回想シーンでご飯3杯いける

ブータン 山の教室の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)
4.0
昨日レビューした「山の郵便配達」の舞台、中国湖南省よりも更にアジアの奥地にあるブータンが舞台。その首都からバスで2日、更に徒歩で6日を費やしてようやく辿り着く事が出来る、標高4000mの秘境ルナナにある学校の話である。

ブータンの都会で教師をしている若者ウゲンは、教師を辞めて海外でミュージシャンとして活動する事を考えていたが、そのタイミングでルナナへの転勤を命じられ、渋々現地に向かう事になる。

「山の郵便配達」同様に豊かな自然が描かれるが、こっちは更に奥地という事で、電気もまともに供給されておらず、衛生状態も決して良くない。大自然に癒される映画とは、さすがに言えないと僕は感じる。

そんな厳しい環境の中で、前任の教師は逃げ出してしまったようなのだが、子供達は新しく赴任したウゲンに期待を募らせる。塾も受験も無い村だが、子供達は学ぶ事が何よりも楽しいのである。現地でスカウトしたという子役の演技が可愛らしく、ウゲンと心を通わせていく光景も微笑ましい。

「山の郵便配達」とは違い、本作は現代の話なので、一応スマホも登場するし、ウゲンの行動は所謂現代っ子という感じだ。人によって見え方は違うようだが、全編に渡って美談という作りになっていないのが良いと思う。