大好きなドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作。監督過去作の中でも『プリズナーズ 』と『ブレードランナー2049』の2本は好きな映画を10本挙げろと言われたら確実に答えるレベルで大好きな作品。
しかし前作の『DUNE/デューン 砂の惑星』に関しては個人的に期待しすぎたのもあるせいか、全体的に微妙な仕上がりで上映中何度もウトウトしたのを覚えている。なので過度な期待は辞めて比較的ラフな気持ちで劇場に足を運んだところ、前作を遥かに凌ぐ娯楽性に溢れた大迫力SF映画を堪能することができた。
最近のハリウッド大作にありがちな「ただお金を掛けて重厚そうな画を撮るそれっぽい映画」とは違い、カットの一つ一つの構図や色彩が洗練されていてとりあえず画面を観ているだけで脳から多幸感が湧き出してくる。映像に関して言えばおそらく現代技術で生み出せる最高峰のものなのは間違いないし、確実に向こう10年は古臭くならないだろう。
ストーリーについても、前作が割と人を選ぶような内容であったのに対して本作は誰が観ても楽しめる娯楽性に特化した極力シンプルな映画にブラッシュアップされており、尚且つ編集のテンポも良いので何度でも観たいと思える一作になっていた。
間違いなく劇場で一見の価値あり。
PART3を観たい気持ちもあるけど個人的には『メッセージ』以前のもっと小さいスケールでの作品が観たいので次回作は初心のサスペンス路線に戻ってもらえたら嬉しいです。
