日下勉さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

日下勉

日下勉

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驟雨(1956年製作の映画)

4.5

いや、素晴らしい。
冒頭の良くわからない屁理屈を佐野周二と原節子の倦怠期の夫婦が互いに地味にチクチク互いに言い争うところから始まり、香川京子の姪が新婚旅行の夫の愚痴をこぼすところから、思わず本音が溢れ
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沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)

5.0

軍隊が住民を守らないのが、ホントに良くわかった。
やはり当事者の言葉は何より重たい。

この映画を観て、沖縄にいまだに基地がある事がどんな矛盾に満ちている事が良くわかった。

クロッシング(2008年製作の映画)

3.8

久しぶりに鑑賞。
どれだけ現実の北朝鮮の実態に即しているかはわからないのだけど、収容所のシーンのインパクトは凄い。
ただ今から見ると泣かせに来る演出が、やはり大仰な感も。
広大な草原、砂漠のロケーショ
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喜劇 とんかつ一代(1963年製作の映画)

3.4

下町人情コメディ風味だけど、ちょっとひねりが無いなぁ。
まぁ、面白くは観れました。

上野の弁天池の雰囲気はまったく変わっていないのに驚いた。

グラマ島の誘惑(1959年製作の映画)

4.0

アナタハン島の女王事件をもとネタにしたブラックコメディ。
コメディとして面白いというと戯画的に過ぎ、なかなかきわどい風刺も満載で決して観てて楽しい作品かというと、正直微妙なところ。
それでも森繁久彌の
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喜劇 急行列車(1967年製作の映画)

4.0

長距離特急列車の専務車掌の渥美清をめぐる群像劇。喜劇となっているが、ドタバタなものは無くヒューマンコメディといった趣。ベタなんだけど心臓手術を受ける少年と車内出産のシーンには、思わずホロリとくる。
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北陸代理戦争(1977年製作の映画)

3.5

思いの外大阪の組織を利用して抗争が進むところはポリティカルな印象で、そこはなかなか楽しめたけど、如何せん抗争自体が身内での争いに終始して地味な印象。
現実の抗争がモデル故仕方がないか。
この映画のモデ
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馬鹿が戦車(タンク)でやって来る(1964年製作の映画)

3.0

ハナ肇がタンクで村を縦横無尽に駆け回るところは痛快。
ただ如何せん物語は飲み込みづらい。
ホントはもっと哀しい話なんだけどもねぇ。

「粘土のお面」より かあちゃん(1961年製作の映画)

3.5

伊藤雄之助のキャラはどう見ても落語に登場する人物に思えてならない。
極貧のなか、最後は夜逃げまでするところまでになるが、なぜか滅法陽性で暗さは全く無い。
ところどころロケは有るが、ほぼセットでの撮影な
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警察日記(1955年製作の映画)

3.8

福島の田舎町の警察を舞台にした、人情味ある群像劇。
この町で起きる事件は万引きとか捨て子とかモグリの周旋による身売りとか、ほぼ貧しさに起因するもので、本来は重たい話なんだけど、警官たちの優しさで対処し
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はだしのゲン2(1986年製作の映画)

3.5

ゲンと戦災孤児たちの物語。
ゲンが勝子のケロイドを舐めるところは涙が出る。
仁義なき戦いのエピソードゼロなのかなと思いながら見てしまう。

はだしのゲン(1983年製作の映画)

3.5

原爆投下のシーンとその後の惨状の風景はトラウマレベル。
原作の漫画に比べると原爆その後のエピソードは薄めなのは残念。

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

3.6

熊井啓の演出はやはりちょっとくさいしテレビの再現ドラマみたい、それでも唐行きさんを正面から題材とした作品はやはり稀有。
そして田中絹枝の演技はやはり素晴らしい。

ゼロ・ファイター 大空戦(1966年製作の映画)

4.0

物語としてとても良くできていて、最後まで惹き付けられた。合理的思考の加山雄三と情熱だけの佐藤允の対比が良い。
夜間飛行時のプロペラの光具合、スコール時の飛行なども見どころ。

青島要塞爆撃命令(1963年製作の映画)

4.0

「底抜けに勇敢だ!」画面いっぱいのテロップに驚く(笑)

珍しい第一次大戦のドイツ軍の青島島要塞攻撃を舞台とした戦争映画。
史実とは大分違うという突っ込みは野暮と言わんばかりの、円谷英二の特撮がラスト
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ニッポン無責任野郎(1962年製作の映画)

4.0

いや~ホントにお調子者というより、ほぼ詐欺師(笑)
その植木等に周りが翻弄されて行く様が面白い。結末はなんでそーなるの?という出鱈目さも味なのかも知れない。
昭和30年代後半の自由が丘辺りの景色、銀座
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クレージー作戦 くたばれ!無責任(1963年製作の映画)

3.0

ハッスルコーラを飲んで、いろいろ元気になるのは良いのだけど、箱根のくだりは艶笑噺。ハッスル=セックスっていかにも昭和な短絡的発想。
東野英治郎が気持ち良さそうに入っているミニサウナみたいなもの。あのシ
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ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

