ひこくろ

べイビーわるきゅーれのひこくろのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
4.3
気持ちのいいほどに全方面で振り切った映画だと思った。

女子高生の殺し屋という設定からして、まるでマンガかアニメの原作があるかのよう。
さらにちさととまひろをはじめ、各キャラクターが極端にキャラ立ちさせられている。
会話や行動も同様で、キャラに合ったものが徹底的に突き詰められる。

たぶん、ここが少しでもズレたら、観るに耐えないものになっていたと思う。
が、映画はその徹底さを微塵もブラさないので、陳腐さも、嘘臭さも、醒めた感じもまったく感じさせない。
どうでもいい会話も、ベタベタなボケも、ギャグも、ワチャワチャ感も、何もかもがこれでもかってほどに突き抜けていて、だからこそ、とても楽しい。

すごいなあ、と思ったのは、アクションの面でもその徹底さが貫かれているところだ。
正直、この規模の映画のアクションとは思えないほどの出来。
冒頭のアクションシーンの迫力には、一気に引き込まれた。
アクションだけでここまでワクワクさせるのって、大作でもなかなかできることじゃない。
「なんだ、これ?」と思うくらいに、本当に凄かった。

可愛さもおかしさも、格好よさも、くだらなさも、ここまでやってくれたら文句がない。
というか、そこまで突き抜けたものを見せてくれたことに満足できる。
あらゆるところに手加減がないことが、ここまで映画を面白くするのか、と感動した。
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