正しいとか間違っているとか、善とか悪とかの意味を突きつけられるかのような感覚を受けた。
社会的に見れば、闇で子供を売買するブローカーは間違った存在だし、悪でしかない。
でも、ブローカーのサンヒョンもド>>続きを読む
描きたいものと描かれているものとが合っていないような、とてもちぐはぐな印象を受ける映画だった。
「演技を含めた虚構は、時に現実を超えて輝くこともある」というのがたぶん主題。
いきなり、歌いだしたり、>>続きを読む
いやあ、面白かった。
尊厳死というテーマに真摯に向かいつつも、そこに流されることなくしっかりと物語を描き切っている。
二転三転しながら、さまざまな要素がつながり、やがて真相が明らかになっていく話は、先>>続きを読む
設定こそSFなんだけど、中身は西部劇、もしくは古き良き時代のアメリカ大河映画という感じ。
それだけに、最初はこの世界観を受け止めるのにかなり戸惑った。
機械技術が発達していて、ロボットとかもいるのに>>続きを読む
等身大の恋愛映画って感じがすごくした。
恋愛において最初から両想いなんてことはまずない。
「好き」って言ってくる相手に興味が持てなかったり、逆に、好きな人に相手にされなかったり。
付き合うようになって>>続きを読む
あらすじ読んでも予告編見てもまったく意味がわからなかった理由が、映画を観終わってはっきりとわかった。
全部、観ても意味がわからない。
これは受け付けない人はまったく受け付けないだろうなあと思った。>>続きを読む
差別って何なのかってことを深く考えさせられた。
両性具有、シャム双生児、小人、奇形、どもり……。
ここに出てくる彼らは全員が実際の身体障害者だ。
でも、そこに悲哀や哀れみ、哀しみ、あるいは見世物的な>>続きを読む
よくある監禁物ね、という軽い気持ちで観たら絶対に衝撃を受ける映画だと思う。
この手の主人公らしく、セスは異常とも思えるほどの執着心を持っている。
好きになった相手をSNSなどで徹底的に調ベ上げ、彼女>>続きを読む
設定と謎の見せ方、畳みかけ方がとても面白い。
記憶を失くした主人公は、周りでバタバタと死んでいく人たちを見て、最初、ウィルス感染を疑う。
状況的に言って、それがとても自然なことだろう。
だが、彼はやが>>続きを読む
出だしから圧巻のひと言しかなかった。
おそらく2022年時点の日本のアニメーション制作の世界の中で、最高峰と言えるぐらいの作品だろう。
それも、単純に絵がきれいとか、斬新な表現方法があるとか、動きがリ>>続きを読む
ジャパニーズホラーってまだまだいろんなことができるんだ、と強く感じさせてくれる面白い映画だった。
この手のホラー映画は、わりと「題材と見た目優先」なところがあって、映画としての出来がおざなりにされてい>>続きを読む
一見するとシチュエーションホラーのように見えるんだけど、この映画の怖さはそこにはない。
まるで獣のように振る舞う謎の全裸の少女と、どう対応していいのかわからないでいるレオとエルヴィス。
会話も成り立た>>続きを読む
出だしがもう反則だなあと思った。
こんなシチュエーションで、こんな出会いが描かれたら、もう先を期待しないではいられなくなる。
ノリノリで騒ぎ立てる同級生の中、どうしても馴染めないでいる主人公と女の子。>>続きを読む
リアルに描くことの意味ってなんなんだろう、と考えさせられた。
映画は音楽も使わず、カメラワークも排除して、可能な限り、そのままのリアルを描こうと努める。
でも、リアルに描かれたものは必ずしも面白いもの>>続きを読む
1980年代後半にまだこんな現実があったのだということに、韓国という国の抱える闇を感じずにはいられなかった。
害になると判断した人間を、国家は簡単に特定して、潰しにかかってくる。
それどころか、その事>>続きを読む
主人公は三人。
胸が小さいことに悩むラブドール職人のエマ。
自分の撮りたい映画を撮らせてもらえないイケメン映画監督のエドワード。
作家志望だけど、なかなか認めてもらえないブラジル美人モデルのミッシェル>>続きを読む
3DCGアニメーションにこんな戦い方があったのか、と新鮮な気持ちになった。
アニメというのは、本質的に現実とは異なる違和感を抱えている表現だ。
それを観ている人が楽しめるのは、お約束として受け入れてい>>続きを読む
民族とか、歴史を受け継ぐとか、もっと言えば「アイデンティティーとは何か」を強く意識させられる映画だった。
アイヌとひと口に言っても、生活している人々の態度はさまざまだ。
「アイヌの根幹は観光だ」と言い>>続きを読む
