chikudamaxさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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シングルス(1992年製作の映画)

3.4

映画を観た記憶が思い出せなく、もう一度観てみた。サントラは持っていて選曲が最高でこの頃クルマでよく聴いていた。90年、91年はロンドンとNYに居たこともあり、マンハッタンではサウンドガーデン、マッドハ>>続きを読む

ドラッグストア・カウボーイ(1989年製作の映画)

3.8

公開当初はカッコ良さに酔いしれた記憶があり、いま観てもやっぱりスタイリッシュでカッコいいドラッグムービー。汚れた青春の成れの果て、といった感じだがマットディロンのホッとした表情で物語は安堵に満ちた終焉>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.9

相変わらず朴訥で不器用そうな登場人物の面々、独特の間合いと飾りのない雑多な背景。男と女ってこんな単純でいいんじゃない的なラブストーリー。哀愁が漂う役者たちの演技やパブで歌うジョー・ストラマーの悲哀を奏>>続きを読む

エレファント(2003年製作の映画)

4.0

柔らかな日差しがふりそそぐなか、ベートーヴェンのしらべにのってストーリーは流れる。平穏な学園ドラマが始まるかの様に、生徒ひとりひとりの視点を変え追ってゆく。そして…、この衝撃的な事件をここまで上手く描>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.9

どこか中途半端で生ききれてない登場人物たち、ロードムービーのようでそれも中途半端。そんなイケてない面々をクールに描き、観ているうちに引き込まれてゆく不思議な感覚。アメリカの別の側面から紡ぐ作品、アンチ>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.1

シリアスな問題を明るく描ききった本作、まだまだ問題はあるものの女性の明るい未来を感じた。

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.0

少年の心はいつの時代もシンプルだ。楽しいか、カッコいいか、憧れの対象は様々だが、満たされない気持ちは何処に向けられているかは計り知れない。
スティービーの眼差しは何を追いかけ何を捉えたのか⁈初めての孤
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ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)

4.1

歳を重ねて大人の男と女になった二人、見た目もそれなりにヤレていい感じ。長回しのカメラが彼らの即興とも思える会話のキャッチボールを捉える。そのスタッフの緊張感とは裏腹にリアルな演技を奔放に演じきる二人。>>続きを読む

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.0

9年の歳月で本当に歳を重ねた二人が、パリの街を背景に再び長尺の会話のキャッチボールを始める。
少し大人になった二人のラブストーリーのゆくへは…。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

ウィーンという街を背景に男女が恋に堕ちてゆく。初々しいイーサン・フォークとジュリー・デルピーが、長回しのカメラの前で見せる演技が素晴らしい。ワクワクする様なラブストーリー。

まわり道(1974年製作の映画)

3.4

まったく無意味なまわり道であり、その世界観に振り回される感覚が狂おしい。そして、その風景と登場人物たちの心象が重なり虚無感が全体を支配する。ヴェンダースならではの作風。

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.2

冒頭の工場の煙突が高度成長期を象徴する。日本の小さな家や足の短い日本人の体型を、大きく見せるローアングルはその効果だけではなく独特の世界観を織り成している。ドラマという枠を超えた芸術作品へと変貌する小>>続きを読む

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.0

これほど情報量の多い映像でありながらシンプルな構図に、計算された美術セットや小道具がさりげなく、またセンス良く配置されている。そして、ポートレートのような人物のアングルがそれらに負けないくらいの強さで>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

3.8

親としての矛盾、男としての矛盾、女としての矛盾、日本人としての矛盾。小津が問いかけるものとは?古き良き時代とはいっていられないのは、いまの時代だからなのか。封建的社会から奔放的社会の日本人という危うさ>>続きを読む

お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.0

常に計算された構図とセットの配置に背景、役者は小津のリモートコントロールのように動く。女たちが列車の旅に出るシーンでは、揺れていない車内を役者自ら身体をリズミカルに揺らす。それはまるでミュージカルの様>>続きを読む

秋日和 ニューデジタルリマスター(1960年製作の映画)

4.1

時代を超越できない封印された作品、それが小津ワールド。アグファカラーの色合いがこの時代を夢の様な世界に誘う。古き良き日本の清楚で格式のあるプライドが、戦後に失われた尊厳を取り戻すかのように描かれる。

スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.9

最近は超能力者の話題を聞かなくなった。70年代あたりはユリゲラーなどテレビや雑誌などで取り上げられる事も多かったが、昨今では映画やドラマではあるものの実在の話はあまり聞かない。世の中にあってもAIなど>>続きを読む

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.9

この作品を初めて見たのが小学生の頃だった。あれから数十年経ち、あの怖さがトラウマなっていた。その頃はホラーの概念もなく、人が狂っているという容赦ない怖さだけが僕を震撼させた。
エクソシストやオーメンと
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.7

映像と美術デザインの独特な個性がウェス・アンダーソンの世界。
お伽話を見るようなストーリーに引き込まれる。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.7

