えびちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

えびちゃん

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やさしくキスをして(2004年製作の映画)

3.5

甘美なタイトルとキーヴィジュアル、ただし監督はケン・ローチ。他作品より絶望度は低めだがまごう事なきケン・ローチ。ラブストーリーであるのに、やさしく甘くなんてあるはずもなく、相変わらず社会における弱者に>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.7

ジョーカーの予習!
こんな人いたらこわすぎる。妄想と狂気の境い目ってかなり大きいと思うのだが、パプキンのそれは全く見当たらなくってぞわぞわした。妄想と現実がごちゃ混ぜになる世界に生きていたら幸せだろう
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恋愛小説家(1997年製作の映画)

3.6

タイトルの甘みがヤダヤダ、キーヴィジュアルがベタベタでヤダヤダ、ヤダヤダ観たくない!と言っていたわたし。すみません、土下座します…。ジャック・ニコルソンの顔に馴染んでない笑顔が頭から離れん。
バーのお
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ディレクターズ・カット JFK/特別編集版(1991年製作の映画)

3.8

正義を貫き、真実を追い求めることは悪なのか。
アメリカ合衆国第35代大統領、ジョン・F・ケネディ暗殺の真相を追ったサスペンス。追求したのはケヴィン・コスナー演じるニューオーリンズ州検事ジム・ギャリソン
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悦楽共犯者(1996年製作の映画)

4.0

"欲望"に忠実に向かい合うことの恐ろしさよ…!
あれこれ手を尽くし、技術を活かし、想像力巡らせ、倒錯した性的快楽を得る者たちの群像劇。
序盤「ウワー(白目)」→→→中盤「ウワー(苦笑)」→→→終盤「ウ
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

4.0

おおおお、面白かった!!!まんまとミスリードしてしまった、すんごい計算しつくされたスクリプト!
保育園で行方不明になったバニー・レークちゃん。誰も見たことがないバニー・レークちゃん。写真も持ち物もない
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ポーラX(1999年製作の映画)

3.6

「世界を変えることができる」と驕った青年の逃避行と破滅。
光に祝福されたような青年ピエールと突然出会った姉と名乗る闇を一身に背負ったような美しい女イザベル。世界を変えると息巻き、全て投げ捨て姉と逃避行
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反撥(1964年製作の映画)

4.0

逃れられない悪夢を見ているようだった。ずば抜けたセンスのオープニングクレジットはこれから先を予感させる、不穏さに満ちていた。序盤は、おっ初期ゴダールっぽいな〜と思い油断してしまった…。観終えてしばらく>>続きを読む

アウェイ・フロム・ハー 君を想う(2006年製作の映画)

3.7

えげつない幕引きに絶句した。恐ろしいわ…。この切なくも温かみのあるタイトルと、バックハグする老夫婦の甘美なポスタービジュアルに、この作品は終焉にほど近い老夫婦の美しく切ないラブストーリーであろうと騙さ>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.0

電車のきしむ音、印刷機のまわる音、自転車の止まる音。懐かしい生活音が当たり前のように風景に溶け込む。日々の生活を営む音の粒の心地よさ。
生まれた時からふたり兄妹のように育った。一緒に電車で通学して、中
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VHSテープを巻き戻せ!(2013年製作の映画)

3.5

おっもしろかった!VHS収集オタクのみなさんやレジェンド的B級作品監督のみなさんからVHSの思い出、収集方法、フィルムからテープへの映像革命、アスペクト比問題、そして消えゆく物理的メディアへの思いを好>>続きを読む

一瞬の夢(1997年製作の映画)

3.7

微睡みながらみた一瞬の夢(寝ました)。
一緒に悪いことをしていた仲間は、さっさと足を洗い事業を成功をさせ結婚もした。兄は真面目に生き公務員になり裕福な嫁さんをもらった。自分はいつまでたってもだらだら生
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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.7

ウディ・アレンはほんっとうにストーリーテラーだな〜と唸る。
白黒のスクリーンの世界はなんて魅力的なんだろう。ひとりひとり粒ぞろいきらりと光る個性溢れる役者たち。スクリーンの中のハリウッドはまさに夢の世
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メトロポリス(1927年製作の映画)

4.0

" 心が、頭脳と手を結び付ける仲介者となりますように "
えー!なにこれすごい!1926年製作、1927年公開ですって?CGなんてもちろんないのに、限りある資材や技術、発想力・想像力だけで未来のディス
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.5

すっ、、素晴らしい!!!!!!あんまり圧倒されてしまい、赤くて綺麗、最後は青くて綺麗、みたいな偏差値の低過ぎる感想しか浮かびません…!命を失うことさえ厭わなかったふたつの愛の美しさと脆さ儚さを3時間浴>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.7

映画観るのイヤイヤ期で1週間かけ7回くらいに分けやっと観た。
ホラーよりスリラーより何よりこういう精神を少しずつ蝕まれていく様を見届けるのが最も怖いと思う。でもそれを観たいと思ってしまう自分の底意地の
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KIDS/キッズ(1995年製作の映画)

3.8

「チャリできた」みたいなお子共の刹那的な快楽の先にあるもの。
たった一度しかセックスしていないのにHIVに罹患しちゃった女の子と、何度も危険なセックスをしているのに陰性の女の子。厳しい対比だ。よくある
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季節の中で(1999年製作の映画)

3.7

ベトナム生まれ、アメリカ育ちのトニー・ブイ監督が、ベトナムの美しさに魅せられ綴った、"太陽に祝福された" ベトナムへのラブレターのよう。
裕福ではないが、素朴でひたむきな人々の営みの愛おしさ、美しさに
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.6

