しゅうへい

インフィニティ・プールのしゅうへいのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
2.5
『インフィニティ・プール』(2023)
■原題:INFINITY POOL
■予告:https://youtu.be/Z5_pg9rhnmM?si=MjVKK7aNZrwWL3Mv

「罪をつぐなうのは、もう一人の自分」

■スランプ中の作家は妻とともに、気分転換を兼ねて孤島の高級リゾート地へ。彼の大ファンという女性と意気投合し、ドライブを楽しむことになる。彼は交通事故を起こしてしまい、島の決まりで死刑を宣告されてしまう。ただし身代わりのクローンを作れば罪を免れると教えられる。

■ デヴィッド・クローネンバーグを父に持ち、自身も『アンチヴァイラル』『ポゼッサー』など独特の世界観に溢れた秀作を送り出し、カルト的な人気を誇る鬼才ブランドン・クローネンバーグ監督の長編第3作にして、最大の話題作がついに日本上陸!

「これはあなたの“性癖”に刺さるリゾート・スリラー」

スランプから抜け出したい作家の顛末。取り返しのつかない転落と倒錯。「クローン技術の発展」により観光客はどんな犯罪を起こしても大金を払えば自分のクローンを作ることができ、そのクローンを身代わりとして死刑に処すことで罪を免れることができる。法は(一応)存在するものの、金さえあればやりたい放題。こんな世界なら狂ってもいいじゃない…?

SF要素<究極の悪趣味。エロ・グロ・サイケ。過度な暴力と人体破壊。ドラッグと乱交シーン。ノーモザイク性器の描写。民族的な奇形マスク。倫理観崩壊、醜く美しい世界。ドラッグのトリップ描写、キメセクの表現、トランス状態が世界一上手い監督。恐怖と快感に同時に襲われ支配される感覚。経験したことがないのにクラっと来てしまった。

『ノースマン』(2022)振りのアレキサンダー・スカルスガルド。一目で分かった端正な顔立ちと筋肉質ながら細身の長身。老若男女、口を揃えてイイ男と呼べる程なのに、情けない救いようが無い男を演じるギャップはやはり良い。環境が人を変える、人間の欲深さは悍ましい。オススメできません。

1年振りに学生時代の友人と喫茶→映画→焼肉。ただこんな胸糞悪い映画を観た後に焼肉…美味しかった。映画通ならではの会話はやっぱり弾む。進路は違えど、共通の趣味・映画があれば当時の記憶が蘇る。今作を観る相手が耐性がある人で良かった。
しゅうへい

しゅうへい