ウサミさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ウサミ

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いとみち(2020年製作の映画)

4.4

内気な女の子がメイド喫茶で三味線メイドとして大活躍!?
みたいな軽めのコミカルな映画かと思ったら、少女の精神世界を丁寧に描いためちゃくちゃ上質なドラマだった。

本作は、青春期の脆い感情や、半分大人で
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砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

4.1

“ヒーロー”を限りなく人間レベルへ落とし込んだ傑作になり得た作品


学園の“悪”といえば、おおかた「いじめ」であり、学園における守るべき者ったら大抵「好きな人」でしょう。

僕はハイパーアルティメッ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.5

例えば『キャプテン・アメリカ』はハードアクションと政治ドラマで、『マイティ・ソー』はファンタジー、『スパイダーマン』はポップな青春映画で、『ガーディアンズ』はお洒落なコメディ、みたいな。
MCUって個
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.1

清原果耶だけでお釣りが来る映画


作品のテーマやメッセージとしては、「まとも」や「普通」なんて言葉に過ぎない、みたいなこと。

「まとも」とか「普通」を俯瞰で見ることで、自分は普通じゃない!と信じた
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空白(2021年製作の映画)

4.2

なぜ誰も彼女を理解しようとしない?
じゃあ俺はしてたか?
多分してなかった

ここんところ2021年の日本映画を多く観ているんですが、「他人」というモノを理解不能なモノとして描く作品が多いなぁ、と思い
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.4

結局何やったん?な映画でした。

サスペンス小説家の新作が、フィクションかと思いきや現実なんじゃ?みたいな話。
小説の内容を映像で追うパートと、現実(作中での、“いま”この時点)がシームレスに切り替わ
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くれなずめ(2021年製作の映画)

4.2

悲しくて寂しくて切ないから、そうじゃないフリをするし、いつまでも忘れたくないから、忘れようとする

アカン、こういうのごっつ弱い。

でも“身内ノリ映画”みたいなのそこまで好きじゃなくて、そういうノス
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

4.1

監督:満仲勧
と見慣れない名前で驚きました。てっきり『緋色の弾丸』の永岡監督がコナン映画バトンを引き継ぐのかと思っていました。

コナンの開幕最大の華と言えるオープニングアクトにメリハリが薄く、テンシ
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.9

コロナ禍がもたらした2年の災厄はおそらくCOVID-19の病魔の蔓延だけではないはずだ。

ネットでの誹謗中傷など、外的要因に抑圧された日本人の“うみ”が、押し出されるように社会に吹き溜まり、大気に満
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

2.3

僕、観た映画には、(基本的には)全部スコアつけてるんですけど、別に作品の評価とかではなく、僕の中での「ハマったポイント」みたいなもんで、めちゃくちゃ主観的で、特に基準とかありません。
ただ、あとから見
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リング・ワンダリング(2021年製作の映画)

3.9

失われたのではない、ただ、目に見えないだけ

一本気なマタギVS伝説の狼
の漫画を描きたいが、どうしても狼の絵が描けない漫画家の物語。
かつて絶滅した「狼」をめぐって、主人公の草介の不思議な出会いが幕
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アジアの天使(2021年製作の映画)

3.9

妻を失い、喪失のまま一人息子と日本から逃げるように韓国へやってきた剛。
兄と仕事をするつもりでやってくるも、その事業が失敗。その日暮らしを強いられる事に。
主人公の池松壮亮とその兄オダギリジョーと、主
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.1

もう日本映画、Twitterと声で世論を表現するのやめにしない?

出版エンターテインメント。
「騙し合いバトル」とかアオリがあるもんだから、大どんでん返しとか心理戦みたいなのを身構えるけど、そうでも
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.2

ハナコ「みきちゃん、俺たちもう終わっちまったのかな?」
ミキ「…」


僕はいわゆる“一般的な”家庭に生まれ、“平凡に”育ちました。
スクスクと育ち、好きな場所や好きな人を見つけ、なんとか社会人になり
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あの頃。(2021年製作の映画)

4.1

中1か中2のとき、AKB最盛期でして、僕もにわかに夢中になっていました。
当時の僕には、「篠田麻里子」が光り輝いて見えました。

今泉力哉監督の映画は2本目ですが、動きや音の少ない画面に観客を引き込む
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.4

監督の絶妙なバランス感覚は伝わる。
「映画館を残そう!」とは思うけど、結局僕なんてシネコンで映画観てるし、TSUTAYAで借りてばっかだし。だからこそ、「映画館は素晴らしい!!」といっても、綺麗事だけ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

コロナで沈んだ世界に贈る、温かでハッピーな物語!

僕はアホなので「アカデミー賞受賞!!」と聞くと、きっとめちゃくちゃフェイトを抱えた家族が出てきて理不尽に巻き込まれて社会問題を突きつけられるんだ…!
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.2

嘘はただそこに在り、騙すのではなく騙される

ギレルモデルトロ監督の最新作!
舞台は40年代、世界が混沌としていた時代のカーニバル。
何らかの過去と決別した男、ブラッドリークーパー演じる主人公のスタン
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モービウス(2022年製作の映画)

4.1

力に呪われたダークヒーロー

『ヴェノム』でコレが観たかった!
コミカルなバディムービー調に舵を取ったヴェノムも、それはそれで魅力的ではあるのでしょうが、本作は、大いなる力を手にしながらも、その大きな
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マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.6

『バットマン』繋がりで、DC映画を掘り下げてみたいな、と思って鑑賞!

