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The Hand of Godのペインのレビュー・感想・評価

The Hand of God(2021年製作の映画)
4.7
まさしく“ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ナポリ”な、ある種時代錯誤的圧巻の傑作。

シネフィルほいほいな敷居の高い雰囲気、Netflixオリジナル作品で、且つ個性の強い監督による文字通り“作家性”を突き詰めたアーティスティックな作品故に、日本人にはあまり観られていない&評価がパッとしないのもわからなくはないけれど、少しでも何か引っ掛かるもの、惹かれるものがある人には是非観てほしい1本(※現在『ドライヴ・マイ・カー』と並び世界の賞レースを席巻中)。

決して万人向けとは言わぬまでも、パオロ・ソレンティーノ監督作中ではアカデミー国際長編映画賞を受賞したあの『グレート・ビューティー/追憶のローマ』と点と点が線で繋がるような1作で、普遍度は(完成度も)最も高い。

恍惚としてしまう美しい画のつるべ打ちは健在で、しょうもないギャグも随所に盛り込まれていたり(ダフトパンクみたいな声出すおじさん最高!)、『君の名前で僕を呼んで』時のティモシー風な主人公がより我々に感情移入しやすくしてくれる(※フェリーニやレオーネへの愛もより直接的に表現)。

サッカー経験者としては🇦🇷の伝説的スポーツ選手(ディエゴ・マラドーナ)を通して時代を物語ってくれたことにより、作品没入度が増した部分が個人的にはあるものの、それでも全然彼について知らなかったこともあったのでサッカー知らない人が観ても問題なし。
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