映像作家のバイブル的な作家タルコフスキー。視覚聴覚に刺激する脳内麻薬的映像、ファッションポートレートの様な一コマや絵画の様な風景。計算されたかの様な光の変化に芸術的なセット背景。超常現象的な仕掛けにカ>>続きを読む

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

3.4

雑多な街並みを列車が縫うように走る。どことなく懐かしいノスタルジーな街並み。バイクの並走シーンが放たれた自由を感じさせ、とにかく食う、博打、喧嘩、チンピラの幻想。山師的な夢を追い、金儲けの話に明け暮れ>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.8

アンバーとプラスグリーンの色合いが、コンパートメントの世界を際立たせる。ミドルショットが多い車内のシーンはまるで自分がそこにいる様な錯覚をするほどの臨場感で見るものを魅了する。
僕が東ドイツベルリンの
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スワンソング(2021年製作の映画)

3.7

僕の仕事仲間にもヘアドレッサーの友人がいたが、今はもう帰らぬ人となった。ゲイの人たちは皆やさしく、センスがあって思いやりのある人が多い。僕の友人もそうだった。この作品は人として老いても最後まで尊厳を持>>続きを読む

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)

4.4

社会に対する反骨、奔放な精神に行き場のない世界。社会主義か資本主義か?そんな事はどうでもいい。断崖から落ちてゆく二人を止めることはできない。
ゴダールの最高傑作、いま観てもこの反逆的な逃避行感が刺激的
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

3.5

マンハッタンにいた時、WTCへは何回か行ったことがあった。日本に帰った数年後あのテロが起き、信じられない出来事に唖然とした。
多くの人が亡くなり、そのそれぞれの人生が奪われた。そんなNYの人たちの心傷
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.9

大自然の中で健気に生きる年老いて病を患う叔父と姪。周りから見ればふびんでならない中、その彼女は献身的に叔父の面倒をみながら農場を切盛りする。
人には運命的な定めがあって、逆らえない因縁的なものが介在す
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

簡潔にクールで庶民の暮らしを逸脱させる本作。アキ・カウリスマキ監督の強烈な個性にハマってしまう。またも3部作をいっき見してしまった。アンバランスな構成がバランス良くまとまってゆく不思議さに魅かれる。例>>続きを読む

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.9

純真無垢な少年少女の報われぬ恋が、不条理な大人社会の犠牲となってゆく。残酷で無情な世界は2人の真実の絆を引き裂こうとする。
抽象的にも思える映画だが、出口のない深い悲しみを抱いた作品。

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.0

精神病院なのか暗く冷たく感じる廊下、病室に彼女はいる。そして、その彼女が出産する子供が透明人間。この偏狭の世界に醸し出されるラブストーリー。盲目の少女と透明人間の刹那くも儚い恋とは、異質にも思える愛の>>続きを読む

東京裁判(1983年製作の映画)

3.9

日本はカルト国家だった事を忘れてはならない。今もその亡霊がこの国の政治の根幹に漂っている事も。新たな世界大戦の予感に唯一非を唱えることのできたはずの国が、その亡霊に虫歯回れている。

プライズ〜秘密と嘘がくれたもの〜(2011年製作の映画)

3.7

灰色の空と荒れた海が物語を象徴する風景。しかし、そこには無邪気な子供たちの心を打ち砕く悲しみが内包する。やりきれない想いと戦争という不条理な世界が、憂鬱な怒りと空虚な世界を醸し出す。

30年後の同窓会(2017年製作の映画)

3.7

人が戦争を作りまた戦争が人を作る。政治家は嘘つきで、我々は騙されて青春時代を搾取された。
アメリカは常に戦争をしている国で、どのゼネレーションも同じ苦しみを味わい英雄として空虚な勲章を授かる。考えさせ
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アウェイデイズ(2009年製作の映画)

3.3

ポストパンクと呼ばれた時代。不毛のロックシーンは、ニューウェーブへと移って行った。イギリスのロックシーンは瞬く間に精神性の高い内向きのロックへと変貌する。その音楽はSmithやJoy divisonな>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.0

美術セットやロケーションの素晴らしさは、カメラワークによってより輝きをまし、ウェス・アンダーソンの独特の世界観は、子供と大人の世界を究極のハイブリッド・ファンタジーへと導く。

白い暴動(2019年製作の映画)

3.9

この作品、なんと世界で日本が最初の劇場公開国。編集や構成がよくできたドキュメントで、この頃のイギリスを象徴するレイシズムや不況で揺れ動く社会を描いている。また、クラッシュが歌う白い暴動がラストで10万>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

4.0

60年代のイギリスを象徴する若者文化の最先端、広告やファッションの花形フォトグラファーを主人公に空騒ぎ。なんとも不思議な世界観に誘いながら狂気と紙一重なシュールで退廃的な物語。
ジェフ・ベックとジミー
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