12歳くらいとは思えないほどか細い体躯と、その年頃とは思えないほど鋭い眼光。
レバノンの貧民窟で暮らすゼイン、たぶん12歳。親も自分も誕生日なんて知らない。出生届けも出ていないから。存在していないはず
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山椒大夫(1954年製作の映画)

4.5

映画とは芸術なのだなと改めて思わずにはいられなかった。
立ちこめる霧の濃淡、風に揺れる草木、太陽に反射する波、広がる水の波紋、白と黒の世界の無情なまでの美しさ。こんなに美しい死を見せつけられて平常心で
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青い棘(2004年製作の映画)

3.7

青い棘とは、若さゆえの繊細さと傲慢さ。
刺さったまま抜くことができなかったギュンターはタナトスに支配され、ボロボロの思考に身を任せて身勝手になにもかも手放した。棘を抜くことができたパウル。けれど占いの
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

3.7

透明感とヘルシーな瑞々しさに目がとろけた。甘酸っぱくて爽やかな青春映画。だと思って観たのにじわりと重くて、抱えきれない秘密と切なさにいろんな感情が溢れ青春の痛みを感じた。
まだ17歳の華奢な彼女が1人
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.0

めっちゃ怖くて中盤から後半にかけてはぶるぶるぶるぶるしながら観てた。妊婦さんは胎教に悪いから観ちゃダメ!!!!あんなぐいぐい家に入り込むジジババいたら怖すぎて居留守使いまくり折を見て引っ越す。っていう>>続きを読む

愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像(1998年製作の映画)

3.7

すごい見応え!不快、だけど圧倒された。けど絶対に人に勧められない!
画家フランシス・ベイコンとその若き愛人でミューズのジョージとの出会いから別離までを、まるでベイコンの精神世界・作品世界を映像でたどっ
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the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)

3.7

やっぱり好きだわ、ミランダ・ジュライ。保護猫パウパウを引き取るまでの30日間でソフィーとジェイソンが捨てたもの、課したもの。向き合わなければいけなかった2人がなんとなく避けたことのあとの始末。
時は止
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ブレインデッド(1992年製作の映画)

-

一度ビクッとなったところはあったのだけど、あとはもうずっと引き攣りながらもにこにこ笑顔で鑑賞。楽しかった!
スプラッターなのでグロいといえばグロいが作り物感100%だったので目を覆うこともなく。92年
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ブラックブック(2006年製作の映画)

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ユダヤ人にも善良な人間はいるし、そうでない人間もいる。レジスタンス活動している者も善良な人間もいればそうでない人間もいる。ナチであっても善良な人間もいるし、そうでない人間もいる。戦時下における複雑な人>>続きを読む

旅立ちの時(1988年製作の映画)

3.7

設定こそ特殊ではあるが、これといってドキドキハラハラしたり、大きなヤマ場があるわけではなくて、言ってしまえば地味。にもかかわらず、静かだけど、リバー・フェニックスと母親役のクリスティーン・ラーチの丁寧>>続きを読む

ユリシーズの瞳(1995年製作の映画)

4.2

アンゲロプロス監督の作品はわたしが映画に求める多くの要素をいくつも満たしてくれる気がする。素晴らしかった。言葉もないのだけど、忘れたくないのでなんとか捻り出す。理解しきれていない、もっと深めていきたい>>続きを読む

ムアラフ 改心(2007年製作の映画)

4.5

いろんなものが込み上げてきて放心。涙腺はもうとっくにおかしくなっていて、このまま抱擁されたままでいたかった。終わってほしくなかった。
あることで絶望し、信仰を諦めた中華系クリスチャンのブライアンと、あ
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

3.8

期待以上の面白さだった…!ブシェミとシーモア・カッセルをひたすら愛でるでこぼこバディもの。ブシェミ目当てだったけど、コミカルでチャーミングなシーモア・カッセルにも心奪われた。あぁもう2人とも最高に愛お>>続きを読む

夜明けの祈り(2016年製作の映画)

3.6

戦争が終わっても戦争は続く、ということをまざまざと思い知らされた。長い間明るみにでることなく戦争の裏に犠牲となった女性たちを思うと心が痛む。実話じゃないようにと祈ってたけど実話ベースと聞いてぎりぎりだ>>続きを読む

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

3.5

メッチャクチャ疲れた!!!!!ホラーを映画館で観るの初めて!というかホラー映画観たの初めて!体感は90分以上…というか実際90分以上ありましたよね?ぐったり。
現実と虚構がひっくり返る世界に何度も絶望
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.5

自らを “神の使者(スパイ)” と呼ぶ天使の顔した悪魔。素知らぬ顔して家に侵入し、のんびりと遊びに来たように金目のものを物色、置いてあったウィスキーを飲んで、レコードをかけて踊る。我が物顔でくつろぎ、>>続きを読む

ムクシン(2006年製作の映画)

4.5

初恋の情景を思い描けるだろうか。
雨の中踊る少女と、呼応するように車窓から手でサインを送る少年。オーキッド10歳、ムクシン12歳。少女は自転車に乗せてとせがみ、いつしか少年は少しでも乗り心地が良いよう
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グブラ(2005年製作の映画)

3.8

不安・苦悩はいつだって前触れもなくのし掛かってくる。喪失、絶望そして再生。わたしたちはいつも何かを喪って、絶望に陥って、それでもまた立ち上がって歩き続ける。大きな愛を内包した、でも襲いかかる不条理から>>続きを読む