相原

スティルウォーターの相原のレビュー・感想・評価

スティルウォーター(2021年製作の映画)
4.4
犯人探しの先に浮かび上がる真実が、なかなか衝撃的だった。
観る前、あらすじと予告を見て、父親・ビル(マット・デイモン)がなんかあんまり頼りにならなさそうなダメダメっぽいな〜と思っていたのだが、観ると最初の頼りにならなさそうさはそうなった理由もちゃんとあって、思っていた以上にちゃんと父親だった。すごく父親だった。
マヤ(リル・ソヴール)の存在がすごく救いで、めちゃくちゃ可愛かった。本当にかわいい。
ビルがサッカーの試合のチケットをプレゼントしたときの喜びようがめちゃくちゃ可愛かったし、その喜びように嬉しそうなビルがまた可愛らしくて、「もうずっとこの幸せが続いてくれ〜〜!!!」とめっちゃ思った。
ヴィルジニー(カミーユ・コッタン)が完全に良い人、というわけではないけど、親切で、すごくちゃんと母親で、心底マヤを愛しててマヤを守っていたのが良かった。
最初ピリピリしていたビルの様子が、ヴィルジニーとマヤと過ごしだしてから心底穏やかな表情をして幸せそうにしているのがすごく救いだった。娘が5年も刑務所入って、マスコミに叩かれて、ってしてるからピリピリもするよな、と分かるから余計、幸せそうで良かったな……!ってなった。幸せそうでどこか不穏さを感じる映画で、ずっとハラハラしていた。
娘のアリソン(アビゲイル・ブレスリン)が、父親の愛情を分かっているからこそ、甘えて八つ当たりするということが多く、あまり良い印象を受けなかった。娘のために犯人探しをしていた過程で、病院に運ばれるほどボコボコにされて、傷だらけのまま娘との面会に来たのに、「大丈夫?」の一言もないのがすごく残念だった。パパのせいで私の人生が台無しになった、と言っていたけど、どっちかと言うと、アリソンの方がビルの人生を台無しにしたのほうが正解では、と感じた。
それでも娘だからと心底愛するビルの気持ちは、今は分からないけど、子どもができたら分かるのかなと思った。
相原

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