Saitoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Saito

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Hell House LLC III: Lake of Fire(原題)(2019年製作の映画)

3.2

なぜか3作目が1番チープで怖くない。まあ楽しいホラーではあった。

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

冒頭から文脈無しの大量殺戮をするマッコールさんをマフィア視点で描いているようにかなり凶暴性が増した見せ方をしている。悪党を血祭りにあげるカタルシスのためのタメ、つまり悪党による悪行と痛めつけられるマッ>>続きを読む

Hell House LLC II: The Abaddon Hotel(原題)(2018年製作の映画)

3.5

前作と同じく薄暗がりにいて欲しく無いものがいる、というシンプルな絵作りが上手い。ホテルの主らしきものや悪魔または悪霊の意思のようなものも描かれているがちょっと茶番感が出てきてしまうので一作目よりはちょ>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.0

未だゼノフォビア色濃い70年代の西ドイツで剥き出しすぎる差別を受ける60代掃除婦エミとモロッコからの出稼ぎ労働者アリの恋愛ドラマ。常に他者からの冷たい視線に晒される辛さに耐えきれず「あなたと二人きりな>>続きを読む

藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.0

パッケージが信じられないくらいダサくなってしまっているBlu-rayで再見。
上映時に劇場で観たときほどの瑞々しさは無いものの思春期のあの感じが抑揚の効いた形で詰め込まれた素晴らしい青春映画。美しくシ
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.0

台湾版トレンディドラマ。濱口竜介が言うような今日的な問題意識に繋がるような見方は全くできなかったが、この時代特有の軽薄さとエネルギーには憧れや魅力を感じる。小気味良く、そしてベタなユーモア、よく考えれ>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.7

なんとも余韻のある映画。冗長で居心地の悪い映像が長時間続くがラストのシークエンスのための前振りと考えれば受け入れられる。
しかし想像の世界らしきものを織り交ぜる演出はあまり好きではなかった。現実に起き
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カクテル(1988年製作の映画)

4.0

若きトムクルーズの狂気を堪能できる。あらゆる過ちを正当化してポジティブな事象に転化していくガンギマリのトム。観終わった後のなんとも言えない虚無感がたまらない。

トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.0

これ必要か?というシーンの塊のような映画。全てがしょうもなく、しかも天然物の様相を呈しているが故に愛おしい。鑑賞後にジワジワとその良さが滲み出してくる不思議な映画。オチも嘘でしょ、という信じ難い脱力感>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.0

とんでもない手間をかけた見たことない映像。生成と崩壊を繰り返しながら流転する世界はまさに悪夢。悪魔的なラストも後味悪いが、ASMRみもある。計画性も無く、色んな国の公の場におけるインスタレーションとし>>続きを読む

ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

3.8

吸血鬼は全員キャラ立ちしているが、特にビルパクストンのハイテンションぶりが良い。ラストの急激な軽薄ささえ無ければ名作と呼べたかもしれない。エイリアンの出演者が3人も揃っていることを意識してのイースター>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.7

何をしてもこうじゃないと思ってしまう、しかし何ならしっくりくるのかは分からない。どん詰まりのスケールの小さいアメリカの風景と未来の無い若者の青春が深刻さの無いまま破綻していく。あんなのっぺりした世界で>>続きを読む

グレムリン(1984年製作の映画)

4.0

記憶の中のギズモはけっこうキモかったのだが今見るとめちゃくちゃ可愛い。グレムリンのバリエーションも豊かで楽しい。フィービーケイツは特に何もしてないがキュートなので印象に残る。

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

5.0

劇場で観ることができて本当に良かった。3時間近くの映画だが画面に緊張感が持続し続ける。その大きな要因はレスリーチャン。コンリーに向けられる嫉妬、京劇での妖艶な美しさ、ラストのシークエンスにおける極限の>>続きを読む

ザ・グリード(1998年製作の映画)

3.0

90年代テレビ映画性の塊のような作品。クリーチャーがCGで無ければ完璧だったのだが2000年代前夜の作品なので仕方がないのかもしれない。登場人物の見た目も全員アメコミのような分かりやすいルックスで、そ>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.3

ロードムービーとしては多少楽しかったがそれ以外は残るものが特になかった。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

