きゅうげんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

キャビン・フィーバー(2002年製作の映画)

3.2

イーライ・ロス監督のデビュー戦は、ストレートかつ変化球な「ヒルビリー・ホラー」×「パンデミック・スリラー」。
全体的な物語も個別的な場面も展開のとりとめがない感じは否めませんが、ジャンル映画の方程式に
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スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.7

娘の無実を信じ異国の地で奔走・迷走・暴走する父を描く、実際の事件が題材の苦く切ないサスペンス・ドラマ。
酒井とパイェの活躍してるオリンピック・マルセイユ……ってことは、2017〜2019年くらいの時代
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿監督最終作

……となるはずだった前作『風立ちぬ』。個人的には指折りに好きなジブリ作品です。
その主人公は、技術者・堀越二郎と小説家・堀辰雄を足して割ったキャラクターであることは広く知られていま
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ドラキュラZERO(2014年製作の映画)

3.8

「ダーク・ユニバース」の斥候となるかもしれなかった、吸血鬼ドラキュラのオリジンを描くユニバーサルご謹製モンスター・ホラー。

『ロード・オブ・ザ・リング』と『300』とを足して割ったようなCG人間・C
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ジャーヘッド(2005年製作の映画)

3.6

1990年、イラクによるクウェート侵攻から湾岸戦争が勃発。海兵隊へ志願した主人公のスウォフォード青年は、偵察部隊の狙撃手に抜擢され多国籍軍の一員としてサウジアラビアに向かう。
しかしそこは、まさしく砂
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.5

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『ブックスマート』で華々しいデビューを飾ったオリヴィア・ワイルドの監督第二作にして、フローレンス・ピュー×ハリー・スタイルズW主演という話題作。

砂漠に突如出現した住宅街ビクトリーは、ビクトリー社に
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

イケオジ職人ジャウム・コレット=セラ監督による、天使と悪魔とヴェラ・ファーミガの闘いを描いた映画『エスター』……の前日譚を描くまさかの続編。
監督は、怪作ホラー『ザ・ボーイ』前後編を撮ったウィリアム・
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

仮面ライダーの歴史はリブートの歴史であり、昭和ライダー・BLACK・Vシネ作品と、つねにその再構築・再定義が試みられてきた歴史といえます。
ところが平成ライダー以降はニチアサのマーチャンダイズが色濃く
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アンホーリー 忌まわしき聖地(2021年製作の映画)

3.1

今夏も熱いホラー祭り!
そんななか(一部で)話題沸騰中のラッセル・クロウ主演『ヴァチカンのエクソシスト』。通称『ヴァチクソ』の脚本担当エヴァン・スピリオトポウロスによる初監督作品。
製作は信頼と実績の
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

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学習型人工知能“エンティティ”。
現代情報社会の膨大なネットワークに接続したことで自我が芽生えたこのAIは、様々なデジタル機器を汚染する人類最強の兵器かつ人類最大の敵へと成長してしまった。
IMF諜報
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史上最大の作戦(1962年製作の映画)

4.7

「あいつは死んで、おれは動けず、お前は迷ってる。戦争ってのはそんなものだ」
第二次世界大戦の戦局を変えた1944年6月6日・通称D-Dayを、ジョン・ウェイン率いる降下部隊やロバート・ミッチャム指揮す
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マッドストーン(1974年製作の映画)

4.6

環境汚染の進むオーストラリア。
政府や企業に対する抗議集会にて、演説中の博士が凶弾に斃れる事件が発生。
近くで駄弁っていたバイカーギャング“グレイヴ・ディガーズ”の切込隊長“ガマガエル”は、その狙撃現
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スピード(1994年製作の映画)

4.1

“ノンストップ・アクション”の権化。
名撮影家ヤン・デ・ボンの映画監督デビュー作にして、キアヌ・リーブス&サンドラ・ブロックのブレイク作です。

「エレベーター→バス→電車」というシークエンス移行は、
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.5

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時は1969年。
引退直前の老教授ヘンリー・ジョーンズ・ジュニアは、友人の娘から“アンティキティラの機械”の調査を持ちかけられる。
しかし彼女は盗掘・不正売買・結婚詐欺など裏社会で名を馳せる存在であり
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.6

キム・ダミvsチェ・ウシク!
話題作にひっぱりだこな若手俳優による共演……というより競演です。
とある記憶喪失の少女は牧場主の夫婦に保護され、質素ながらも幸せな生活を送っていた。しかしオーディション番
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モービウス(2022年製作の映画)

3.1

新生スパイダーマンの登場からMCUと業務提携し、『ヴェノム』1&2で急拡大した“ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース”(通称SSU)。
『スパイダーマン』の原作コミック登場キャラクターに焦点を絞ったフ
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

4.2

これはハーレイ・クインが大好きなチーズサンドを食べるまでのお話。

賛否両論ある『スーサイド・スクワッド』(2016)でも観た人みんなが認めるハマり役となった、マーゴット・ロビーによるハーレイ・クイン
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.1

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エズラ・ミラー版フラッシュ初主演作品にして、ザック・スナイダー:バース最終章を加速させる映画!
監督は『MAMA』やリブート版『IT』前後編で大躍進をみせた、ギレルモ・デル・トロ門下生の筆頭アンディ・
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

