氷雨水葵

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
5.0
2023年111本目

ばちこり泣いた
(鑑賞後1日のため感情渋滞中&ウルトラ主観&語彙力ないかもです)


感想長い&ネタバレ含みますが、本当にいいんですね?


◆あらすじ
昭和31年。血液銀行に勤める会社員の水木(CV:木内秀信)は、政財界を牛耳る龍賀一族の当主・時貞の死を弔う名目で哭倉村に向かう。

時を同じくして、鬼太郎の父(CV:関俊彦)もまた、妻を探すため村へと足を踏み入れた。

時貞の跡継ぎ争いが勃発するなか、怪奇の連鎖がはじまる―――。

◆感想
ネタバレ含みますが、本当の本当にいいんですね?
ウルトラ主観ですよ?
読んでいいですね?
それではどうぞ。






・まず総括
今年3番目によかった!というのも、1番はザファ確定だし、2番は劇場版PPなので(笑)とはいえ、めっっっっちゃくちゃ最高やった!!そして、バチクソ泣いた。正直、鬼太郎ファンでもなければ、沢城みゆき版すら1話、2話しか観てません。が、声優さん豪華&友人に激推しされたので観た次第。描写、脚本、キャラクター性、アクション、締め方などなど、すべてが最高の仕上がりになっていて、マジでたくさんの人に観てほしいです。鑑賞直後、涙が止まらなくて大変でした…。許されるならその場で泣き崩れたかったくらい、追い打ちをかけるラストで、子どものように泣きじゃくろうかと。いい意味で情緒がぐちゃぐちゃになる作品でした。

さて、いくつかの見どころに分けて書いていきましょうかね~。

・世界観
子ども向けどころか、まぁまぁ大人向けのシリアスな世界観でした!まぁそもそも水木しげるワールドが、そこまで子ども向けじゃない印象なので、さほど驚きはなかったですが。ただ、大人向けといっても横溝正史ばりのダークさなので、そこは少しびっくり。金田一さんでも出てきそうなくらいのミステリー要素もあり、ホラーアニメかつサスペンステイストの世界観でした。

・キャラクター性
本作の主人公は血液バンクに勤める会社員・水木と鬼太郎の父ゲゲ郎(水木命名)。
まず、水木について。とくに癖に刺さったわけじゃないですが、ダボダボ背広姿の水木が良いッ!!黒髪垂れ目の男が銃をぶっ放し、斧を振りかぶり、そんな水木がとにかくかっこいい。そして、白いシャツが血に染まっているのもよくて、人間性も好き。あと、優しすぎて人垂らしなところも良き。

つづいて、鬼太郎の父ゲゲ郎について。CV:関俊彦ばっちり合ってて腰抜かすかと思った。着流し姿がめちゃくちゃ素敵で、どこか儚さを醸し出しているのが良いっ!!脱色系というのもポイントで、こちらは私の性癖にぶっ刺さりまくり。片目が隠れており、左側からみたときの横顔がスキすぎるぅぅ…。ドストライクの一言。そして、こちらは子どもに優しい人垂らし。

・同世代コンビによるバディもの
ただでさえ激強&ぶっ刺さりビジュアルなのに、バディものときた。これがまた至高。しかも、片方が既婚者であることにより、ブロマンスならではの感情表現がされているところが素晴らしい。男女のロマンス作品では到底描けない絶妙な距離感の2人なのだ。加えて、ゲゲ郎&水木の関係性が深くなるほど、ラストでこみ上げてくるものは大きく、感情が爆発します。ていうか、爆発した。関俊彦&木内秀信ベテランコンビによる演技もよくて、意外な組み合わせと思いつつも、最終的には「てぇてぇ」に落ち着く。

・糸目の石田彰
多分、声優&アニメファンなら「!?!?」と思ったことでしょう(笑)石田彰がちゃんと石田彰してて石田彰らしかったですね!個人的に糸目キャラというと、遊佐浩二さん演じる市丸ギンや『黒執事』のラウ、『銀魂』の東城歩や『鬼灯の冷徹』の白澤さんetc…なのですが、まさか本作では石田彰が糸目とは。長田は、石田彰ファンの期待に大いに応える良きキャラクターでしたね。そして、案の定、石田彰らしくうrgrって感じで安心しました。

・アクションシーン
「ゲゲゲの鬼太郎ってこんな感じだっけ?」と足りない脳みそで考えるくらいには、アクションシーンの出来の良さに驚きました。主観ですが『呪術廻戦』的なスピーディーさだったかと。ゲゲ郎がかっこよすぎてもう無理。あんなに動ける親父ほかにいないだろ!?しかも、浴衣一丁下駄一丁っていうのがたまらん。しかもゴリゴリパワー系親父でツボ。
終盤にも激しめのアクションがあり、そこに関しては友情パワーが勝ったという印象。2人のひたすらに熱く厚い友情に感無量。迷いなく斧を振りかざす水木に拍手を贈りたい。アクションもさることながら、とにかくワンシーンワンシーンの描写が丁寧。ドラマパートにしても一切妥協がなく、今のアニメって感じでしたね。

・本作で’’なかったもの’’
容赦と救い。
蓋を開けてみれば『BLOOD-C』ばりに容赦ない残酷描写。事前に「グロあるよ」と聞いていたものの、中盤・終盤の描写には驚きを隠せない…。とはいえ、そこらへんの耐性は振り切っているので、驚き以外はありませんでした(笑)ポスタービジュアルで水木とゲゲ郎、地蔵だけが血に染まっているのはまさに「これ」が理由です。改めてみると素晴らしいポスタービジュアル。この一枚に本編のすべてが詰まってる。
そして、容赦に続いてなかったものがもうひとつ。そう「救い」。ジャンプアニメのように「どこかに希望がぁぁ…」「主人公だから勝つよね」と淡い期待を抱いていたが玉砕。ゲゲ郎の「お主が生きる未来を、この目で見てみとうなった!!!」のセリフでもう感情ボロボロ。思わず「水木ーーーーーーー!!!」「ゲゲ郎ーーーーーーー!!!」と叫びたくなる結末で、感想書きながら・・・う、う、うわあああんんん.°(ಗдಗ。)°.って感じ。気になる人は劇場へゴー!

・エンドロールが終わるまで
本編が終了しエンドロールが流れるわけですが、最後までしっかり観てほしいです。一度止まった涙がまたあふれ出す「そこで繋がるのか」な終わり方。原作やアニメを観た人にとって涙腺決壊レベルかと。’’あの’’一話に繋がります。そして、水木の脳裏に浮かぶ満開の桜と戦友の姿。ここの描写でまた涙がぁぁ。水木の判断にも涙が止まらないだろうが!!

・でも・・・
容赦も救いもなかったし、クソデカ感情のオンパレードだったけど、ひとつだけ救いがあった。「ご鑑賞後に開封してください。」と書かれた銀の袋、いわゆる来場者特典。本編で救われなかった行き場のない感情を救い上げてくれました。

このほか、純愛や人間の業、犬神家の一族ばりの後継者争いなど、見どころたっぷりでした。控えめに言っても最高だったので、あと何回入村すれば済むかと思っている次第です。

終幕後、電気つけるの待ってくれんか?
顔面も情緒もぐちゃぐちゃでとんでもねーんだわ。

あと、言わずもがな声優さんくっそ豪華なのでぜひ!!

入村日
11/21
11/27
12/8
12/19
12/23
氷雨水葵

氷雨水葵