回想シーンでご飯3杯いける

やがて海へと届くの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
3.1
岸井ゆきのと浜辺美波。今では主役級の人気女優となった2人が、ほぼW主演の形で共演する2022年の作品。

引っ込み思案の真奈(岸井)とすみれ(浜辺)は、大学のサークルが主催する新歓コンパの女子トイレで仲良くなる。その後、一緒に暮らすようになった2人だったが、ひとり旅に出たすみれは、そのまま姿を消してしまう。その5年後を舞台に、真奈の視点で物語は進む。

監督は、これで5本目の鑑賞となる中川龍太郎。今作も女優の魅力を軸にした、静かで丁寧な作風。女性の友情を描いた作品として「マイ・ブロークン・マリコ」と似ている部分もあるが、断然こっちの方が好みである。

しかし、ここ2~3作品のレビューで繰り返し書いているのだが、近年の中川監督作品は雰囲気が優等生過ぎる。というか、2人の女優が他の作品でも見せたような人物像を演じているだけのように見えて、初期作品で見られた、内に秘めた荒々しさを感じられないのが何とももどかしい。有名女優を起用ともなると、何か制限みたいなものがあったりするのだろうか。