ニコチンロイド

シン・仮面ライダーのニコチンロイドのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
5.0
貴方にとって、「仮面ライダー」とは何ですか?
その答えによって、この映画が合うか合わないかは極端に分かれると思います。

全体的には、変な映画です。奇怪です。歪です。
シンゴジラ、シンウルトラマンときて、ついにここまで好き嫌いがはっきり分かれるものを作ったか!と感じました。

めちゃめちゃ駆け足だし会話やカットにしっかり意識を向けていないと大事な情報がサラッと流れて行ったりします。
それでも尺が足りてねえよ!という感じなんだけれど、この割とおいてけぼりになるやつはおいてけぼりでいいよ!という疾走感、なんか既視感あると思ったら、そもそも石ノ森章太郎の漫画版の仮面ライダーってそうだったわ!となる。俺はなった。

「仮面ライダーってのは抜け忍なんだよ!!!だから怪人はみんな「あり得たかもしれない本郷猛の姿」だし、そして自分の持つ危険過ぎる力に怯えて自分が人間ではなくなって社会から切り離されてしまったことに絶望しながらそれでもその力を人々の為に使おうとするのが仮面ライダーなんだよ!!!!!」というのが僕にとっての仮面ライダーでして、この点に関しては120点の描写をしてくれたと思ってます。てか、やっぱり思った通り全体的な雰囲気に小説の「仮面ライダー1971-1973」っぽさを感じました。
僕はこの小説がマジで死ぬほど大好きなので大歓迎。
僕はこの小説と漫画「ハイブリッドインセクター」がフェイバリット仮面ライダーなだいぶ異端のライダーファンなのでそこらへん合わない人はやっぱり合わないんだろうなあ。

総じて。
「嫌いな人は嫌いでいい。だけど俺はとにかくこの映画のあらゆるところが好きだし愛らしいから、これからもそう高らかに叫んでゆくぞ」です。

迷ったらとりあえず観に行きましょう。
何よりも全身でこの映画を浴びて、その「風」を感じることが大事です。4DXで見なくとも、存分に「風」を感じられるはず。