宮崎駿の私小説として観るという型に嵌った見方をしなかったので全く訳のわからない凄い映画として楽しめたがパヤオとジブリの話として捉えてしまうと全ては急激に矮小化する。そんなの映画にしてどうすんだという意>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

キャラ立ちした主人公2人、特に奇妙な会話が小気味良い。下手したらジョンウィックよりコンパクトでシャープなアクションも素晴らしい。キービジュアルのダサさでかなり損している気がするが、日本の映画としてはか>>続きを読む

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

4.0

メディア批判という単純なものではなくその受信者も享楽的な主体として描いている。更にはそれを利用しようとしたものも破壊する制御不能な力としてのビデオドロームは、40年前ももそうだったのかもしれないがそこ>>続きを読む

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.0

香り立つ様なナルシシズムと退廃がどうしようも無い退屈を美しい映像に仕立て上げている。冒頭からtitanic barの長回しシーンまでだけでも観る価値があった。ハンガリーの炭鉱町がリンチの悪夢の様に息苦>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.0

エンドゲーム後のマーベル作品では最も良い。各キャラへの目配せもクロージングに相応しい細やかさ。ラクーンの件などはまさにそういうのだよなあ、という感じ。
しかし暴力に対する繊細さにはあいかわらず欠けてお
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セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)

4.0

「痛みを無駄にしないで」
どう頑張っても周りに溶け込めない、致命的な仕事での失敗、孤独、貧しさ、これらの痛みが無駄であるはずがない、という信仰がモードを支えると同時に狂気に導いてしまった。神も悪魔も自
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食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

4.0

とても挑発的で罪深い映画。このキービジュアルからしてミスリードになってしまっており、野蛮な食人族によるエログロカルトホラーとして消費しようとするとカウンターを食う構造になっている。前半の教授が慎重に原>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

初期作品だが既にカウリスマキ的作風は確立している。不器用な人々が淡々と有鬱な出来事を甘受あるいは乗り越えていくことの繰り返しだがどこかに物凄くささやかな希望がある。殺風景なロケーションと欧州の人々の質>>続きを読む

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

4.0

良い意味でスコセッシらしくない。次々に現れる奇妙な人々と降りかかる不運の連鎖。夜中に観るのに適している。

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.0

前作と同じく少年漫画文法の実写化という点ではいまだに抜群ではあるが、やり過ぎ感が鼻につくところも。折角最高のスタートを切ったのに欲を出して失敗する未来が見えて不安を感じる。脚本も前作には遠く及ばず、特>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

1.0

怖くもなければ中身もない残念ホラーだがなぜヒットしたのか。SNS宣伝がバズったってだけ?

赤線地帯(1956年製作の映画)

4.0

気軽に観たら非常に重い話だった。
赤線における売春宿の店主は「お父さん」であり店の女性は「子供たち」という疑似家族っぽい形態を取っていたようだが実態はあくまで支配の方法としての形式らしく、お前たちの味
>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.3

シンウルトラマンでは秀逸なキャラデザと巨大生物という非現実感、樋口監督による超カッコいい構図と演出によりなんとかなってた我が国特有のチープなCGは今回はただチープなだけに見えてしまった。
物語としても
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

4.0

宮崎駿本人は子供に向けたつもりなのかもしれないが実際には天才老人の純粋な狂気の塊に見える。明らかに不穏な存在であるポニョ側のキャラに、それらが引き起こす世界崩壊レベルの事象を全登場人物がすんなり受容し>>続きを読む

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.0

パチーノの視線コントロールが凄い。90年代のこの手の映画は映像の空気感が本当に良い。

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

5.0

改めて劇場で観るととてつもない。
前半のロマンチックなラブストーリーからの情け容赦無く本当に絶望的な沈没シークエンスを経ての抑制された儚く美しいラストで完全に心が奪われる。
板切れに2人乗れた問題はち
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.7

アキカウリスマキ、とまではいかないが良い映画だった。最初は完全にヤバいロシア人にしか見えないリョーカがどんどん良いやつにしか見えなくなるし、ラストはあれだよね、というのは分かりきっているのだが微笑まし>>続きを読む

健太郎さん(2019年製作の映画)

2.0

現実的な恐ろしさの話なのに役者の演技と脚本に現実味が無いので気を衒っただけに終わってしまった。

バタリアン(1985年製作の映画)

3.5

子供の時みてトラウマになったという人が結構いるのだが気持ちは分かる。