でやたらクセの強い母親、唐突に新潟に現れたと思ったらしっかり死にかけてる妻夫木くん(普通に家で寝てろやって>>続きを読む
開始5分で無理心中に巻き込まれてて笑った。その後は絶対死にたい主人公 vs 絶対死なないオッサンの不毛な戦いが始まったり、2000年前の女性のミイラが生き返って愛を知ったり臓器を喰われかけたりする。面>>続きを読む
当時のスタイリッシュなアメリカ犯罪映画と日本の人情もの映画が同居しているような独特な雰囲気。
無駄のないショットの中に物語を機能させる要素を的確に散りばめているのが凄い。小道具の使い方も素晴らしくて>>続きを読む