壮大で、カッコ良くて、決してつまらない訳ではない…
けど、なぜか世界観に没入出来ない作品だった。

映画としての壮大さが先行して
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

僕が過度に期待してハードルを上げ過ぎたのか、僕がバットマンに詳しくない上に思い入れも薄いくせに、なまじっか『ダークナイト』が大好きだからか、僕のような人間に向けて作られた映画では無いからか、根本的にこ>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.4

何かを信じるために、何かを疑う

何が善で、何が悪か?それを隔てるのは、ただ、人が何を信じるか、によるのかもしれません。

本作が、キリスト教などの宗教を裏テーマに描いているのは火を見るより明らかです
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.1

4年の月日をかけ、一人で製作した『ジャンクヘッド』という短編に、シーンを追加して編集したストップモーションアニメ。
制作のほとんどを監督が一人で担当し、映画版のスタッフも数名だそう。1秒あたり24フレ
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哀しき獣(2010年製作の映画)

4.1

自らの意思とは関係なく、ただ病魔に選ばれてしまったというだけなのに、凶暴化し、近寄るものを食い殺し、やがて、処分されてしまう。それが狂犬病。
本作のプロローグが観客に与える予感は、韓国ノワール特有の影
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屋根裏の散歩者(1992年製作の映画)

3.5

江戸川乱歩原作短編小説の映像化。
明智小五郎が登場する推理ものだが、本作は犯人の視点で描かれており、ミステリーというよりは、人間の内面性を掘り下げたサスペンスの様相が強い。

昔の文学にありがちな、世
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.0

痛快冒険活劇。とっても見やすいアクションエンターテインメントでした。
ナショナルトレジャーとかインディジョーンズを日曜洋画劇場とかで観たのを思い出しました。本作もまさにそんな感じ。

隠された黄金を探
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

人は言葉の真意を読み取ろうとし、その闇を暴こうとし、なのにそれに気づいてなお、見て見ぬ振りをする

本作は、非常に巧みに、言葉を繋いだ映画だと感じました。
本作のファーストカットからやけに意味ありげに
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逆境ナイン(2005年製作の映画)

3.9

熱血青春おバカ映画。
「全力でないものは死すべし」が校訓の全力学園、万年一回戦敗退の野球部のキャプテンである不屈闘志が、廃部をかけて甲子園を目指す話。
見所としては、甲子園をかけた試合、9回裏、112
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血と骨(2004年製作の映画)

4.3

血の繋がりという呪い

激動の時代の日本を生き抜いた朝鮮人たち。本作は、中でも、金俊平という、暴力と欲望に満ちた男の半生を描きます。

この金俊平という男は、粗暴で、傲慢で、理不尽です。他人というもの
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.4

荒唐無稽で、言ってみれば意味不明なのに、“らしさ”という曖昧なもので纏まって繋がった映像の連続に、心を打たれてしまいました。
ウェスアンダーソンの映画は、舞台、小道具、色合い、脚本、キャラクター、どれ
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.3

天才ハッカーとして退屈な日常を送っていた俺ですがどうやら世界をAIから救う救世主だったらしい件


仮想現実をテーマにしたSF映画であり、斬新なカットと想像力を最大限に活かしたスタイリッシュアクション
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リーサル・ウェポン(1987年製作の映画)

4.0

修士論文の審査会が終わったのでまた映画鑑賞の日々を過ごそうと思います。

メルギブソンとダニーグローバーのバディムービーは、凡庸なアクションといえばそうなんだけど、なぜか引き込まれてしまう独特な味わい
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ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.2

大学を出て、「教師」という、ブータンにおいて大きな尊敬を買う仕事に就くも、やる気ゼロ、大都会で歌手になることを夢見る青年が、僻地の学校に義務として赴く。

序盤、文明に毒されたような主人公の姿を徹底的
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TIME/タイム(2011年製作の映画)

3.5

設定が斬新であり、その上非常に興味深く、SF映画らしいシャープな切り口で、社会格差や人間倫理を考えさせるテーマでした。

“ガチ「時は金なり」”の世界を舞台にしたユーモアや生活様式、文化、システムなど
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アジョシ(2010年製作の映画)

4.0

ナメてたら最強でしたシリーズ第n弾

『ジョン・ウィック』は、隠居するキアヌがブチ切れるトリガーが、大事な車が盗まれたことと愛犬を殺されたこと、でした。
本作はというと、さすが韓国の映画といった塩梅で
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.2

才能に選ばれてしまった者の姿を描く映画は多くあります。
本作は、それに似て、「歴史に選ばれてしまった者」の姿を描いています。

中国最後の皇帝、溥儀は、3歳で皇帝に即位します。
しかし、複雑な時代の転
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