小さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ガンジスに還る(2016年製作の映画)

4.0

人はなかなか解脱できない。でも死を迎える間際なら一切から解放され、苦しみから逃れ自由になることができるかもしれない。そんな感覚を実現するところが、ガンジス河の畔の聖地バラナシにある施設「解脱の家」。死>>続きを読む

血と骨(2004年製作の映画)

3.3

日藝生企画・運営の映画祭「朝鮮半島と私たち」にて鑑賞。原作は自身の父親・金俊平をモデルに描いた梁石日の同名小説。学生たちがどういうつもりで本作を選んだのかはわからないけれど、金俊平が「朝鮮半島」と結び>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

カンヌ映画祭の映画紙の星取表で4点満点中3.8点と、パルムドールを受賞した『万引き家族』(3.2点)を押さえトップだったものの無冠に終わった本作について、その時から楽しみにしていた(ちなみに『寝ても覚>>続きを読む

ナディアの誓い - On Her Shoulders(2018年製作の映画)

4.5

泣いた。それは多分『バハールの涙』を観たからだと思う。

ISIS(イスラム国)による少数民族「ヤジディ教徒の虐殺」。少女や女性たちは戦利品として売買や交換の対象となり、23歳のナディアさんは性奴隷と
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バハールの涙(2018年製作の映画)

4.5

鑑賞後はそれ程ではなかったのだけれど、この後『ナディアの誓い - On Her Shoulders』を観て泣いてしまったのは本作のお陰だと思い、もう一度観たら少し違う映画に思える気がしている。

イラ
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ジュリアン(2017年製作の映画)

4.4

怖い映画ランキング暫定1位。そして、どっと疲れたわー。ストーリーはシンプル、というより結構リアルで、こういうことってあるかもしれないと思ってしまう(本作のテーマがそもそもダメな人は楽しめないかも)。>>続きを読む

スパイネーション/自白(2016年製作の映画)

3.8

『共犯者たち』と同じく、チェ・スンホ監督と非営利独立メディア「ニュース打破」取材班による韓国の北朝鮮スパイ捏造事件の真相を暴いたドキュメンタリー。

ソウル市の公務員が北朝鮮のスパイとして逮捕されたが
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共犯者たち(2017年製作の映画)

4.0

イ・ミョンバク(李明博)とパク・クネ(朴槿恵)の韓国政権による約9年間の言論弾圧の実態、これがフィクションでなくドキュメンタリーというのが凄い。

公共放送局KBSや公営放送局MBCをターゲットに、メ
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空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯(2015年製作の映画)

4.0

日藝生企画・運営の映画祭「朝鮮半島と私たち」にて鑑賞。日本統治下の朝鮮で生まれ、立教大学、同志社大学に留学し、27歳で非業の死を遂げた韓国の詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯を、独立運動に身を投じた>>続きを読む

旅するダンボール(2018年製作の映画)

4.0

界を旅してダンボールを集めては、それを材料に財布やカードケースなど作り、Carton(カルトン)というブランドまで立ち上げた島津冬樹さんを追ったドキュメンタリー。

彼の人柄にあわせるかのようなポップ
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選挙に出たい(2016年製作の映画)

4.0

中国から日本に帰化した李小牧(り・こまき)さんという方が、2015年の新宿区議選挙に立候補した模様を記録したドキュメンタリー。自分が、ひょっとすると過半数の日本人が良くわかっていない「民主主義」とは何>>続きを読む

真っ赤な星(2017年製作の映画)

3.8

<14歳少女と27歳女性。孤独を抱えるふたりの、交わることのない愛の日々がつづられる>(公式ウェブ)。自分的想像力を鍛える度高めの映画と思っていたら上映後、予想外に井樫彩監督を交えたトークショーがあっ>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

死とは何か、自分の存在とは何か、というようなことを考えてしまうけれど、解釈は人それぞれで良い的な、多くを語らない映画。

音楽の仕事をしている男Cと妻のMは、田舎の一軒家で幸せに暮らしていた。ある日C
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彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

3.8

男2人、女1人の三角関係なのだけど、同性愛と宗教、ドイツとイスラエルの関係がからみあい、ややこしい。主人公でケーキ職人のドイツ男とイスラエルの妻子ある男、ドイツ男とイスラエル妻の関係が描かれる。

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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.5

<あそこ(ハリウッド)の丘の上にある豪邸では実際にどんなことが起こってるのかなあ>というデビッド・ロバート・ミッチェル監督と彼の妻の疑問をもとに、セレブとアーティストたちが暮らすロサンゼルスの街シルバ>>続きを読む

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

4.0

"正常"な者と"異常"な者のズレや行き違いにより、戦争の愚かしさが面白おかしく描かれる寓話でコメディ。「毒を以て毒を制す」じゃないけれど、戦争の狂気を浮き彫りにするともに、それに対抗するは狂気しかない>>続きを読む

白夜(1971年製作の映画)

4.0

原作のドストエフスキーについては名前を知っているくらいで、ロベール・ブレッソン監督については全く知らない。しかし、本作を観てネットでググっていくうちに、両者に凄く興味が出てきた。

ユーロスペースの作
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

3.5

台北でひとり暮らし、「ジョニーはそこにいますか?」という間違い電話を何度も受ける若い女性シュー、車で生活する中年男のフォン、人と交われない少年リー。都市で生活する人びとの孤独を描く。

