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笑いのカイブツのneokamakiriのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.0
人間関係不得意、この一言に尽きる。すぐそこにチャンスは転がっていながらも、それを掴まないところがもどかしい。その一方で、どこかしこから湧き上がるエネルギーとともに前に進む、諦めの悪さと情熱のすごさ。登場人物は、反社の人も含めて意外と好人物しかいないのがミソ。菅田将暉の居酒屋のシーンは、生き辛い世の中でもがき倒す様と、もがき疲れた末にそれを温かく見守る様が対照的で、グッとくる。

決してサクセスストーリーではない、構成作家の生き辛さを岡山天音か好演。5秒に1ネタ考えるという超人技を体現している所が、凄まじく、そこにツチヤを生み出している。ボソボソしゃべる所も多く、聞き取りづらいのは玉に瑕。

途中に出てくる大喜利は、必ずしもストーリーとマッチしておらず、やや浮いていた。が、エンドクレジットはなかなか爽快で、アクションなど撮るジャンルを変えれば、さらに一皮剥けそうな匂いがプンプンする滝本憲吾監督。今後に期待したい。
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