この映画の魅力の大部分は、大迫力で戦闘機が飛ぶとこなんだと痛感した。
冒頭で、あの曲がかかり、最新鋭の戦闘機が離発着した瞬間、自分でも悪い見方だとは思いつつ、すでにかなり満足してしまった。
あえて例え>>続きを読む
とても誠実に作られた映画だなあと感じた。
李相日監督は、一見すると物語とは直接的に関係のないようなことも、ゆっくりと丁寧に描いていく。
それは、ある意味で、要点だけをまとめて見せたり、かいつまんで見せ>>続きを読む
「何だ、これは?」と思わずつぶやきたくなるほど、とてつもなく奇妙な映画だった。
出てくるのは長男、双子の姉妹、父母からなるある一家と、そこを訪れるクリスティーナという女性。
家族には名前がなく、話され>>続きを読む
(テレビシリーズ見てた上での感想です)
これまでの物語や設定、状況などの説明が潔いくらいに一切ないので、初めて観る人はたぶんチンプンカンプンだと思う。
単体の映画として評価するなら、明らかに失格だろ>>続きを読む
ただのホラーではなく、人の気持ちの醜さが、怖さにつながってくるのが印象的だった。
この手の話って、日本では実写ではあっても、アニメ映画として作られることはほとんどない。
あまり詳しくないけれど、たぶん>>続きを読む
なんか、とても懐かしい感じのする映画だった。
物語も映像も、描き方も、どこか80年代の邦画の雰囲気がある。
それが古臭さとして目立つのではなく、味となっているのが面白い。
ミステリーの要素を軸にして>>続きを読む
正直、予告編とキャスト、スタッフを見た時にはそこまで期待していなかった。
たぶん、そこそこ面白いだろうけれど、すぐに忘れられていく映画の一本。そんなふうにしか思っていなかった。
が、とんでもない。>>続きを読む
オリジナリティって何だろう。
世界観は完全に新海誠の「天気の子」。
描かれる要素やキャラクターも、どこかのアニメで見たことのあるようなものばかり。
いまどきのアニメって、わりとこういうオリジナリティが>>続きを読む
ここまで怖いミステリー映画を観るのは久しぶりだった。
まず、タイトルが出てくるまでの描写からしてかなり怖い。
榛村が淡々と少年少女を拷問して殺していく様子が、雅也の訥々した語りで綴られる。
ものすごく>>続きを読む
これまでの映画でも常々感じてきたけど、あらためて蜷川実花は物語を撮るのが上手くないなあと感じさせられた。
異質で見栄えのするシーンや、雰囲気のあるシーンなんかはとても上手い。
なので、場面としては強烈>>続きを読む
トキワ荘っていうのは奇跡的な場所だったんだろうなあとあらためて思う。
年が近いとはいえ、同じ漫画家を目指す人同士。
売れる売れないによる嫉妬などもあっただろうし、一緒に生活することで嫌な面と向き合うこ>>続きを読む
「シン・ゴジラ」を期待していると、たぶん違和感を感じてしまうと思う。
怪獣が現代に現われたら、という前提は同じだが、こちらの世界では怪獣が来るのが日常になっていて、そこに危機感や絶望感はほとんどない。>>続きを読む
在日朝鮮人と日本人の恋の話の走りって、てっきり「GO」とか「パッチギ!」辺りかと思っていたので、それよりも以前にこういう映画があったことに驚いた。
出だしはかなり80年代の青春映画色が強く、特に女の>>続きを読む
アクションシーンの見せ方が上手い映画だなあと思った。
映画は、のっけからまるでアニメのようなシーンで始まり、続いて侍たちの襲撃シーンに移る。
野獣のような侍は躊躇も容赦もなく、学校の人間たちを殺して回>>続きを読む
こういうイケてない系の高校生映画って大好き。
主人公のハダシは、時代劇好きで勝新太郎の大ファン。
当然ながら、同級生たちとは馴染めず、浮いた存在になってしまっている。
所属する映画部でも、部員たちはキ>>続きを読む
ひたすら嫌な気持ちだけが残る、かなり変わった映画だった。
主人公の妻は植物状態で、彼は日々、哀しみに暮れて過ごしている。
周囲の人々はそんな彼に同情し、やさしく接する。
それはなんらおかしなことではな>>続きを読む
正直、最初のうちは観ているのが結構きつかった。
飄々として上辺だけをとりつくろい、無難に毎日を過ごす主人公ホリガイの姿は、どこか空々しく面白みがない。
理由はとても簡単で、それが誰もが送っているであろ>>続きを読む
内容も映像も相当にエグいので、嫌悪感を抱く人も多いかもしれない。
でも、ツボにハマる人にとっては、たぶんかなり響く映画だろうとも思った。
映画は、三十年前に起こった村の火事事件を探っていくところから>>続きを読む