藻尾井逞育

呪呪呪/死者をあやつるものの藻尾井逞育のレビュー・感想・評価

3.5
「心の中の悪鬼にばかり執着して、愛する人たちを失うな」

死後3カ月の経過した容疑者の死体が、被害者の側に横たわる怪事件が発生する。チョン刑事は捜査に乗り出すが、解決の気配はない。一方、ジャーナリストのジニは、事件の裏に大企業の存在を突きとめる。だが、呪いでよみがえったゾンビ集団が襲いかかり……

台湾学園ホラー「怪怪怪怪物」や昔の朝ドラ「あまちゃん」の名フレーズ「じぇじぇじぇ」を思い出させるタイトルに一目惚れして鑑賞しました⁈ドラマ「謗法〜運命を変える方法〜」の後日談なんですね。例によってドラマ未視聴での鑑賞でしたが、説明の描写も丁寧で単独でも十分に楽しめました。
出だしは超常現象、昔のドラマ「Xファイル」っぽくて結構引き込まれます。あの月の欠けた形は月食?、なんか気持ち悪いなぁ。映画のジャケにも呪術師vsKゾンビと謳われていますが、このKゾンビ、なかなか魅力的です。全員会社から支給されたパーカーのフードをかぶり、まるでEDMのDJのように静かに佇んでいる姿はカッコよくスタイリッシュですらあります。そしていったんスイッチが入ると襲いかかる動きもキレッキレなのは、さすがKポップダンスのお国柄ですね⁈ さらにこのKゾンビ、現代的な「感染型ゾンビ」ではなく、悪霊に操られ蘇った死者をゾンビとして描いていますが、操られているとはいえとても知的で、タクシーを奪って自分で運転してカーチェイスをチームプレイで繰り広げるなんてシーンは圧巻です。
エンディングの後の付け足し映像は、「お前は一体誰なんだ?」って、思いっきり違和感を覚えました。あまりに違和感満載で落ち着かないので、頑張ってドラマ「謗法〜」も最初から全部見ちゃいました⁈おかげで謗法のやり方には二通りのやり方があることや、映画の登場人物はほぼドラマから踏襲していることや、付け足しのあの人が誰なのかはわかりましたが、やっぱり最後に言っている意味はわかりませんでした。頑張ってドラマまで見たけど、結局最後は次回作に続く、程度の意味だったりして。トホホ。まぁ、面白かったからいいか。