chikudamaxさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

4.0

田中泯自身が芸術作品である。
犬童一心監督の優しい眼差しがドキュメントで包み込み、田中泯の人生を踊りと共に浮き彫りにしてゆく。

伯爵(2023年製作の映画)

3.4

独裁者にあり得そうな思惑が、肥大した世界観に吸血鬼という存在感を同化した虚構。そのエログロ感が全編を覆う物語は、ありそうであり得ないジレンマに引き込まれる。笑えるか笑えないかはさて置き、吸血鬼映画の刹>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.2

カメラワークの秀逸さもさることながら、美術セットや人物の動きや大勢のエキストラたちの演出まで非の打ち所がない。ネトフリが巨額の予算で豪華俳優陣に散財する作品の多い中、作品そのものにお金を注ぎ込んだクオ>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.8

シュールすぎるカリウスマキ監督。何故か病みつきになる監督のひとり、この空気感にまとわりつくクールで朴訥なスタイルがたまらない。この世界観は喜劇と悲劇が交差するコレスポンダンスそのものだ。

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.9

僕たちは確実に年を重ね、老人たちの仲間入りをする事になる。その終焉をどう締めくくるのかは、人それぞれの歩みによって違う。デビット・リンチにとっては異質かと思えた本作品も、彼にとってはその歩みの道程にあ>>続きを読む

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.6

クローネンバーグも真っ青、リンチも凍りつく。愛のコリーダの変愛を超えたカルト、塚本晋也監督の才能が爆裂。これ以上の気持ち悪さと奇怪さは他に類をみないだろう。唯一インディーズにありがちな、コミカルで早熟>>続きを読む

BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

3.1

塚本晋也監督の世界観が、モノクロームの映像と共に独特でフォトジェニックな画に日本のヌーベルバーグを感じた。しかしながらインディーズの域を抜けきれてないのが残念。素晴らしいキャストたちの中にあって、唯一>>続きを読む

ハンガー(1983年製作の映画)

3.8

映画館で見た記憶があるもののストーリーが思い出せなかった。
ボーイとドゥヌーブとサランドンというキャストが凄い強烈な印象を残すものの、それ以外は思い出せなかった。バウハウスのトップカットは好きなバンド
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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

4.5

気高い者たちの憐れみの狂想曲にのせて物語は流れる。ティルダ・スウィントンの透き通る青白き肌感が、いっそう吸血鬼を思わせる。1世紀に満たない人生が物足りなさを感じる様なラブストーリー
。深夜に冷えたBl
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デニス・ホッパー/狂気の旅路(2017年製作の映画)

3.1

デニス・ホッパー、彼の存在感の大きさは計り知れない。
イージーライダーから始まる彼の映画人生は、才能と狂気に満ちた世界だった。

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.8

たわいもない会話がモノクロームの映像の中、コーヒーとタバコで弾む。僕はタバコを辞めてから10年以上経つが、タバコの効能というやつは未だ肯定的だ。煙をくねらせ思惟し、会話する時間は無駄な様で大切なひと時>>続きを読む

Valimo(2007年製作の映画)

3.2

4分の映画⁈Bicoの5分のドキュメントもそうだが、情報量とか映像と音とが凝縮されたアキ・カリウスマキ監督のタッチが見どころ。日本の大手広告代理店がCM制作丸投げしそう!vimの様に。笑

ラッキー(2017年製作の映画)

4.1

少年の様な老人、いや老人の様な少年とも言えるのか?ハリー・ディーン・スタントンの存在感がこの映画のすべてであって、最高の遺作である。パリ・テキサスでみせた哀愁漂う男の役は、彼以外には演じきれなかっただ>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.3

この素朴さは別の一面を持ったアメリカ西部開拓直前を背景にケリー・ライカート監督らしいタッチで紡がれている。彼女の作品にはいつもアザーサイドのアメリカが描かれ、西部劇のような姿はここにはない。アスペクト>>続きを読む

天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

2.2

クリエイティブとは?広告的なものは胡散臭さが介在するが、それが資本主義の物欲から生まれるものなら欲求の創造といえる。社会主義や共産主義から生まれたものであればそれは生への懐疑的な創造なのかと。誰もが持>>続きを読む

ジャヌスとサムの酔っ払い道中(2023年製作の映画)

3.6

壮大な景色とは裏腹なストーリーとキャスト。微笑ましくもあり、切なくもあり、どうでもよくもある。嫌いじゃない不思議な作品は心のどこかにこんなもんだよと思わせる。理想とかは現実に必要のない世界にこそ存在す>>続きを読む

Bico(2004年製作の映画)

3.7

妖精の様な村人たちの暮らしと山々に閉ざされた村。素朴というよりもシンプルすぎる人々の営みは、アキ・カウリスマキならではの視点で綴られたドキュメント。

破局(1961年製作の映画)

