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最後の決闘裁判のjamのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
衆目の前で、赤裸々な質問に答えなければならない
普通ならば耐えがたく、そこに来たことさえ後悔してしまいそうであるのに
マルグリットは凛として答えた


…思い出した
私も裁判所で、証言台に立ち
被告と自分の関係について大層個人的な質問に答えなければならない過去があったことを

随分前のことになるけれど
情状証人の私は"何事も隠さず真実を述べる"宣誓の元、
文字通り根掘り葉掘りの質問に答えた
私自身が悪いことをした訳ではないのに
私生活について話さなければならないのは
とてもとても辛いことで
証言台を降りたあと、涙が止まらなかった



子どもが出来ないのは、性行為で頂点に達していないからでは?


負ければ自らも焼かれ命を落とす
瀬戸際に置かれなお


人々の好奇の目の中
挫けそうな心を隠して
毅然と答えるマルグリットの蒼ざめた眼差し
そのぞっとするほどの美しさ


夫の視点
友人の妻を陵辱した男の視点

そして、妻の視点

同じ出来事が
それぞれの視点により違うものに見える

…果たしてどれが真実なのか





とても久しぶりの映画館での鑑賞

馬の蹄の地を蹴る響き
刃のぶつかり合う音のつんざき
そして人の吐息

自宅鑑賞では到底味わうことのできない
これらを肌で感じて

やはり映画館は、良い
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