4.0

いろいろ適当で雑なんだけど、細かいところはど~でも良いんだよ!っいうくらいの押しきりかたが、とても爽快。
由利徹のエロ親父のコメディ演技は何時も通りだけど、田崎潤が社長室でラジオの浪曲に気持ち良さそう
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逆噴射家族(1984年製作の映画)

3.8

劇中、狂気にとりつかれた小林克也が会社から自宅まで疾走するシーンが特に好き。
大袈裟な演技は、ハチャメチャなブラックコメディには丁度良い感じ。

カルト俳優とも言うべき有薗芳記の大活躍ぶりも見所。

高校大パニック(1978年製作の映画)

3.8

石井岳龍と澤田幸弘のダブル監督作品。
石井の熱量と日活の職人監督の澤田幸弘の微妙なアンバランスな感じ。それはそれで面白い。
受験戦争などの社会問題など無理やりとってつけたような理由付けがノイズではある
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ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年製作の映画)

3.0

やはり物語の畳み方の都合良さにがっかり感が残る。
ただ、途中の人が呆気なく死んで行くだろうと思わせる描写はなかなか皮肉が効いていて面白い。清水の病院の入院患者がゴジラが過ぎたと安心したところで尻尾が襲
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.0

とにかく映像が美しい。北関東の田舎の風景が素晴らしく、そしてそれに相反するような中学生のイジメ、万引き、売春などの暗い話。
1ミリも楽しくなく、むしろ不快なだけなんだけど、ずっと目が離せない。

正欲(2023年製作の映画)

2.0

主要人物たちを繋ぐfetishismがあまりに特殊過ぎて、正直よくわかりませんでした。途中からは、これはある種のコメディと思いながら鑑賞。新垣結衣と磯村勇斗が普通とは何?と疑似性交をするところは、失礼>>続きを読む

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.0

ゴジラマイナスワンがあんまりだったので、口直しにU-NEXTで鑑賞。
さすがにいろいろ突っ込みどころはあるものの、実に誠実な作り。ストーリーの運びに雑でいい加減なところは少ない。

今回見て気づいたの
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.8

松岡茉優、最高すぎる。
人とコミュニケーションがうまく取れない女の子の妄想と現実の孤独のふり幅ををこれだけの説得力を持って演じられるのは凄い。

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.5

鬱映画として有名な1本。
今までなんとなく見そびれていたのだが、U-NEXTに来ていたので視聴。
正直ミュージカルが苦手なこともあり、ちょっと乗れなかった。主人公のビョークがいろいろ不条理な不幸に見舞
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.3

もう何度も観ているけど、何度見てもポーランドのユダヤ人への迫害は壮絶。
ゲットーでの光景などは、当時撮られた記録フィルムから忠実に再現されているようで(NHKの映像の世紀で観られる)そのこだわりは凄い
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南極料理人(2009年製作の映画)

3.8

とにかくご飯が美味しそう。
南極ドーム基地で越冬するなんて、やはり大変なこと。食べることって大切なんだなと実感。

原作でもそうなのだけど、やはり豊原功補演じるドクターが一番の変人。

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

3.0

そういや、ホヤが苦手だったことを思い出しました。

安斎肇さんが声の出演されてたのにニヤリ。ホヤの歌を歌ってましたね(^.^)

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.0

銀座をゴジラが襲撃するシーンに随所に1954年版ゴジラへのオマージュがあり、しかも迫力満点のVFX。I'MAXの大画面で堪能するには十分楽しめました。

が、もうストーリーが実にいただけない。安藤サク
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人間の條件 第3部望郷篇/第4部戦雲篇(1959年製作の映画)

3.7

延々と陸軍内務班での初年兵いじめの続く三部と二年兵の上等兵となり初年兵の教育を担当し古参と対立する四部、そしていよいよ四部の後半はソ連軍の参戦。
陰湿ないじめは観ていてホントに嫌になる胸くそ加減。
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人間の條件 第1部純愛篇/第2部激怒篇(1959年製作の映画)

3.7

これだけのスケールの物語は、実に圧倒的。満州の鉱山での理不尽極まる中国人鉱夫への扱いに、労務監督の梶(仲代達矢)が抵抗すれど、孤立し追いつめられて行くのが、辛い。

鉄道貨車から、わらわらと這い出す中
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

3.8

ジャーナリズムが民主主義の基礎だとこの映画の女性記者は語るが、そういった理想だけでなく、しっかり視聴数などの経営も考えて強かに戦っていることに納得。
それでもいろいろしんどいんだなぁ。

どたんば(1957年製作の映画)

3.5

岐阜県御嵩の亜炭鉱で起きた長雨による水没事故と救出を描いた作品。
1957年のキネマ旬報年間ベスト7位。
まず石炭鉱と亜炭鉱が違うことを知らなかった。亜炭は炭素含有量が60%以下の純度の低い石炭で、家
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血槍富士(1955年製作の映画)

3.3

人情噺がラストで一転大立ち回りへ。
物語にどうも作為的なところが気にはなるが、このダイナミックな展開は面白かった。

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.9

とにかく尾野真千子の素晴らしさを堪能出来た2時間。
理不尽でもそっと抱きしめて「まあ、頑張りましょう」と言う。

これは「愛にイナズマ」でのハグに繋がっていくのかなぁ。

和田庵くん「ハッピーエンディ
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