豚肉丸さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

4.7

色情狂の女性が自分の過去を語るお話

念願だったディレクターズカット版をようやく鑑賞できたものの、本編を見たのがかなり昔なのでどの場面が追加されているのかは分からず。それでもやはり飽きさせない面白さが
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Tuesday(原題)(2015年製作の映画)

4.1

火曜日なので亡くなった父の家に訪れるお話

『アフターサン』と共通して徹底的に説明的なセリフや動きが省かれているのが良い。唯一の説明的なセリフは「火曜日だからお父さんの所に行ってくる」それだけであり、
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永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.8

結婚式を挙げる直前に妻の浮気がバレて最悪な空気になってしまうお話

濱口竜介監督の作品にしてはストレートすぎるように感じられた。確かに根底としては「相手を理解すること、偽ること」と濱口作品に共通して見
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パッション(1982年製作の映画)

4.2

映像の光の加減にこだわる監督のせいでなかなか映画撮影が進まないお話

ゴダールにしてはストレートなグダグダ映画撮影劇。レンブラントの『夜景』を再現しようと試みながらも光の加減に納得がつかない監督のせい
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怒りの日(1943年製作の映画)

4.3

魔女狩りが横行していた時代、豪邸に住む妻は前妻が遺した一人息子と心を通わせていく...というお話

あまり尖ってはいないものの強烈な絵面も多くてなかなか面白い。
魔女狩りをテーマとした作品だが、「理不
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デュエル(1976年製作の映画)

4.3

太陽の女王と月の女王が人間になれると言われる石を獲得するため争うお話

面白いけど意味わからね〜!けど面白い!
男女の痴話喧嘩のようなスケールの話から始まり、突然神話のような規模に移る物語の流れが面白
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ホーボー・ウィズ・ショットガン(2011年製作の映画)

4.7

浮浪者のおじさんがショットガンを持って廃れきった街を浄化していくお話

滅茶苦茶面白い!!
やってることは無茶苦茶で悪趣味なゴア映画なのに滅茶苦茶金がかかってるしアクションとかカメラワークとかがバッチ
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Hare Krishna(原題)(1966年製作の映画)

-

ヒンドゥー教徒達のバレー・クリシュナを記録した映像。

特に何とも言うことがない。ヒンドゥー教徒の若者たちが歌を歌いながら行進するのみなので評価しようがないが、しかしベトナム戦争の最中であった1966
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Notes On The Circus(原題)(1966年製作の映画)

-

『ウォールデン』のリール2に収録されていたサーカスの映像と同じだったため採点不可。

しかしこう、サーカスのゴチャゴチャした雰囲気とジョナス・メカスの ゴチャゴチャした映像が噛み合わさっていて、ただサ
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N号棟(2021年製作の映画)

3.5

大学生の男女三人がホラー映画を撮るために廃墟と噂されている団地に訪れる。しかしその団地には不気味な住人たちが住んでいて...というお話

ビジュアルが良くて気になっていた映画ではあったのだが、公開前か
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薔薇の葬列(1969年製作の映画)

4.7

ゲイバーで働く美少年が恐ろしい背景を持った自分の出生を知ってしまうお話

滅茶苦茶凄い!!面白いとか云々かんぬん抜きにして、ただただ凄すぎる!!
壁一面に詰められるようにして貼られた『アポロンの地獄』
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Slow Torture Puke Chamber(原題)(2010年製作の映画)

4.0

悪魔の子を妊娠したポルノ女優がアブノーマルな行為に走るお話...?

ボミット・ゴア・トリロジーの完結編。なんか感想を見てたら「前作に比べたらかなりゴア減っている」的な文章が目に見えたので、前作と比べ
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Beats(原題)(2019年製作の映画)

4.8

レイヴが違法だった頃のイギリスにおいて、人生に閉塞感を覚える少年二人は別れる前の最後の思い出作りにレイヴに参加しようとする...というお話

普段あまり観ないジャンルの青春音楽映画だが、大好きなフォロ
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ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ(1985年製作の映画)

4.8

三島由紀夫が書いた小説を織り交ぜながら何故彼が事件を起こすまでに至ったのかを描くお話

前からずっと噂には聞いていたけどやはり凄すぎてただただ驚くしかなかった。三島由紀夫の作品自体にまだ一つも触れてい
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楽園のこちら側(1999年製作の映画)

4.3

ケネディ大統領暗殺後、子供たちのメンタルを癒すためにジョナス・メカスがケネディ大統領妻子の元に訪れて夏を過ごすお話

一見すればただのホームビデオだが、背景が背景なだけにかなり重要な映像を見せられてい
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.5

1人の少女が凍死体で発見される。生前彼女と関わりがあった人たちが、彼女との出会いと別れについて振り返る...というお話

アニエス・ヴァルダ監督の傑作とよく聞くが、確かに面白かった。
冒頭で結末が提示
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ヒエロファニー(2023年製作の映画)

4.2

娘を亡くした悲しみが癒えていないカウンセラーの元に神父が訪れ、「ある青年の悩みを聞いて欲しい」と依頼を受ける...というお話

これは...個人的に滅茶苦茶好きな物語と設定と演出ながらも、どうにもこう
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マイマザーズアイズ(2023年製作の映画)

4.5

事故で半身不随になったチェロ奏者の娘はVRゴーグルを用いることで、同じく事故で失明して特殊なコンタクトレンズで視力を取り戻した母と視界を共有し、徐々に母と娘は融合していく...というお話

