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大河への道のjamのレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
3.9
"井戸の底の民"から、"海の底の民"へ。

何のこと?思われますよね。
Twitterでの大河ドラマファンの呼び名なんです。
井戸の底、は"おんな城主直虎"
海の底、は"平清盛"


そもそも、どうして"大河"ドラマって言うのでしょうか?…さておき。


きちんと観ていなくても、大抵の日本人ならば大河ドラマのタイトル、いくつかは覚えてるんじゃないかと思うのです。
人口に膾炙するほどの名作にハマれば、嬉しいことに一年じっくりと楽しむことができるのです。
ご当地ともなれば、受けるメリットは計り知れない…
そんな状況から、郷土の偉人をテーマに是非とも大河ドラマを!がこの映画のスタート地点。

千葉県香取市ゆかりの人物、伊能忠敬を大河に。
実現に向けて調べていくうちに、まさかの事実発覚…


片や、大河ドラマの制作
片や、日本地図の作成

令和と江戸、双方のドタバタ劇を同じキャストが演じるのが見どころのひとつ

"民"でなくとも、大河ファンであれば
ニヤリとするキャストの顔ぶれも。


私はと言えば、幼少期は別として
きちんと一年通して大河を観たのが、
岡田くん主演の"軍師官兵衛"からという
大河ファンとしてはまだまだひよっこ
今年は"新撰組!"以来の執筆となる三谷幸喜脚本の"鎌倉殿の13人"を毎週楽しみにしているのです。

そして、源氏と平家繋がりで
観始めた"平清盛"
2012年の放送当時はお世辞にも大ヒットとはいかなかったこのドラマ…その深みに見事にはまり込み。


その、平清盛で素晴らしい親子を演じている中井貴一と松山ケンイチ
この映画ではガラリとテイストの違う
市役所の総務課職員と江戸の天文学者と助手、二つの役柄を演じ分けて魅せてくれています。

田中美央、和田正人の二人のみならず
"井戸の底"からは脚本の森下佳子!
となれば、否が応でも期待は高まるというもの。


…そこまで言っておいて、この点数とは?

確かに良い作品なのですが、ラストのオチで、賛否両論分かれると思います。
なるほど、志の輔の創作落語が原作と言われれば納得ですが。


できるならば、
時に激流なれど
時に悠々と揺蕩う
河の流れのような
人の心に沁み渡る
そんなお話が観たいと思うのです…

あ、だから"大河"なのでしょうか。
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