期待していた程の面白味は無かった。
画の雰囲気などは味があったし、阿部サダヲさんや水上恒司さんの演技は良かったけど、それらの重さに対してストーリーが軽いというか。
監督が「フィクションらしいフィクション」「コメディに転化する瞬間もある」と仰っているとどこかで読みましたが、これだけ狂ったサイコパスを扱っているならリアルさを出してもう少し怖さに振り切って欲しかったなというのが正直な感想。コメディ要素は不要かなと。
爪を剥がす様子をしっかり映したりするのも、グロさより冗談ぽさが勝ってしまっている気がした。被害者の負傷の度合いも然り。
ハッキリと映すよりも想像の余地を与えられる方が怖かったり、不快さが増したりするので。
“死刑にいたる病”について描きたいだけなのであれば成功してるかもしれないけど、それについて恐怖を煽ったり嫌な余韻を残したかったのであれば、微妙なところです。
原作小説の方が楽しめそう。