豚肉丸

地球星人(エイリアン)は空想するの豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.6
週刊誌記者の男はある街で起きたUFO着陸事件の取材を行うが、その事件には大きな闇があることが発覚して...というお話

コミカルなタイトルと導入とは裏腹に、想定以上の物を突きつけられる。物語が進むにつれて徐々に明らかになってくる謎は普通にミステリーとしてもスリラーとしても面白いのだが、謎のその先まで辿り着こうとする物語がかなり良かった。導入以上の部分を話したらもうネタバレになりそうなので控えるが、これは かなり面白い!

主人公の終盤の思想には危ういものも感じて個人的にどうなんだと思ったのだが、思い返してみれば確かに納得。「正しさ」を一方的に断定する社会を批判して「人間」と「エイリアン」を区別しながらも、 同時にあのオチに辿り着く批評性が見事。章タイトルの背景のイラストもかなり不気味で良い。
タイトルとあらすじだけ見ればただのオカルト映画にしか見えないが、想像を遥かに超える物語で驚いたし、考える余地のあるメッセージ性も良い。
かなり面白かったのでオススメ!!


追記
鑑賞してから数日経ったけど、やっぱ危うい部分も持つ映画だよなとは思った。少なくとも無条件に肯定できるような映画では無いものの、ラストはその危うさを自覚した上でのオチ...だと信じたい。
豚肉丸

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