まさしく過去の伝説となっていたシリーズを蘇らせ、なおかつ今の人々のための新しい『ロッキー』に生まれ変わらせた、『クリード』サーガ第三弾。
主人公アドニスが老いたロッキーとともに、父アポロと対峙する『ク
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バビロン(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

いつも趣味全開のデミアン・チャゼル監督。
最新作は『セッション』『ラ・ラ・ランド』以上に、自分の好みに正直な意欲作です。


時は1920年代。
音楽と映画にあふれ退廃と享楽におぼれる、地上の楽園“ハ
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

『ワイルド・スピード』最終章ついにスタート!
今は亡き元カノ・エレナには妹がいた!
ミスター・ノーバディには娘がいた!
麻薬王レイエスには息子がいた!
そして“ファミリー”は“レガシー”へ……。

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ムカデ人間3(2014年製作の映画)

2.5

『ムカデ人間』シリーズ第三弾にして完結編。
アメリカのある刑務所。呑んだくれワンマン所長の横暴により、職員の離職率・囚人の再犯率は高止まり、会計担当はその運営に苦慮していた。オマケに選挙前の州知事から
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ムカデ人間2(2011年製作の映画)

3.5

とにかくエグい!キモい!キタナい!
もし映画『ムカデ人間』に影響を受けた人間がいたら……という入れ子構造的な試みの、糞尿と血肉のほとばしるシリーズ第二弾!


なし崩し的で場当たり的な犯行の数々はもち
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

4.0

台湾史最大のトラウマかつタブー、長きにわたる戒厳令下での国民党独裁による恐怖政治。そんな暗い時代の中、ある高校で起こった悪夢的な悲劇を追体験する映画です。


原作は数年前かなり話題になった同名ゲーム
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エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

4.4

2013年、ロサンゼルス。
周辺国との関係が悪化し合衆国内でのテロ活動も激化、さらに大地震によってカルフォルニアが沈没し、まさにこの世はディストピアとなった。
そこで政府はロサンゼルスを流刑地とし、隔
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ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

4.4

1997年、ニューヨーク。
エネルギー危機を引き金に第三次世界大戦が勃発、合衆国内の犯罪増加率も400%を超え、まさにこの世はディストピアとなった。
そこで政府はマンハッタンを流刑地とし、隔絶された島
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ムカデ人間(2009年製作の映画)

3.1

ジャンル映画の中でも色物……だったハズなのに今や現代ネット用語の基礎知識な作品になった『ムカデ人間』シリーズ第一弾。
ドイツの森の中で立ち往生してしまった旅行者の二人組。助けを求めたのはシャム双生児分
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レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―(2009年製作の映画)

3.6

聡明な軍師たちが計略を張り巡らし、勇猛な将軍たちが鬼神の如く闘う、アクション史劇巨編ここに完結。
漢字文化圏が共有する『三国志』という素材を、国や地域の垣根を超えたスター俳優の共演で再構築できたことは
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レッドクリフ Part I(2008年製作の映画)

3.3

ジョン・ウー×三国志演義!
鳩、スローモーション、血しぶき!
トニー・レオン、チャン・チェン、金城武!
『三国志』前半戦のクライマックスのひとつ、赤壁の戦いを中国映画史上最大の規模で映像化!

……っ
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オカムロさん(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

笠をかぶった着物の男が夜な夜な窓や戸を叩く。「オカムロ」と唱えれば去るのだが、これを無視した者は死ぬ。
そして、この話を見聞きした者はとりわけ狙われやすくなるという……。そうつまり、「オカムロさん」は
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「病気のときに見る夢」という慣用句のための映画。
ホリデーシーズンのロシアにて、インフルエンザの熱に浮かされたペトロフさん一家とその愉快な仲間たちを、虚実入り乱れる夢幻的世界観で描く意欲作です。
めく
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.6

全編デスクトップ上で繰り広げられる推理劇。
SNSのフレンドからビデオチャットのやり取りまで、細かいサスペンスが隠された意欲作です。

「パスワードを忘れた」の駆使とか、期限切れセキュリティソフトのピ
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コン・エアー(1997年製作の映画)

3.8

妻を守るため人を殺めてしまったニコケイ。
模範囚として仮釈放が認められるが、乗り合わせた輸送機はダニー・トレホやヴィング・レイミス、スティーブ・ブシェミに首魁のマルコビッチと凶悪犯のオールスター。
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悲情城市(1989年製作の映画)

4.6

台湾北部の港町で酒屋と船問屋を営むヤクザ一家。
ご隠居には家業を継いだ長男、医者の次男と軍属通訳の三男、そして写真館を経営する聾唖の末っ子がいた。
日本の植民地支配が終わり祖国復帰となったものの、大陸
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ザ・グリード(1998年製作の映画)

3.8

よくあるモンスター・パニックと侮るなかれ!
ナイスガイな船長&へっぽこメカニックと女怪盗に、個性豊かな傭兵たちや金満外道オーナー。
彼らを迎え撃つは、……巨大コウモリダコ怪物!

当意即妙な会話劇やお
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サクラメント 死の楽園(2013年製作の映画)

3.7

イーライ・ロス×タイ・ウエスト!
人気ネットメディア“VICE”は、妹の行方を追う男性に同行し、とある宗教の共同体を取材するのだが……。


下院議員への襲撃や史上最悪の服毒大量殺人、後年の教団関係者
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