やべべっち

おひとりさま族のやべべっちのネタバレレビュー・内容・結末

おひとりさま族(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

これは無茶苦茶良かった。
恋愛が出来ない独身貴族女の話かと思ったら全く全く違った。

これは孤独な女の子の話ではない。1人きりでいるのに他人の声が入ってくるから苦しいのだと、名越康文先生は仰っていたがこの主人公もその類である。

コールセンターで働いている優秀なOLジナは亡くなった母親の事、過去自分達を捨てた父親の事、昔のトラウマと感情に囚われて身動きが取れなくなっている。そしてテレビを付けっぱなしでないと寝れない。だからさ、可愛い懐いてくる後輩が現れてもその娘を心の中に入れる事が出来ない。

「別れの挨拶」

これは合理性に流され共同体感覚が失われがちな我々も疎かにしがちなものでないだろうか。ジナは亡くなった母親も隣に住む亡くなった若者にも「別れの挨拶」をしなかった事に気がついた。可愛い後輩スー・ジンからも逃げてしまう事で身体を壊してしまう。共同体感覚を失う行動を取ると身体が反乱を起こす。だが彼女は監視カメラで父親が母親が弔う事を見て又隣に越してきた青年が元々の住居人の為にお別れ会をしている事を見て「私は私を通り過ぎた母親や後輩に対してお別れを言えただろうか」と。

本当に正しく孤独になれば人にも親切になるのだと思う。

主役のコン・ユンソン(twiceのジョンヨン)がガチ正統派美人で他の映画でも観たいなと思う。