とんでもな
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地球星人(エイリアン)は空想する(2023年製作の映画)

4.6

週刊誌記者の男はある街で起きたUFO着陸事件の取材を行うが、その事件には大きな闇があることが発覚して...というお話

コミカルなタイトルと導入とは裏腹に、想定以上の物を突きつけられる。物語が進むにつ
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ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

4.4

教室では疎外されて鬱憤とした憂鬱感を抱える少女はある時、万華鏡を手にする。すると不思議な少女が現れて、二人は徐々に心を通い合わせるようになる。夏休みの終わりも近づいてきた頃、「学校をダイナマイトで爆破>>続きを読む

Wet Sand(原題)(2021年製作の映画)

4.6

記念すべき1000本目。

閉鎖的な小さな町である男が自殺をする。それを機に村の様子は変わり始め、少女は自殺をした男の孫娘に恋をする...というお話

まさかのとても良い百合映画だった!
舞台となるジ
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これは映画ではない(2011年製作の映画)

4.3

イラン政府から映画製作を禁じられた監督が何とかして映画を撮ろうとするお話

まさに現在進行形で新作を撮っては拘束されを繰り返している、未だに未解決の問題を取り扱った作品。
カメラとスマホの映像を織り交
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ブランシュ(1971年製作の映画)

3.7

4人の男性から好意を持たれた結果悲劇的な事態に巻き込まれてしまうことになる女性のお話

男たちが勝手に事態をややこしく拗らせていく流れは面白いのだが、それでも常に男性からのセクハラと抑圧がメインとなっ
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ある夏の記録(1961年製作の映画)

3.8

「カメラの前で人は真実を語ることが出来るのか」という問いを設定し、様々な人達に人生や生活について語ってもらうお話

正直言えば劇中の殆どがインタビューと議論で占められているため映画的な面白さは無く、劇
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ブラック・テロ/殺戮指令(1988年製作の映画)

3.5

研究所を占拠したテロリストによって人間を凶暴化させるウイルスが田舎町に広められてしまう!事態を収集させるため、サーチ・アンド・デストロイ部隊が動き出す...というお話

明らかに高校の校舎にしか見えな
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ラバー(2010年製作の映画)

4.6

タイヤが念力で人を殺すお話

カンタン・デュピュー監督の代表作。前からずっと噂には聞いていた映画であったものの、本編は予想以上のシュールさで大満足。
本編内で説明される通り、本作は「無意味」に徹する。
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We're All Going to the World's Fair(原題)(2021年製作の映画)

4.0

孤独な少女が「万博チャレンジ」と呼ばれるインターネットの都市伝説に挑戦し、自分の身体が変化していく様子を捉えるお話

このあらすじだけ聞けばなかなか面白そうなホラー映画に思えるが、残念ながら予想される
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Truth or Dare?: A Critical Madness(原題)(1986年製作の映画)

3.5

自分の妻が不倫している姿を目撃した男が狂って殺人鬼になり、周りの人達を次々にぶっ殺して回るようになるお話

典型的な80年代のSOVホラー。尖った部分はあまり無く、展開も何もかもがかったるく物語が動き
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すべては突然に(2022年製作の映画)

3.3

「人生は瞬間の積み重ねなのだ」と語る男のお話

画面分割や映像を重ね合わせる手法を組み合わせることで物語を語ろうとするアイデアは面白いものの、いまいち物語に乗り切れないまま終わってしまった感はある。無
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シノニムズ(2019年製作の映画)

4.2

家族にも無断でイスラエルから脱走してフランスに逃げ、生まれ変わってフランスでの生活を送ろうとするが、それはとても困難で...というお話

『アヘドの膝』はあまりハマらなかったものの、本作はなかなか面白
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クワヘリ(1964年製作の映画)

3.8

「凄い技術を持った医者がアフリカにいるらしい」という噂を聞いた調査隊がカメラを持ってアフリカに訪れるドキュメンタリー映画。

アフリカの原住民族の文化を捉えたドキュメンタリー映画的な側面もあるものの、
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追憶のマカオ(2012年製作の映画)

4.2

映画監督の2人が幼少時代を過ごしたマカオに観光に行く。しかし観光の途中、友人から命の危機が迫っていると連絡が入り...というお話

ドキュメンタリーとフィルム・ノワールを掛け合わせた変な味わいのする映
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THE COCKPIT(2014年製作の映画)

4.6

音楽が出来上がるまでの様子を捉えたドキュメンタリー映画

HIPHOPのこともOMSBのことも何も知らない人間だったが、それでも滅茶苦茶最高な映画だった。
四畳半の小さな部屋で仲間と和気あいあいとした
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椿なきシニョーラ(1953年製作の映画)

3.8

ある映画への出演を機に一気にスターへと登りつめた女性が映画業界に翻弄されるお話

アントニオーニ監督作品をまだ1本も見たことが無かったためよく分からなかったのだが、ロマンスと同時にイタリア映画業界の内
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リヴァイアサン(2012年製作の映画)

4.8

漁業の様子をGoProで捉えたドキュメンタリー映画

大傑作!!
人間の主観視点と魚の視点、そして漁船そのものの視点など様々な視点に移り変わりながら漁業そのもののイメージをダイナミックに描き出すドキュ
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