しゅうへい

DUNE/デューン 砂の惑星のしゅうへいのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.0
『DUNE/デューン 砂の惑星』(2020)
原題:Dune: Part One

「この惑星を制したものが、全宇宙を支配する。」

■西暦1万190年。人類は宇宙帝国を築き、厳格な身分制度のもとで各惑星を1つの大領家が治めていた。皇帝の命を受けたアトレイデス家は、希少な香料を産出する砂の惑星アラキスを統治すべく旅立つ。しかし彼らは現地で、宿敵ハルコンネン家と皇帝が仕組んだ陰謀に直面することとなる…。

■砂に覆われた惑星“デューン”を舞台に、宇宙の未来を託された青年の運命を描くSFアドベンチャー。SF作家、フランク・ハーバートのベストセラー小説を原作に、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督と脚本を務め映画化した。本作は通算5度目の映像化作品となる。やはり同監督作『メッセージ』『ブレードランナー2049』と似てる点がチラホラ。

「夢は深淵からのメッセージだ。」

深い夢と現実とが溶け合う深淵。芸術性・創造性。どこを切り取っても美しい画作り、見事な美術と造形、細部まで作り込まれた世界観。壮大なスケールで描かれるSFスペクタクル。過去に映像化してきた先人達の知恵や地盤固め、現代の技術があってこその本作。初めて『スター・ウォーズ』を観た感覚と似ている。それもそのはず、本家本元はこの『DUNE』だった。

立ち姿だけで画になる俳優陣、見渡す限りの眼福なビジュアル、まるでBalenciagaのショー…。ポール・アトレイデス役、もしティモシーが演じていなかったら納得できたのか不安になるレベル。主役級の俳優達が脇を固める完璧な布陣…一部呆気ない退場には残念。アメコミ俳優の安心感って偉大。

惑星アラキスで最も危険な巨大生物、“砂虫”ことサンドワーム。地中に身の潜め、振動に反応し、襲いかかる化け物は、砂漠が舞台の作品の恒例ともいえる。ただ今作のサンドワームは絶望そのもの。『トレマーズ』の地底生物グラボイズとは比較にならない。

2021年。公開当時:TOHOシネマズ新宿にて。劇場で五感をフルに刺激されたのを思い出す。自然豊かな惑星カラダン(コロナ禍以前)から、過酷な砂漠の惑星アラキス(コロナ禍)へ移住したアトレイデス家(観客)とリンク。鑑賞中ウトウトしても仕方ない悪くない。サブスクで改めて見直すと、序章に過ぎない一作目をやや過大評価していた。

2時間半の導入。続編を観ないことには評価し辛い。圧巻の映像と音響、映画館というバフをモロに受けた作品。とはいえ、このスコア4.0。“超大作”という認識から“大作”に塗り変わっただけ。結果的には大好物でした!PART2の上映数が少なくなったから早めに観ないと…。
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