3.1

小さな災難が積み重なり、大きな災難に。よくある些細なトラブルが連続し、コミカルに流れるお芝居が微笑ましくもあり切なくもある。ピエール・エテックスの演出、演技が喜劇の王道のようなプリミティブさを味わえる>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

日本映画の中で久しぶりに出会えた秀作。日本ではあまり見られない柔らかなトーンと唸らせるロケーション、岸井ゆきのの演技と三浦友和の存在感が素晴らしい。もうひとつのパーフェクトデイズ的な作品、やはり悲哀を>>続きを読む

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

3.2

いつもながらのケリー・ライカート作品、たんたんと流れる日常。ミシェル・ウィリアムズの素朴な演技が魅力的でラストシーンがまたじんわりと余韻を残す。

あなたを抱きしめる日まで(2013年製作の映画)

4.0

スティーブ・クーガンとジュディ・デンチの名優が織りなす実話を元にした作品。シリアスな問題のストーリーをユーモアを織り交ぜながら綴るセンスと知的さが、いかにもイギリスらしい。ジュディの愛らしい老人役が微>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所広司のもうひとつの熱演作品。日本は映画というよりもドラマが凄い!この作品も映画ではあるがテレビドラマ的な秀作だと思う。海外でウケなくても日本では最高傑作なのであ>>続きを読む

東京画(1985年製作の映画)

3.7

ヴィム・ヴェンダースが小津安二郎をリスペクトしたドキュメント。そして、小津が描いた今はなき日本人の姿を探る。この頃の今というのも、もうひと昔前になるがパーフェクトデイズにみる日本人感もやはり悲哀に満ち>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.9

果てしない荒野を彷徨う人々の葛藤を綴るケリー・ライカート監督の開拓時代のアメリカを題材にした作品。インディアンに導かれ、疑心暗鬼になってゆく家族たちは先の見えない不安をだかえ、不毛の地をどこまでゆくの>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

何か背景にあるものに乗せられた感が違和感を募らせる作品。TOKYO TOILETというプロジェクトとかもともと商業ベースから始まった企画。潤沢な予算のある自主制作的な映画、しかしそこは巨匠ヴィム・ヴェ>>続きを読む

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)

4.5

レース映画はストーリーに詰めが甘い作品が多いが、この作品は完璧なほどに実話に忠実かつ映画として最高の仕上がりになっている。クルマ好きの自分にとってはよくもこんな博物館入りの名車をあつめたなと感心するば>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

年始に見たくなる映画。人類の創生と終焉、輪廻、そして今や現実となったAIの未知数的な問題点。
映画とその原作が早すぎたかのような現在社会に響く作品。CGも合成もない時代に美術セットで構成されてゆく本編
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.7

不毛の大地で繰り広げられる人間の欲望と退廃の宴、そして儚さで綴られる。逞しくもだらだら生きる人間模様、雨に侵食された大地の様に泥沼化した様子は人々の心象を表すかのようだ。B&Wの映像の粒子感がマイナス>>続きを読む

猿の惑星(1968年製作の映画)

4.2

大晦日から元旦にかけて見る映画。これは映画史上最高の傑作、ラストシーンに愕然とした人も多かったかも知れない。新年に人類とは?と想いを馳せてみるのも良いかも…。

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.1

大晦日の昼下がりに見るせつなくも微笑ましい作品。ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンがビリー・ワイルダー監督によって最高傑作へと仕立てた名作。

駅 STATION(1981年製作の映画)

3.6

年の瀬になると思い出す映画のひとつ、健さん三昧と昭和を堪能する郷愁の名作。倍賞千恵子と高倉健の居酒屋のシーンが艶やかな男と女を表現した名場面。紅白と八代亜紀の舟唄が沁みる。俳優陣が素晴らしく、昭和ノス>>続きを読む

君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

3.4

老人のロードムービー、ティモシー・スポールが特殊メークなしの老人役を熱演。イギリスの大自然を背景にバスを乗り継ぎ、様々な人たちと出会い旅する。老人の終活ストーリー、人は老いに対してどう向き合い最後を迎>>続きを読む

青い春(2001年製作の映画)

3.4

R.I.P.チバユウスケ。
全編に流れるミッシェルガンエレファントの曲が、この作品の厚みを増してゆく。シュールなティーンエイジャーの葛藤ともがきを描く。松田龍平と新井浩文の若さと狂気の妖艶が、いい意味
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.6

ビーガンにカニバリズム、おもいきったブラコメ。世の中の動きを逆手に取ったストーリーが笑える人とそうでない人とに分かれるのかも。それでも差別感のない人間模様を描いていて、問題を問題としてではなくあるある>>続きを読む

アウトサイダー コレクターズ・エディション/アウトサイダー ディレクターズ・カット版(2005年製作の映画)

3.9

正統派不良映画の金字塔、振り返れば思いだされる良き時代の悩める不良たち。もがき苦しむ若者たちをコッポラ流に紡ぐ。

I won't forget
when you said to me ”stay g
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