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ラーゲリより愛を込めてのkouseiのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.8
戦後のシベリア抑留者を描いた戦争映画。

全編史実に基づいているので盛り上がりの起伏が少なく、淡々と展開されていきます。しかし、人間が持つ底の力や生き抜いた先にある愛の力がエモーショナルに描かれているので、飽きる暇がありませんでした。

シベリアの極寒の地で日本に帰ることだけを信じて生き続ける日本兵。いつ帰れるのかも分からずに脱走を図ろうとする者や、無念の死を遂げるものも…そのような状況下でも希望を捨てずに"生きる"ことの意味と、その先にあるものを信じ抜くことの大切さを痛感しました。

日本にいる家族の状況を把握できるのは薄い一枚の葉書だけ。この薄い葉書一枚に収容者の全てが詰まっており、そこに刻まれる"文字"の力はやはり偉大だなと感じる。
今の時代は文字は書くものではなく打つものに変化してきています。しかし、偶には言葉や文字にして何かを伝えてみることも必要だと思いましたね。

硫黄島でもそうでしたが、二宮和也は日本兵の役が似合いますね!顔や体型が丁度良く役柄とマッチしていて、何より演技力も申し分ない。この作品における二宮和也の"声"には魂がこもっており、心を震わされました。
その他の豪華キャストの熱演にも注目です!

周りから鼻を啜る音も後を絶たないほどの感動の嵐!鑑賞時にはハンカチをお忘れなく!
まだ観てない方はぜひ!
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