hisauk

ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言のhisaukのレビュー・感想・評価

3.7
第二次世界大戦、ヒトラー率いるナチス支配下のドイツ「第三帝国」がもたらしたユダヤ人大虐殺の悲劇。

ホロコーストを目撃した人々、ホロコーストで働いていた人々、ナチスの元武装親衛隊エリート士官たちにインタビューをするドキュメント。

イギリス出身のルーク・ホランド監督の母親はユダヤ人難民だった。
祖父母はホロコーストで殺害されている。
映画を制作したきっかけは祖父母を殺した人間を探すためだったそうだ。
10年の歳月をかけて250人以上の人達にインタビューをしてきた。

元エリート士官だった男性は後悔し現代の若者に伝えて行こうとする。

ドイツ人でも逆らう事のできなかった状況。
それは分からないわけではないが…。
見て見ぬふりをするしかなかった。
そしてほとんどの人達は言い訳の様な事を話す。

9歳、10歳という幼い年齢でナチスの英才教育の様なものを受け、洗脳された人達。
それがとても楽しかったと話す。

後悔する者もいれば、アーリア人だけがなれるSSというエリート士官であった老人は誇りを持ち、ヒトラーを今持って支持し否定する事はなかった。
ナチスの身分証明書や勲章などなど誇らしげに見せる。

自分たちは最前線にいて、ホロコーストの事は知らないと嘘ばかりを話す元軍人たち。
村人を焼き討ちに皆殺しにしたのに。

知らないわけがない。
本当に恐ろしい。

この映画に出演している人達は生き残って長生きしている。

見て見ぬふりをしてきた人達、そして加害者たちなのだ。

当時の実際のフィルムが時折流される。
カラーの映像が生々しく、真っ赤な鉤十字の旗、親衛隊の子供達の笑顔に言葉も出なくなる。

ルーク・ホランド監督
hisauk

hisauk