しゅうへい

イノセンツのしゅうへいのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.5
『イノセンツ/innocents』
無害、無実、純潔、潔白、純真

ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友人同士になった4人の子どもたちが、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。子どもたちは近所の庭や遊び場で新しい力を試すが、やがてその無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめる。

退屈な夏休みに不思議な力に目覚めた子どもたちの遊びが、次第に狂気へと変わっていく姿を、美しくも不気味に描いたノルウェー製のサイキックスリラー。『ミッドサマー』を継承する作品。

「どこまでも純粋で、どこまでも残酷で。」

善悪の判断がつかない子供達の身に大いなる力が宿るとどうなるのか。大人が一切介在しない、子供たちの“危険な遊び”は予測不能な想像を絶する結末へと突き進む。たとえ大人が認知していたとしても、無邪気な子供の知的好奇心は抑えることが出来ない。この作品における「正解」がなんだったのか、いくら考えても答えが見つからない。

大友克洋の傑作漫画『童夢』からインスピレーションを得た本作。読者ならほぼ確実に大友の影響を受けているのが分かる設定。ただ安易に「ファン必見!」と言っていいのかが問題…。コンプラってなんでしたっけ?

ここまで精神をすり減らされた映画は初めてかもしれない。吐き気を催す程の胸糞の悪さ、もう一度観ることに躊躇してしまう。でもパンフ購入、Blu-ray購入確定。PTA発狂間違いなし。国によっては上映すら困難かも。人に勧めることが憚られる正真正銘の(問題)傑作。鑑賞は自己責任、現段階で身近に感想を共有する相手がいないこの歯痒さも含めての良さなのかもしれない。

1年振りにベストムービー更新しました…。
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