途中、色々ある
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ピッチ・パーフェクト ラストステージ(2017年製作の映画)

3.0

映画観始めの頃『ピッチパーフェクト2』を観て、その後レンタルで『ピッチパーフェクト』も観た。今にして思えば元気だった…。

シリーズ通して、ストーリーは大して面白くない気がするけれど、これまではアカペ
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ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年製作の映画)

3.7

自分も大いにハマった『バーフバリ』が大ヒットした2018年、20年前に公開されインド渡航者、南インド料理店の増加の要因となったという本作がリバイバル上映。
(https://tokushu.eiga-
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.7

ファンタビ、お前もか…。「ハリー・ポッター」シリーズ映画だけど、前作は同シリーズに興味も知識もない自分でも楽しめた。しかし今作は、何か凄いことが判明しているようだけどハリー・ポッター知らないと「?」な>>続きを読む

ギャングース(2018年製作の映画)

3.8

「タタキ」(窃盗、強盗の隠語)とか「半グレ」(暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す集団のこと)という言葉、知らなかった。原作は同名のコミックは未成年犯罪者を取材したルポライターの鈴木大介氏がストーリーを共>>続きを読む

ジャイアンツ(1956年製作の映画)

4.1

「午前十時の映画祭9」にて鑑賞。『シェーン』のジョージ・スティーヴンス監督作品で、本作撮影後、交通事故により24歳で亡くなったジェームズ・ディーンの遺作。第1次大戦後1920年のアメリカ、テキサスで広>>続きを読む

ぼけますから、よろしくお願いします。(2018年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリー制作に携わるテレビディレクター信友直子監督は、結婚せず仕事に打ち込んでいたが、45歳で乳がんが見つかる。そんな娘をユーモアあふれる愛情で支える母。病を乗り越えた信友監督は両親との思い出>>続きを読む

いろとりどりの親子(2018年製作の映画)

4.0

自閉症、ダウン症、低身長症、LGBTといった「違い」を抱えた子どもを持つ6組の親子を取材したドキュメンタリー。アンドリュー・ソロモンが10年をかけ300以上の親子たちのインタビューをまとめた「Far >>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.8

アメリカとメキシコ国境地帯における麻薬戦争の実態を描いた『ボーダーライン』の続編。3部構成との説を見たけれど納得かな。

前作はFBI捜査官ケイトが視聴者代表で、法が通用しない麻薬戦争の現実をリアルに
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.0

極寒の南極観測基地という逃げ場のない舞台。氷の世界で眠っていた物体Xがあるきっかけで目を覚ます。物体Xは接触した生物に同化する能力を持っていて、このままではおよそ2万7000時間で地球上の全人類が同化>>続きを読む

マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

3.0

観る人を選ぶ映画だったかな。終了40分前までのスローな展開に何度もウトウトと…。前情報を入れずに漫然と観てしまったせいか、途中までストーリーが良くわからなかったけど、思い切り単純だった。

愛する妻・
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.0

過眠症で引きこもり気味の寧子は、ゴシップ雑誌の編集者で、恋人の津奈木の部屋で同棲している。彼女は自分の感情をうまくコントロールすることができず、彼に当たり散らすけれど、彼は感情を荒げることなく、彼女に>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.8

ヴェノムがスパイダーマンの宿敵とか知らずに、「夫婦50割」案件だし、ただ面白いアクション映画が観れれば良しの気持ちで鑑賞。

マーベルシリーズの細かい点はさっぱりだけど、話の大スジはひねり少な目で気楽
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.7

こういう「場」嫌いじゃない、というより好きかも。若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクション。若松監督は教えてくれないどころか、よく怒るうえ理不尽で腹の立つことばかり。しかし「映画で世の中をぶっ壊>>続きを読む

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

3.5

一級の素材から毒を抜いて甘く味付けし、消費しやすくした映画、という印象。一番は金儲けという製作目的の限界かな。未読の原作本(Kindle版をポチりました)のことを知ることができたのは大きな収穫だったか>>続きを読む

⼗年 Ten Years Japan(2018年製作の映画)

3.0

製作費わずか50万香港ドル(約750万円)の単館公開作品ながらも口コミで評判が広がり、上映館が6館に増え、興行期間は香港映画としては異例の8週間に伸び、興行収入600万香港ドル(約9200万円)に達し>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.8

韓国のバイオレンスアクション映画。ある特殊な施設で育てられ、8歳の時に逃げ出し、助けてくれた酪農家の娘として育った少女が…。

ありがちな設定で、わかりやすい展開ながらも、圧倒的な力に対する畏怖みたい
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第三世代(1979年製作の映画)

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ニュー・ジャーマン・シネマの担い手ライナー・ベルナー・ファスビンダー監督作品の上映があり鑑賞。『13回の新月がある年に』の感想で書いたけれど、ニュー・ジャーマン・シネマもファスビンダー監督のことも知ら>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

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無謀にも難解な映画に突撃し、あえなく撃沈(寝落ち)するといういつものパターンに。よって内容はあまり理解していないけれど、救いのない物語だということくらいはわかった。

そもそも監督のライナー・ベルナー
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